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スフィンクス Sphinx

古代名:シュセプ・アンク、シュセフ・アンフ/ギリシア名:スフィンクス、スピンクス/別称・別綴り:-
性別:男女のパターンあり


――――聖域の守護者

主な称号


主な信仰
スフィンクスは、神殿や王宮の入り口守護をする、狛犬のような存在。ただし日本の狛犬とは何の関係もなく、その起源であるとする根拠は無いことに注意されたし。そもそもピラミッド前のスフィンクスは、作られて以降、歴史期を通じてほとんどの時代を砂に埋もれて過ごしていたので、現在のような全容の見える姿を知っていた人はほとんどいなかったと思われる。狛犬の起源として相応しいのはアッシリアの有翼獅子などだろう。

参考>>日本の狛犬の起源は、エジプトのスフィンクスではないです。

最も有名なものはギザの大ピラミッドの前に鎮座しているもので、現存する最も古い時代の、かつ最大のスフィンクスである。これは頭部が人間の男性、体がライオンという姿をしている。王のカツラと、現在は失われているもののかつては付け髭をつけており、頭部は王に似せられていた可能性もある。ただし、実在する王の顔に似せられたかどうかについては諸説ある。横から見た顔がやや獣っぽいフォルムであることから、実際は完全な人間の顔ではなく半獣人のような形だったか、最初は完全なライオンとして作ろうとしていたものが途中から計画変更になった可能性もある。

体はその場にあった天然の岩を加工して作られている。頭部だけ別の場所から持ってきた石で作られているという説は誤りで、実際は頭の部分と体の間に継ぎ目は存在しない。頭の部分だけ別素材に見えるのは、そこで地層が分かれているからである。




エジプトといえばスフィンクス、というくらい有名だが、スフィンクスの名が実はギリシア語であることは、あまり知られていない。もとはシュセプ・アンク(生きている像)といい、この言葉がギリシア調に訛ったものがスフィンクスである。また、シュセプ・アンクとはギザの大ピラミッド前にある、最も有名なスフィンクスの固有名詞であったのが、いつのまにか、同様の姿をした守護者たちの総称になっていったようだ。

スフィンクスとは一般的に、体はライオン、顔は人間の幻獣である。しかし実は、顔の部分には鳥(イビオセファル)だったり羊(クリオセファル)だったりと色々な種類がある。有名なものは、テーベの町の参堂に並ぶ、アメン神の聖獣・羊の顔をしたスフィンクス群だ。


ギリシア神話におけるスフィンクスは雌と決まっているようだが、エジプトのスフィンクスは男女両方のパターンがある。(よく言われる”エジプトのスフィンクスは男、ギリシャは女”というのは誤り。)
例として出したのは新王国時代にデイル・アル・メディーナ(職人の村)で陶器の破片に描かれた下書きのスフィンクス。アスタルテ女神を指しているという説もある。明らかにメソポタミアの影響を受けている。
こうした、シリアのスフィンクスと同様に翼を持つものも含めると、スフィンクスの姿は多種多様だ。
また、珍しいものではヌビア人の顔をつけたスフィンクスも存在する。
ヌビア風スフィンクス
後世になると、神殿の入り口に鎮座するような守護獣の地位から昇格して特別な地位を持つようになったスフィンクスも居た。


神話
・トトメス4世に「砂に埋もれているオイラを掘り出してくれたら、王にしてやる」と、言ったという伝説がある
トトメス4世がスフィンクスの足元に建てた「夢の碑文」、適当に訳してみた

・単独で神話に登場することは、あまりない。彫像としてよく作られるもの、レリーフに使う意匠といった存在。

・ちなみにエジプトのスフィンクスは、なぞなぞはかけない。

聖域
自身が聖域を持つのではなく、各聖域の入り口を守っている

DATA

・所有色―
・所有元素―
・参加ユニット―
・同一化―
・神聖動物―
・装備品―


●備考 ―スフィンクスとヘロドトス「歴史」

エジプトのスフィンクスを最初に「スフィンクス」と呼んだのは、今のところ確認できる範囲ではヘロドトスだったようだ。
これは、エジプトでのもともとの呼び名が知られていなかったため、”ギリシャ神話にもともといるスフィンクスという名の女の化け物に似ているもの”というニュアンスで呼び始めたものだ。「エジプトにある、体が獅子で顔が人間の像」=「ギリシャにいるスフィンクスの男版」という書き方をしていた。

ただし、その「男スフィンクス」という言葉がさしていたのは、ギザのピラミッド前にある最も大きなスフィンクスのことではない。ピラミッドの描写場面ではスフィンクスについては触れず、傭兵上がりの王が神殿とともに”スフィンクス”を築いた… という伝承についての記述での登場が唯一である。(巻のニ、175)

また、ヘロドトスはスフィンクスの種類については一切言及していない。
「歴史」の中でスフィンクスという単語が登場するのは上記が唯一であり、そこで使われている単語は「アンドロスフィンクス」。しばしば「ヘロドトスは三種類のスフィンクスを挙げている」という記述が見られるが、誤りである。


・クリオスフィンクス、ヒエラコスフィンクスといった言葉は、ギリシャ語の造語として存在はするが、ギリシャの文献に登場するわけではない。
・19世紀には既にこの言葉があったが初出は不明、少なくともヘロドトスではない。
・これらスフィンクスの種類を一般的にしたのは、おそらく世界的に有名なTRPG「D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)」のルールブック。
・実際はスフィンクスの種類は三種類ではなくもっとたくさんあるが、有名どころだけに絞れば、確かに三種類くらいに集約できる。



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