※合成画像ぱーと2。/山の写真→かもめ工房(閉鎖?)/ピラミッド写真→OsirisExpress
【ピラミッドを作る人たち】
と、いうわけで建設予定地が確保されたと過程しませう。土地があれば、夢、無限大!
そう、かつて経済成長期真っ只中の日本で、サラ地を見るとレジャーランドだのニュータウンだのオフィス街だの、一大プロジェクトを打ち立てたがった、ドリーマーたちのようにッ!
資金繰り? 採算?
それがどうした。第三セクターなら国がケツ持ってくれるから、どんな無謀な事業だって全然OK。
環境破壊? 建造の意義?
そんなもの無視して結構。マスコミを味方につけて良いことだけ流してイメージアップを図れば、たとえ現地のレンジャーがか細い声を上げてもかき消えてしまうに決まっている。
政治家はファラオ様です。フォラオ様の言うことは絶対、神のご意思に従って働けば、建設会社に金が落ち、労働者たちが潤い、ひいては国民の生活を向上させることになるのだから!
…冗談ですが。
ぶっちゃけた話、ピラミッド建設は個人ではおそらく無理。どこかの大富豪が道楽で建てるということも考えたが、土地代は浮かせても、人件費その他もろもろを安く切り詰めるのは難しい。また重機の投入やら作業員への保証やら考えると、実際のところ○兆円単位のお金が必要になってくる可能性もある。
そんな大金、誰が出せるのか。誰が動かすのか?
それは国しかいない。もとは国民の税金だけど、なにカン違いしたんだが、その金を自分らの自由に動かしていいモンだと思い込んでる政治家の皆さん。彼らがある日突然、「国家事業」としてピラミッド建設計画を打ち立てたとしよう。まー何かタテマエでもあれば、国会で押し通すことも彼らならやってのけそうだ。
考えてみれば、古代エジプトのピラミッドも「国家事業」、王の号令によって国民総出で行っていたものだ。現代においても、ピラミッドを作るんなら国家事業で。――そして人々は、その偉大なる”公共事業”に参加する…。
【人手集め】
設計については、敢えて細かく言う必要もないだろう。実際にギザ台地に立っているモノを、そのまんま日本に作るのだから。石のサイズや入り口の位置、また周囲の施設に関しては議論の余地があるだろうが、本体については、既に設計図は出来ている。
建設の計画が出来たら、とにかく人手を集めなくてはならない。
大ピラミッド建設に際してどの程度の人が必要だったかというのは、学者によってかなり説が違うが、建設者の町まで作られていたところから、ひとつの都市まるごと労働に参加していたのではないかと言われる。その数、1万とも。
重機が使える現代なら、そこまでとはいかないかもしれないが、とにかく早く建設するためには、何千人という単位の人手が必要になる。
ガテン系雑誌は一面記事で「住居・三食つき長期・キミもピラミッドを作って見ないか!」とかいうカンジの募集をかけ、全国の若者たちがわさわさと集まってくる。
また、「あいりん地区」など、労働者の集まる町からは浮浪者含め、働ける男の姿がゴッソリ消える。軽トラックor専用バスに揺られ、到着したのはどこかの山奥。そこには背広を着た小太りの「代議士先生」なんかが日の丸たすきを着けて待っていて、「諸君らは、未来永劫、子々孫々に渡り語り継がれるであろう、この偉大なる国家事業に参加できることを誇りに思いたまえ!」とかなんとか、在り難いような、ありがた迷惑のようなスピーチで人々を鼓舞してくれる。
ちなみに、このピラミッド建設のキビシいところは、場所が山奥であるため容易にふもととの行き来が出来ないことである。
イヤんなってバッくれようにも、町ははるか遠く。ある意味、佐渡島に流されて金鉱掘らされてンのと同じ具合で^^;
【サイドビジネス】
もちろん、食料・衣類・衣料品などあらゆる生活の品が必要になるため、付近の業者は大いに潤うこと間違いなし。
また、どうしても毎週ジャ○プやサン○ーを読みたい、という若い労働者のために本屋まで介入したりして。さらに山奥のため電波が届かないとあって、携帯電話会社がアンテナを立てに来る。富士山の山頂にもドコモのアンテナがあるし、実際やりそうな話だ…。
建設が開始されると、もちろんマスコミや観光客も訪れるようになる。
ピラミッド型ホテルを作ろうとして失敗した、北朝鮮のエライ人がスパイを送り込んできたりなんかして、その事業は一躍、世界の注目を集めることになるだろう。大半は呆れられるような気がするが、とにかくデカいもん好きのアメリカとか、延々とサグラダ・ファミリアを建て続けているスペインあたりとは、気が合うかもしれない。
とにかくこのテの事業は国民が興味を失ったらおしまい! なので、定期的にニュースで流す。そして国民の皆さんの反感を買わないよう、無事故で建設。医者と葬儀屋だけは、儲かってはならないのである。
<つづく>