北欧神話−Nordiske Myter

サイトTOP2号館TOPコンテンツTOP

オーディンの箴言 1〜20


 ハーヴィの館で、ハーヴィの箴言は語られる。ハーヴィとはオーディンの別名である。だったら最初っからオーディンって名乗れよとか思うのだが、偉い人ほどたくさん名前を持つのが当たり前だったらしいのだ…。


【1】
ハーヴィ(オーディン);
中に入る前に、すべてのドアに気を配っておけ。振り返って注意しておけ。敵が中のどの席に座っているか知れないから。

ロッド;そんな用心しなきゃならないんだったら、最初っから行かなきゃいいじゃん。

オーディン;行かねばならぬ時もある。

【2】
オーディン;
与えるものは幸せだ。客がやってきた。どこに座ろう。竈の火にあたりたくて仕様がない者はせっかちすぎる。

ロッド;つまり、ゆずりあいの精神ってことですね?

オーディン;そうとも言う。

【3】
オーディン;
膝を凍えさせてやって来た人には火が必要だ。山を越えて来た人には食物と衣服が必要だ。

ロッド;(なんか実用的だなコレ)じゃー、腰が冷えてる人は?

オーディン;女は腰を冷やしちゃイカン。毛糸のパンツをはきなさい。

【4】
オーディン;
宴会にやって来る人には、水とナプキンと招待が必要だ。出来れば、奥ゆかしい、と評判を得て、ふたたび歓迎されるように。

ロッド;招かれざるもの来るべからず、ってことですね。

オーディン;まァぶっちゃけた話、そういうことになるかね。

【5】
オーディン;
遠くへ旅する人には知恵がいる。家ではなにも苦労がいらぬ。愚者が賢者と席を同じうすれば、物笑いの種になる。

ロッド;旅ったって、別に賢者と知恵比べしに旅するわけじゃないんですが。

オーディン;タワケ、旅先の恥は掻き捨てじゃないんだぞ。家でトチるならいざしらず、旅先で恥かいたらどうするんじゃい。

【6】
オーディン;
己の知恵を自慢するな。賢くて無口な人が、他家を訪れても、ひどい目にあうことは稀だ。分別より頼りになる友は、決して手に入るものではないから。

ロッド;大変よく分かるんですが、自慢したがりーな人に言われても信憑性ナイです(笑)。知恵ほしさに無茶してるあたり分別無いし。

オーディン;体験者は語るってやつじゃ。過去は気にするな。

【7】
オーディン;
注意深い客は、食事に呼ばれたら沈黙を守る。人の話に耳を傾け、眼であたりに気を配る。このように、賢明に人は誰でも、あたりに注意を払う。

ロッド;そんな挙動不審な人がいたら、真っ先に疑われると思いますが。

オーディン;疑われはじめたらとっとと逃げる、このタイミングを計るのも肝心なのじゃ。

【8】
オーディン;
人の称賛と好意をうる者は幸せだ。他人の心の中に見つける知恵は頼りにならぬ。

ロッド;それって「自分しか信じない」ってことなんじゃあ…。

オーディン;何事も独立独歩ということだ。

【9】
オーディン;
生きている間に、称賛と分別を手に入れる者はしあわせだ。他人の心からは、よからぬ忠告を受けることが多いものだから。

ロッド;なんだかんだ言って目立ちたがりやですよね、自分。

オーディン;神っちゅーのは人に認められてナンボだからな。

【10】
オーディン;
もって出かけるのに、すぐれた分別にまさる荷物はない。これは、見知らぬ国では、財産より役に立つように思う。これは、みじめな者を守る鎧だ。

ロッド;荷物がないから虚勢張ってる、っていう穿った見方はナシですか。

オーディン;そして気合いが汝の剣となるであろう。

【11】
オーディン;
もって出かけるのに、すぐれた分別にまさる荷物はない。麦酒の飲みすぎより悪い糧食を選ぶな。

ロッド;今日はビールの飲みすぎで二日酔いなんですね。

オーディン;飲みすぎないよう、分別をもてということじゃな…。(ずきずき)

【12】
オーディン;
人の子にとって、麦酒は、そう言われるほど良いものではない。たくさん飲めば、それだけ性根を失うものだから。

ロッド;ビールごときで酔っ払うっつーのも、なんだかなあ。

オーディン;じゃ、米酒(日本酒)に直してもイイぞ。

【13】
オーディン;
宴会場を飛び回るのは、忘却の青鷺といって、人の心の分別を盗むものだ。わしも、グンレズ(蜜酒を守る女巨人)の家で、この鳥の翼にがんじがらめにされたことがある。

ロッド;盗まれましたか? 分別。

オーディン;頑張って守ってみた。

【14】
オーディン;
賢者フィアラル(Fialarr、小人の名前)のところで、わしは酔った。へべれけになった。だから、あとで、誰もが分別を取り戻せるのがいちばんよい酒なのだ。

ロッド;…結局盗まれたんですね。

オーディン;だーかーらー、取り返したんだってば。そんな目でワシを見ない。

【15】
オーディン;
上に立つ者の子は、無口で思慮深く、戦にさいしては勇敢でなければならぬ。人は誰でも、死ぬまで快活であるべきだ。

ロッド;はっはっは! そんじゃ今から特攻に行ってきますんで…

オーディン;お前は一般庶民なので勇敢・快活でなくても良。

【16】
オーディン;
臆病者は戦から身を守ったら、いつまでも生きられると考える。だが、槍には無事でも、寄る年波は容赦してくれない。

ロッド;だから若いうちに死ねっつーことですね。

オーディン;そう。戦って死ねェ!! わしのためにッ(喜)

【17】
オーディン;
愚か者は、ご馳走に呼ばれると、口を開けてみとれたり、ぶつぶつ呟いたり、じっとしている。だが、いったん酒を飲むと、その男の分別もどこかへ行ってしまう。

ロッド;貧乏人は、「タダ」とか「食べ放題」とかいう言葉に弱いんです。

オーディン;ついでに「特売」「100均」もじゃな。分別より貧乏性という言葉が似合うのう。

【18】
オーディン;
ひろく旅をし、処々方々を巡った者だけが、人々が誰でも分別を舵に世を渡っていることが分かる。が、その者こそ分別を備えた知恵者なのだ。

ロッド;じゃぁオレは知恵者ですか。

オーディン;分かってて分別を放棄したる者は、愚か者と言うしかない。

【19】
オーディン;
酒杯を手に持ったきりにするな。蜜酒はほどほどに飲め。必要なことだけ喋るか、そうでなかったら、口をつぐんでおけ。お前が早く床についても、誰もお前のことを無作法だと思う者はいない。

ロッド;あー、そうそう。部活の宴会とかって結構ウザいよねー。飲め飲めウルサイし、馬鹿騒ぎするしさー。

オーディン;吐いてるやつを見て後ろで冷笑するのも、無作法のうちだと思うがな。

【20】
オーディン;
食いしん坊は、分別を持たないと、食べ過ぎて一生からだを壊す。賢い人と一緒に来ると、愚か者は、腹のことで笑い種にされることが多い。

ロッド;食いすぎで死ぬっつーのも、とんでもなくマヌケですよねぇ。

オーディン;まったくじゃ。三段バラになるまえに気がつけばえぇのに。




戻る   次へ