04/09

―人気RPGの続編を作ってはいけない

 
  ゲームの中でもRPGには幾つかの"人気シリーズ"というものがあり、十年を越えて続編が出続けている。たとえばアークザラッド。たとえばポポロクロイス。たとえばファイナルファンタジー。たとえばドラゴンクエスト。たとえばテイルズ。たとえば……
 それはそれでいいんだけど、続けば続くほど、初代とは違うものになっていくのは、当たり前な話だよな。
 けどさ、それって、どうなのよ。最初の出たゲームからプレイし続けてるプレイヤーにとっては、かなり違和感があるシリーズも無いか?

 オリジナリティとは、オンリーワンであることだ。
 その人にしか生み出せないアイディア、その人にしか作れないストーリー。誰にも真似出来ない、誰にも続編は作れない。

 オリジナリティのある「シリーズ」っていうのは、それを生んだ人のカラーが染み付いてるものだと思う。生みの親がいて、生んだアイディアを育てて形にする人たちがいる。
誰も、生みの親には代われないワケよ。他の人に代役がつとまるようなら、ハナからそのシリーズは、オリジナリティのあるシリーズなんかじゃ、ないわけじゃん。
 よって、前のゲームのうち主要な人々がそろわないのであれば――、作る前から内容としてはシリーズと呼べないものになるのは、当たり前な話じゃないか?

 にもかかわらず、敢えて「人気ゲームのタイトルを引き継ぐ」作品ばかりが生み出されている背景には、

・人気ゲームのシリーズと銘打てば、消費者の注目を集められる
・クリエーターが、イチから作品を創り出せない


と、いう、二つの大きな理由が透けて見える。

ゲーム会社の、新作を出すことが経済的にキツいとか、製作時間をなるべく短縮したいとか、大ゴケすると会社の命運にかかわるとかいう事情は、まぁ、しょうがないやと納得しよう。

 だがな。
 人様の作品を借りて、その上にあぐらをかくしか出来ないヘタレゲームクリエーター、お前らは一体、何なんだ?

 何かをイチから構築するには、物凄いエネルギーとアイデアと、行動しようとする意志が必要だ。だけど、前作までの名前やアイデアを一部流用しつつ、似て非なるものを作るのであれば、創作にかける力は半分くらいで済む。前作までの名前を引きずるってことは、プレッシャーにはなるだろうが、既に知名度はあり、余程のことが無い限り、大きくコケる作品にならないという悪い意味での安心感がある。前作までに培われた世界観やシステムは、制約になると同時に、安易な逃げ場にもなる。

 あらゆる種類のゲームが作られ、すでに斬新なアイデアが出なくなっている、というのも、あるかもしれない。
 だが、過去に人気の出た作品の後続ばかりを発表するようでは、新鋭が育っていない、自らアイデアを出して動けるクリエーターが手持ちにいない、という戦力不足を露呈しているようなモンだという気がする。
 もしくは、ゲーム会社自体が、売れるかどうかも分からない、全く未知なアイデアに賭けるだけの体力を持っていないとか?

 どっちにしろ、致命傷だ。
 人気シリーズの続編を開発して、そこそこ売る、という安全策も、そろそろ限界に近づいている。いつまでも逃げてばっかじゃしょーがねェ。
 市販のゲームに自分たちの求めるオリジナリティある面白い作品がなくなれば、人はフリーゲームに逃げ場を求める。そう、ネットに落ちてる、個人製作のゲームだ。(代表的なものでツクールシリーズ)
 ゲーム会社の出す有料ゲームが「CGだけはキレイで中身がなってない」と言われ、個人が作っている無料のものが「作りは荒くても内容が濃くて楽しい」といわれる。そんな時代になってしまっている。
 ゲームを作りたいと思う創造力溢れる人々は、予算や時間の束縛を受けずに、個人で好きなだけ楽しく作品に打ち込み、インターネットを通じて、多くの人にプレイしてもらうという目的も達成する。

 とりあえず、いま売れればいい、なんてアマい考えでは生き残れない。新しいゲームを創り出せる人材を確保できるか否か。もし、それが出来ないのであれば、いずれフリーゲーム以外の"RPG"ゲームは、廃れていくしかない。

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