No.006
2023年04月02日

野村望東尼とは、どんな人物?
1806年~67年 幕末の女流歌人・勤王家。福岡藩士の妻。夫の死後尼となる。本名はもと子。大隈言道に和歌を学ぶ。高杉晋作・平野国臣ら志士の活動を援助した。歌集「向陵集」。 (教研出版刊 日本史辞典)


望東尼(博多人形)

倒幕祈願の和歌奉納

  野村望東尼は、慶応2(1866)年に、難を逃れて山口・湯田から勝坂峠を越えて、5里先の三田尻(現防府市)にたどり着いた。倒幕戦争に向かう長州藩士を見送るためであった。到着して間もなく、毎日防府天満宮に戦勝祈願に出かけ、一日一首の和歌を詠み奉納した。
 それから間もなくして望東尼は、愛する夫や戦いをともにした高杉晋作の待つ天国へと旅立ったのであった。
 ボクが防府天満宮を訪ねたのは、2023年の桜が真っ盛りのときである。長い階段を上ってみて、尼の長州藩士を見守る意思の硬さを見せられた気がする。



上:天満宮参道 下:長州藩士縁の     芳松庵

 

望東尼が奉納した七首の和歌

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