ヴォルスンガ・サガ/ワルタリウス

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後日談とでも言うべき、物語の続き。

ひとり命永らえたヘグニは、美しい少女と出会い彼女の介抱を受ける。
最初は警戒していた彼も、いつしかこの少女に心を開いていった。
しかし、安らぎの時は永遠ではない。ヘグニは自分の命がそう長くはないことを知っていた。

フン族の国に来る前に、シグルドの持っていたニフルンガルの財宝(ニーベルンゲンの黄金のこと)を隠していた彼は、この少女に隠し場所を教え、鍵を渡した後、戦いの傷がもとで命を落とす。このとき少女は、すでにヘグニの子を宿していた。
この子供(名前はアルドリアン。ハーゲンの父と同じ名前)が、のちにアッティラの軍と戦い、みごと勝利してニフルンガルの王となるのである。

この部分については違っている場合もあり、牢の中に入れられていたヘグニが、女に夜伽を申しつけ、この女が一夜の交わりで胤を宿す、と書かれていたこともあった。
どちらが原典なのかはわからないが(あるいは、平行して派生した物語?)、どのパターンでも、ヘグニは戦いの傷が元で早々とこの世を去っている。

ちなみに、生き残って父の仇をうつ息子の名は、ヴォルスンガ・サガではニヴルンクとなっている。

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「シドレクス・サガ」は膨大な量のある、とても長い物語なので、ここにあげたのはニーベルンゲン伝説に関わる、ごく一部の抜粋である。本当はもっと人物関係も複雑で、シドレクの仲間たちが登場して、大変なことになっている。

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「シドレクス・サガ」のフォルケールは歌わないようだ。楽人剣士じゃなく、ただの剣士。
他にも、ダンクワルトやピルゲリーンも出て来ないし、ギーゼルヘルはリュエデゲール(ロディンゲル)をアッサリ殺しているし、グンテルは異様に弱いし、やはりシドレクを主人公とする話だけに、このエピソードの登場人物たちは少しはしょられすぎている。

しかし、どんな道筋を辿っても結局、結末は同じなのだろう。

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物語の中で「ヘグニだけが生き残る」とされていることには、やはり意味があると思う。
一族全滅という悲劇を描く中でも、何か救いが欲しい、この人には死んで欲しくない、あるいは死の運命は免れなくても、最後に救いが欲しい、という気持ちが無ければ、こんな追加エピソードは生まれなかったものと思う。
この無骨なイメージのある英雄が、当時の人々に愛され、敬われてきたことの証ではないだろうか。






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