■神話つまみ喰い−”OtherAreaMyths” サイトTOPへ>2号館TOPへ>コンテンツTOPへ
地域;− | 出典;口伝(済州島) |
創生伝承のひとつ。島として朝鮮半島から分離し、より日本に近い地域に伝わる物語。
原初、世界は混沌として、天と地は分離していなかった。この密着する天と地を、聖人が引き離すと巨大な鳥が現れて、羽ばたいていった。天地が離れるとき、天からは露が落ちてきて、地からは霧が湧き上った。各種の星辰が現れて、人間が大地から吹き上がってきた。
しかし、世界はまだ暗黒であった。闇を照らすべく、地府王が二つずつの月と太陽とを送り出す。しかしこの輝きがあまりに強すぎたので、植物は枯れ、夜は月の輝きすぎるせいで寒すぎて、凍り付いてしまった。そこで、大星王と小星王の兄弟が、鉄弓で余分な太陽と月を打ち落とし、それぞれを一つずつにした。こうして世界に秩序がつくられたのである。
さて、天主王の命により、大星王はこの世を、小星王はあの世を治めることになった。しかし、小星王はそれを嫌がって、兄と問答で競い合った。しかし、この勝負には知恵でまさる兄が勝った。そこで、次に花咲かせ競争をすることになった。弟の小星王は、兄が眠っているあいだに鉢を取替え、勝負に勝つ。そのため、大星王は、この世が混乱するだろうことを予言して、あの世へと去って行った。
この伝説は、さらに農業のおこりや火食のはじめ、祭事の執り行い方など、こまかな歴史の伝承へと続いていく。
それにしてもこの兄弟間の争い、エジプトとオシリス・セト兄弟の神話に似てますねえ。
あの世に去る、というのは、「死ぬ」ということとも取れますし。^^; (日本神話よりエジプト神話にたとえてみる、このひねくれ具合。)