06/03/28

―米食のススメ

 
 白い御飯の人気がなくなった、という話をよく聞く。
 「米食推進委員会」なんて言葉も聞いたことがある。日本人はそんなに米を食わなくなったのか。なんとなく疑問に思う。自分はゴハンがないと生きられない。パンでは心もとない。ていうか魚料理にはゴハンがいい。味噌汁とごはんがあると幸せになれる。メニューに迷ったら、とりあえずゴハンを炊いて味噌汁作っとく。そんな食生活だ。

 白米の人気がなくなったのは、学校給食のパンのせいではなくて、家で食べる白米ごはんがマズくなったのが最大の理由だと私は思っている。
 米の質が落ちたわけでも、炊飯器の炊き方が悪いわけでもない。それらは、むしろ向上している。
 落ちたのは、米を洗う水の質だ。

 米を洗うとき、大抵の人は水道の蛇口から出てくる水で洗っているだろう。
 しかし、都会の蛇口から提供される水は、ニオイもさることながら味も激しくマズい。とても食用に適さない水だ。そんな水で米を洗って、炊く。マズくないはずがなかろう…。

 一人暮らしをはじめた頃、都会の水道の水のあまりのマズさに愕然としたものだ。ウチの実家は田舎だけど水と空気だけはうまいから、味の違いは歴然だ。こんな水道水飲めるか、こんなの飲んでたら体壊すっつーか死ぬ。正直、毒かと思った。冗談ではない、本当の話だ。

 そして当然のように、その水を使ったゴハンはまずかった。
 炊き上がった米からする鉄っぽいニオイ、塩素の苦味。食欲などそそられない。都会の子供がもしも、鉄と塩素のニオイのするごはんをごはんだと思っているなら、それは非常に不幸なことだと思う。

 ならば、どうすればいいのか。水道の水を使わずに米を炊けないものか?

 もちろん、洗ってる水から米にニオイがつくのも避けなければならない。洗わずに済む米でなくてはならない。
 ということは、既に洗って出荷されている「無洗米」を使うのが一番いい。そして、炊くのには、ミネラルウォーターを使用する。これで完璧だ。マズい水道水には全く触れない、塩素くさいニオイのつかない米が炊ける。

 無洗米は栄養分が足りない。というなら、栄養素を補うサプリを突っ込んで一緒に炊けばいい。マズくて米を食えない人が出るより余程いい。そして無洗米は、余計な栄養分がついていないぶん虫が湧きにくい。ズボラな一人暮らしのストック用にはうってつけだ。

 自宅で炊くごはんのマズさに辟易している人は、コンビニで白米を買うよりも、まずはこの方法をお試しあれ。そして知って欲しい。本当の米の美味さのなんたるかを。
 私は米食推進委員会の回し者でもなんでもないが、米が無いと生きていけない人なのだ。

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