04/09

―血液型占いに物申す。

 

 世の中、占いと名のつくものは山ほどあるが、オレは血液型占いというものが大っキライだ。
 その場の余興としてはいいと思う。
 しかし、人の性格が、本当に血液型ごときで決まるワケが無いだろう?

 もう散々言われてきたことだと思うが、科学的根拠など、何もない。
 ぶっちゃけ、血液型占いが通用するのは日本だけだ。血液型の比率は、民族・集団により変化する。

 それでも血液型占いは当たっている、という人にズバリ言おう。それは、あなたが、みずから作ってる現実に過ぎない

 たとえばA型は几帳面だというステレオタイプがあったとしよう。
 ある人がA型だと聞けば、その人のA型「らしく」思える部分にのみ着目しようとする。「らしくない」部分からは、意図的に目を逸らしてしまうわけだ。だから、血液型占いが正しく思える。(つまり、その人の性格にはA型らしい部分も、B型らしい部分も、O型らしい部分もあるのに、A型らしい部分しか見ていない)

 また、血液型占いは、ここ何十年にも渡って信じられてきたために、小さい頃から、その内容をある程度知っている。
 と、いうことは、自分がA型だとすると、A型は「これこれ、こういう性格のはずだ」と思い込んで育ってしまい、自分で自分の性格をA型らしい性格に「矯正」してしまった可能性もある。
(つまり、社会的に作り出されるワクにはめ込まれて、自分から占いどおりの性格として振舞おうとする)

 とどのつまり、血液型占いの結果とは、それを信じる集団によって「故意に生み出された現実」、専門用語で言うとソーシャル・リアリティなんじゃないかと、オレは思うわけだ。

 ま、現実の大半って、集団が作り出す幻覚に過ぎないですからねぇ。
 例えば、昔、地球は平らだった。皆が平らだったと信じていて、それに反対する意見を締め出していた時代は、人の目に映る地球は本当に平らだったんだ。そんなもん。

 ――ただ、血液型による性格判定が「ウソ」だってことは、忘れないで欲しい。
 遊びでやってるぶんには良くても、過ちの許されない場面では、使ってはならない。

 血液型による性格診断により、その昔、冤罪事件があった。
 大学で心理学の授業を受けてるとき、産業心理学の講義で聞いた話なんで何時の事件なのかはサッパリ覚えていないが、、日本でも血液型による性格分類に科学的根拠があると信じられていた時代があったらしい。

 当時の日本の学者がそのような論文を発表し、新聞に大々的に取り上げられ、社会的に認められてしまったのが間違いの始まりだ。なんと、その、「血液型による性格分類」を取り入れた「科学捜査」が警察によって行われることとなった。

 …DNA鑑定なんか無い時代の話だ。
 犯人の性格から血液型を推測し、その型の血液を持つ容疑者を、「犯人の可能性高し」としてシボろう。と、警察が思いついたのも、まぁ、無理からぬお話。

 結果。冤罪事件となった…。

 今の学者なら、ンなの当たり前だろ、血液型なんかでプロファイリングできるわけねーだろ。と思うに違いない。
 森ビルの回転ドアの話ではないが、人が傷つくとと、だーいたい過ちに気が付く。それでは遅いという話もあるが、とにもかくにも、それ以降、日本の警察は血液型による犯罪者の性格推測なんていうバカな捜査は、しなくなった。

 でもさ、マジメな話、もしも血液型による性格判断が正しいのであれば、犯罪捜査に使ってもおかしくは無いよな?
 科学的根拠があるのなら、正しい答えが出るはずだよな?
 血液型占いを信じるというのなら、血液型による性格分類を根拠に冤罪食らっても文句は言わないな?

 誰だって、そこで「えーちょっと待ってよ」と、思うだろ?
 厳密には信じてないんだよ、大半の人は。だから「占い」なんだ。所詮、正しくないものを正しいように見せかけて、「お遊び」として言ってるだけの話だ。

 ちなみに類似品に、クレッチマーの性格分類というものもある。
 これは、「体型によって人の性格が分かる」というもので、太ってる人はこんなかんじの性格、痩せてる人はこんな性格、と、多分笑ってしまうような分類を行っていた。
 分類したがるのは学者の性、とはいえ、人の性格がたった何種類かに分かれるワケがない。
 まぁ、余興としては面白いかな、と。そんなレベル。

 血液型占いなんか、ウソっぱちなんだよ。
 そんなもんで、人の性格も運命もわかりゃしねーんだ。
 だからな、「あなたB型だから雰囲気読めない人ですよね」とか「ストレスの溜まりにくいB型さんですか」 とか、オレに聞くなよ!(それはプリンセスメーカーの娘の話だろ!)
 B型を差別するな!!

 …結局、それが言いたかっただけだったりする。

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