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その8:海と船と歴史と呪われしマニアのためのアレ    〜OKOK、ほしいものは分かってるんだ



と、普通の観光も一応やってたんだが、そんな普通の旅行記なんてもんは誰でも書ける。
ていうかむしろ金かけて旅行してる人のほうが、美しく書ける。くさいものには目をつぶり、悪い部分をオブラートにくるんで立派な手記を作ってくれるだろう。私はそんな甘くねぇ。

たとえば、ヴェネツィアは一般的に「美しき水の都」と言われるが、実際のところ、そんな生易しいもんじゃない。
広場はハトだらけ。当然、ハトの糞だらけ。教会も像も何もかも、ハトよけの杭をびっしり立てて、なんとかハトに汚されないよう努力をしている。(そして、それらはほとんど効力が無い)

聖テオドロスの像は、よく見るとホヤホヤのう○ちでコーティングされている。
道行く観光客も、うかうかしていると頭上からの爆撃で運がついてしまう。

さらに犬。犬がめちゃめちゃ多い! 歩行者オンリーの町だからなのか、犬の散歩をしている人がとかく多い。とくに朝は、多種多様な犬が散歩させられている。そしてヴェネツィア人には、「犬のフンは飼い主が持って帰りましょう」というマナーはほとんど無い。
よって道路の各所に、これまたホヤホヤな落し物が転がっている。気づかずにトラップに踏み込んでしまい、「オーーウ!」と悲しげな声を上げる観光客を多数見た(笑)

…そんな赤裸々な実情も私ならズバリ言うね。
美しき都? うっそぴょん。キミたち騙されてるよ。それは旅行会社の陰謀だよ! アクア・アルタ(高潮)の自動洗浄がないとやってけない町だよ!


そんな、愛ゆえのクリティカルなツッコミも敢えてしよう。


何が言いたいかというと、よくあるヴェネツィアの観光名所案内なんてどうでもいいよねってこと。
分かってる分かってる。見たいものは分かってるよ。ちゃんと撮ってきたから急かすなよ。


アルセナーレ 入り口アルセナーレ(国営造船所)。

かつて海運国として東地中海の覇権を握ったヴェネツィア共和国の最重要施設として、大小さまざまな軍船を製造していた場所。

でも、このアングルは、よく観光案内やサイトでも見るよね?
この建物って横から見たらどうなってるのか気になるよね?





右横の運河から。そんなこともあろうかと、撮ってあるよ!


これは上の写真から右方向に少し進んで、運河の上に架かる橋の上から撮ったもの。この運河は、アルセナーレで製造された船がはじめて水に浮かべられるところで、名前もズバリ「Rio dell' Arsenale」。そのまま手前方今に船を進めると軍船の岸辺に。

逆方向の左に行くと、延々と続くレンガの高い壁。
まるで城壁のよう。
アルセナーレの城壁は、海までぐるりと施設を取り囲んでいるので、写真の一箇所を除けば中が見えるとこはないです。


でも中がどうなってるのか、見たいよね?
そんなアナタのために、ナポレオン占領前のアルセナーレ鳥瞰図もつけちゃうよ。

  壁に貼ってたものを撮影したので光ってるけどね ←クリックで拡大

説明文

説明文は…英文なので各自で訳してくれい。(オイ
図の中に、つくりかけのガレー船があったりして胸キュン。当時としては極秘資料だったんじゃなかろうか。
ほかにも、ナポレオン占領後のアルセナーレの鳥瞰図などもあり。


海洋史博物館にあったんだけど、これらの資料を管理してあるところが、むちゃくちゃテキトーでね…。
照明薄暗いし、開いてる時間が短いし、掃除してないのか展示物にクモの巣張ってるし、すごかったね(笑)

でも、面白いものがいっぱいあった。

昔は要塞だったらしいよ カンディアの立体模型。


 コルフ島の町

左下の文字は、元写真を拡大すると「ISOLA CITTA E FORTEZZA DI CORFU ANNO 1692」


これなあに?あと、これが何だかよくわからないもの。
「SCOGLIO GRABOSA IN CANDIA」と書いてある。
下の図と、鉄で出来た丸いものはナンジャラホイ。

館内には学芸員はおろか、客が何してるのか見張ってる人すらおらず放置プレイ状態なので、誰かに聞くとか出来ないし。
いたとしてもイタリー喋れないから聞けないし! わは。


…… うん。身体言語ではこなせないクエだったんだ、書庫必須なんだよマジスマンカッタ。




↓お船資料。クリックすると拡大するよ。写りが悪いのはご勘弁を…
ちなみに説明文は、その船についてたものそのまんま。表記の仕方がバラバラなところに、この博物館のヤル気なさが感じ取れます^^;

ネーデルランド

GALEONE OLANDESE DEL XVI' SECOLO
英)DUTCH GALLEON,XVIth CENTURY
ヴェネツィア

MODELLO DI GALEONE VENEZIANO DEL 16' SECOLO
(Dono del Prof. Piero Montauti)
英)MODEL OF A 16th CENTURY VENETIAN GALLEON


イスパニア

MODELLO DI GALEONE SPAGNOLO DELLA FINE DEL 16' SECOLO
(Dono del Prof. Piero Montauti)
英)MODEL OF A SPANISH GALLEON LATE 16th CENTURY


MODELLO DI GALERA "SANTA MARIA DELLA VITTORIA"
AMMIRAGLIA DELLA FLOTTA DEI CAVALIERI DI MALTA NELLA
SECONDA META' DEL XVII' SECOLO
(Dono del Prof. Piero Montauti) Scala:1/60 Inv.7520
英訳なし

その他…

ナゾ船
解説もなんもなく、ぽそっと置いてあった船。
模型の帆が折れてるんですが(笑)
なんすか、これ。









えじぷしゃーん
同じく、ぽそっと置いてあったエジプト船。
こんなところでエジプト船と出会うとはーー。
個人的にツボった。復元図? まで添えてあるのに、本体ボロボロだし^^;

つーかガレー船の横にエジプトの船…。
ヴェネツィア人は、海嫌いな古代エジプトの民から一体何を学ぶつもりだったのか。かなり謎。




その他、日本・中国の船模型を展示してる部屋もありました。明の船らしい

ここで「日本の一般的な船乗りのコスチューム」として紹介されていたのが、
「越後屋」と書かれたハッピに、ねじりはちまき、ハラマキ、もんぺというモノで大爆笑。いや…間違ってないけどさ…。

ちなみに、ハラマキにはそろばん、マネキンの耳には筆が挿してありました。芸が細かい。ていうか生々しい。
ハッピその他は、現地まで行ったヴェネツィア人がコスチューム一式として譲り受けたものなのかもしれないです。

でもね。

  それは「船乗りのコスチューム」ではなく
  「港で働く商人」のコスチュームではないのか


ツッコみ甲斐ありすぎ(笑


ぽせいどんさん、はい!
みんな大好き、災害回避の船首像。
生ポセイドンさんもゲッツ!









ちなみにワタシのマイベストシップはマイ・ピンネース。

ピンネースですから。



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