フィンランド叙事詩 カレワラ-KALEVALA

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精霊・神の属性と一覧

一部の神と、数多くの精霊たち。呪文に唱えられる、彼らの名前と属性の紹介です。

*天空*

天空に属する神々は、万物の根源に関わるものが多いようです。
そのためか、呪文でお呼びのかかる機会も豊富だとか。

名前 立場 属性その他
ウッコ 至高の神 別名、パウアンネ。天の老人とも呼ばれる。世界の創造者だが、いちばんエライというわけではなく、ただ天に座を据えているというカンジ。万能というだけあって、様々な呪文に登場する。使われまくってますな…ジッちゃん。
自然の乙女 物質の母 ウッコの3人の娘たちで、父の創った世界に様々な物質を生み出した。実質の世界創造者は彼女たちじゃないんだろうか…。^^; 物質の根源ってことで、彼女たちへの語りかけは、物質の根源に関わる高度な魔法になる。
トゥーリ 北欧神話の神トールが語形変化した神だが、役割不明。天に関わる呪文に登場することから、トールの性格や能力を継承しているものと思われる。
イルマタル 大気の乙女 海に落ちてのち、水の母となってワイナミョイネンを産む。彼の場合、実質は母/天空、父/海風…と、いうことになるのだろうか。(呪文には登場しない。)
血管の婦人 天空の処女 何で血管の婦人が「天空の処女」なのか分かりませんが、人間の血管の中を、血と一緒に馬車で走り回ってくれるそうな。スゴイ話だ…。

*大地*

恵みに関わる神々は、人の生活からすれば、ごく身近な存在だったのでしょう。
時として、天空の神より重要視されていたのでは。

名前 立場 属性その他
大地の母 名前不明。大地母神だが、他のフィンランド系の神々同様、あまり荒々しい雰囲気はない。天の神ウッコよりも先に捧げ者を受けていることから、実はウッコより立場が上なのかもしれない?!
サンプサ 豊穣神 別名、ベッレルホイネン。大地の母の息子。イルマリネンにコキ使われている青年(笑)。彼がいないと大地は麦を実らせることが出来ない…ということから、ギリシア神話のデメテルに当たると思われる。気前よく畑を耕してくれるので、信者からの人望は厚かったようだ。
ペッカ 酒神 フィンランドはブドウが育たない国(多分)なので、酒はワインではなくビールです。

*森林*

主に狩人たちの呪文に登場することの多い神と精霊たち。
森は彼らの住まいなので、狩りなどで立ち入るさいには、まずご挨拶してから。でないと、獲物を寄越してくれませんよ。

名前 立場 属性その他
タピオ 森の主 老人の姿をした森の神。イメージ的にはアーサー王伝説のマーリン。森に生きる精霊たちと獣たちを統べる。
ミエリッキ 森の女主人 タピオより強いんじゃないか? という密かな疑惑のある女精霊。イメージ的には「真夏の夜の夢」のティターニアふくよか版。(どんなだソレは)正装では、かなりゴージャスに黄金などで着飾っている。オダテに弱いので、狩りに行く前は彼女を誉めろ!
ニューリッキ タピオの息子 女性名なのに何故か息子。
テッレルボ タピオの娘 多くの娘たちの中で名前の出てくる1人。この人だけ別格扱いなのは、いちばん力が強いから…?
夏の乙女 季節の精霊 寒い地方での夏は別格扱い。フィンランドでは、夏は森にやって来るらしい。
南風の婦人 季節の精霊 夏の乙女とペアで登場。けっこう陽気らしい。
松の婦人 樹木の精霊 どっしりした松のイメージどおり、善良にして堅実なる主婦。精霊にも主婦とか兼業とかあったんだ…(笑)。
杜松の乙女 樹木の精霊 小奇麗でさっぱりしたイメージの乙女。樹木に宿る精霊は、その木のイメージを受け継ぐようです。
七竃の乙女 樹木の精霊 霊力が高く、占いにも使われているナナカマドの精霊は、「小さな侍女」と呼ばれている。多くの人々に使役されているからだろうか。
桜の乙女 樹木の精霊 タピオの娘のひとり。

*海*

海辺に暮らす人や猟師さんにとっては大切な神々。
こちらも、森と同じく、ちゃんとご挨拶しておかないとザンブラ海に沈められちゃいます。
水の乙女たちが美人だからって手を出すと、彼女たちのお母んにドツかれるかも。

