主な称号
冥界の入り口の主人、洞窟のあるじ、自ら砂の上にいるもの
主な信仰
古代名はセケル(イ)だが、ギリシア名になるにあたり後ろにsがついてソカリスとなった。他の神様同様のパターン。
冥界、アムドゥアトの入り口にある洞窟にお住まいの冥界神。地下世界への入り口である墓所「ロ・セタウ」の主とされる。
闇色の体に星がちりばめられていて、ちょっとオシャレなダンディーさんである。旗ざおの上にうずくまるハヤブサ姿が一般的で、人間の姿で表現されるときは、
プタハ神や
オシリス神と融合していることが多い。
また、「ヘヌの舟」と呼ばれる船を所有しており、「死者の書」で船に乗るハヤブサが出てきたら、大抵この神様である。
↓ヘヌの舟。セティ1世葬祭殿の壁画より。超カッケー。
●冥界神として
ソカリスの住まう地下の世界は、オシリスの住まう冥界と異なり、河も緑もない、不毛の砂漠である。そのため「自ら砂の上に立つもの」という形容詞を持っている。ソカリスの発祥とされるメンフィス・サッカラ付近の信仰では、死後の世界=不毛の地、ソカリスの一部である星が輝くだけの闇…と、考えられていたのかもしれない。
ソカリスは戦う神でもあり、冥界においては人に危害を与えるヘビを踏みつける姿でも表現されている。
●信仰
メンフィス周辺で古い時代から信仰されていたが、固有の神話エピソードが無く、大きな神殿や目だった遺物も比較的少なめ。しかし広い地域で信仰されている。やや謎な神様である。
地下世界の神は豊穣と結びつくことが多いが、ソカリスにはもともと豊穣神としての性格が無かったようで、冥界の神さながりでオシリスと融合することによって豊穣の神の側面も獲得している。元はメンフィスの主神プタハとのつながりによって工芸の神としても崇められていた可能性がある。
ソカリスの祭儀は毎年、ナイルの氾濫の終わるアケト4月に行われたとされる。
参照>>
古代時間カレンダー
●融合合体
プタハ=ソカル=オシリス。体が真っ黒に塗られるのがお約束。
足元にハヤブサがうずくまっててソカリスだけ融合してねえ! むしろこれプタハ=オシリス&ソカルじゃねえか!! とツッコみたいところだが、これでいいらしいよ。なんという中途半端な三神合体…。
神話
・アビドスの神殿には、「ソカルに捧げる連祷」という文書がある。祈れ!
・ソカルの神殿のことを「シェティト」と呼ぶ。真理の家なるシェティトに住まう、父なるソカルのために…とりあえず祈っとけ!
・ソカルは冥界から地上へ出る門の番人とされていた。「天にありてラー若返るとき(=朝日として新たに昇るとき)、我らがソカルの双門は開かれり」(テーベの私人墓・セド祭の碑文より)
聖域
サッカラ、メンフィス(古くからの信仰地)
アビドス、メディネート=ハブ(新王国時代以降に信仰が広まった地域)
DATA
・所有色―黒、赤
・所有元素―土
・参加ユニット―冥界三柱神<オシリス、ソカリス、プタハ>
・同一化―
・神聖動物―隼
・装備品―