名前 立場 属性その他
アハト 海の主人 娘さんたちに囲まれて、のーんびり暮らしている平和主義者。草の鬚をした老人で、人間界には、あんまり干渉しない。ギリシア神話で言うところの、ネレウス老人?
ベッラモ 海の女主人 海は実質、彼女の支配下。人魚、「水の乙女たち」は、彼女の娘として統括されている。海で溺死した娘さんも彼女の保護下に入ります。まさに、肝っ玉母さん。
水の乙女 海神の娘 けっこうたくさんいるようですが、人数まではわかりません。人魚さんたちです。
トゥルサス 怪物? 海から出てくる巨人。アハトの眷属なのか、全く関係ないのかは分かりません。
霧の乙女 海の精霊 ふるいを使って、海の上に靄をかけているらしい。海が時化になるのは彼女が働いている時です。^^;

*冥界*

行きたくないけど行かなきゃいけない、暗い地の底の死者の国。
やっぱり、おっそろしい神々しかいない…。

名前 立場 属性その他
トゥオニ 冥界神 別名、マナ。森・海と同じく、奥さんが実質の支配権を握っている雰囲気です。家のことは主婦に任せる…それがフィンランドの文化なのでしょうか?
ヤブメアッカ 女主人 トゥオニの妻なる老女。カレワラ本体では名前は出てきません。マナの館で、死者に死の国の杯を差し出し、生者の国へ戻れなくする儀式を行います。かなりおっそろしい女神さまのようです。
トゥオニの娘 色黒の醜女。三途の川ならぬトゥオネラ川の渡し守。死者は、彼女の寄越した船に乗って死の国へ入ります。
トゥオニの子 冥界に相応しく、化け物ばっかしです。おっそろしいジイさんやら、魔力を秘めたバァさんやら。行きたくないですね、死者の国。
ロビアタル トゥオニの娘 渡し守をやっている娘とは別のようです。醜悪な妖怪で、ペストやら癌やら腹痛やらくる病やら、難儀な災いを沢山生んでくださいました。おそろしや。

*闇/氷*

マトモな魔法では出て来そうもない精霊たち。
この属性は、もしかしてポホヨラのような闇属性の土地柄でないと使えないのだろうか…。

名前 立場 属性その他
イク・トゥルソ 妖怪 魔女ロウヒが召喚する不気味な妖怪。様々な記述を合成すると、老人の顔をした赤ん坊、というイメージになりますが…。
プフリ 霜の子供 冷気の精霊。魔女ロウヒが召喚し、使役していた。子供なんで、脅されると泣きます。でも甘いメ見せると凍らされます。トホホ。

*天体*

北国の神話では、天体の地位はなべて低いめ。
太陽神が最高位となる南国の神話に比べると、ここでの太陽は、ほとんどそこらのオッチャンと同じ扱いです。
「北風と太陽」の物語なんかも、たぶん、この辺りの国が発祥なんでしょうねぇ…。

名前 立場 属性その他
太陽 北欧系の神話では、太陽の地位がとても低い。当たり前か…北は光が弱いしね。けっこう人間に使われています。彼は(笑)
太陽とほぼ同じ。同業者。太陽とともに、妻・息子・娘など抱えたサラリーマン的な存在。神というより、機械的に働かされている特殊な精霊といった感じです。
北斗星 夜に輝く宝石。星星の中でも別格扱い。

*動物たち*

使役されるもの、変身する対象、精霊に近い存在のもの…など、扱いもイロイロですが、
物語の中では、獣たちも、まるで人間のように振舞うことがあります。

種類 属性その他
火をもたらした重要な鳥で、力強い空の王者。使役されることはないが、魔法で鷹に変身することは、けっこう多いようだ。
強いくせに、わりと単純。邪悪な破壊者にもなれば、騙して美味しいゴチソウにすることも出来る(泣)。
熊とペア。熊よりパワーは劣るが、狡賢いぶん、少なくともおだてにのって自分から食べられに行ったりはしないと思う…。
ウサギ ウサギは、ヨーロッパでは不吉を告げるものとされており、「邪悪なみつくち」などと呼ばれたりする。別にウサギが悪いわけじゃないと思うんだけどね。
スズメバチ 悪霊ヒーシの鳥と呼ばれ、忌み嫌われていた。スズメバチの針に刺されるということは、ヒーシの毒にやられるということを意味したらしい。
ミツバチ 蜜は霊力を持つ薬とされていたので、ミツバチは、霊薬のもたらし手として大切にされていた。そのわりに、ただ働かされているだめのような気が、しなくもない。

*悪霊たち*

各々に違いがあるのかどうかは分かりません。
何かに宿って悪さをしたり、悪しき生物を創りあげたりと、つねに悪巧みしている精霊たちでございます。


 

ヒーシ、レンポ、ユータス、カルマ、スルマ



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