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各エピソードの相違点


ニーベルンゲン伝説に関連するエピソードも、いっぱい出てきてしまってワケわかんなくなって来ました。
整理してみます。このサイトで扱っているものは「エッダ」、「ニーベルンゲンの歌」、「ヴォルスンガ・サガ」、「シドレクス・サガ」、「ニーベルングの指輪」。筋書きはだいたい同じなのですが細部が異なっている、この物語のそれぞれの違いを列挙して、比較しやすくするのがこのコーナーです。

「エッダ」の英雄詩 ヴォルスンガ・サガ ニーベルンゲンの歌 シドレクス・サガ ニーベルングの指輪 ニーベルンゲン
時代 9−10世紀ごろ 13世紀ごろ 13世紀前半 13世紀後半(写本) 19世紀 20世紀前半
言語 古代北欧語 古代北欧語 中高地ドイツ語 古アイスランド語
※ディートリッヒ
関連伝説のすべて
が同じ言語ではない
近代ドイツ語 近代ドイツ語
竜殺しの英雄 シグルズ シグルズ ジーフリト ジーフリト ジークフリート ジークフリート
↑の両親の名前 父・シグムンド
母・ヒョルディース
父・シグムンド
母・ヒョルディース
父・ジゲムンド
母・ジゲリント
父・ジークムント
母・シシベ
父・ジークムント
母・ジークリンデ
父・ジークムント
母・?
運命の女性の
名前
ブリュンヒルド
(シグルドリファ)
ブリュンヒルド プリュンヒルト ブリュンヒルト ブリュンヒルデ ブルンヒルト
(※1 末尾参照)
↑この人の素性 戦乙女 戦乙女 イースラントの女王 戦乙女 戦乙女 アイスランドの女王
女戦士
↑この人と
出会う場所
フランケンの国 炎に包まれた山
(フィンダルフィヨル山)
イースラント(アイスランド)
*過去に出会ったことが
あるというだけで、直接
その場面は出てこない。
スヴァヴァ
(シュワーベン?)
の首都、セーガルト
にある馬牧場。
焔に囲まれた山
(場所不明)
アイスランド
炎に包まれた居城
*求婚の旅が初対面
手にする
剣の名前
グラム グラム バルムンク グラム ノートゥング バルムンク
刀鍛治 レギン レギン なし(剣を贈るのは、
シルブンクとニベルンク)
ミーミル ミーメ なし (剣の元の持ち主は
小人の王アルベリヒ、
師匠の刀鍛治はミーメ)
馬・グラニの
獲得法
シグルドリファの
おさがり
オーディンの
アドバイスで発見。
不明。 ブリュンヒルトの
馬牧場でもらう。
ブリュンヒルデの
おさがり
不明。
ミーメが手綱を渡すシーンのみ
殺害者 グンナルとヘグニの弟、
知恵遅れのグットルム
グンナルとホグニの弟、
知恵遅れのグットルム
グンテルの重臣・
ハゲネ
グンナルの異父弟・
ホグニ
グンターの異父弟・
ハーゲン
グンター王の重臣・
ハーゲン
殺害者の一族 ギューキ王の一族
(ゴート族)
ニフルンガル
ギューキ王の一族
(ブルグント族)
ニフルンガル
グンテル王の一族
(ブルグント族)
ニーベルンゲン
アルドリアン王の
一族
ニフルンガ
ギーヒヒ王の一族 グンター王の一族
(ブルグント族)
ニーベルンゲン
殺害方法 獣の肉を食らい、
狂戦士化して寝室を襲う
(「シグルズの短い歌」
では、戸外で殺した
ことになっている)
獣の肉を食らい、
狂戦士化して寝室を襲う
森の中に連れ出し、
ハゲネが背後から
槍で急所を狙う。
←とほぼ同じ 森の中で家臣団を
交えての酒盛り・談話
の最中、ハーゲンが
襲い掛かる
森の中に連れ出し、
ハゲネが背後から
投槍で急所を貫く。
結果 相打ち。 相打ち。 ハゲネ打撲のみ。
ジーフリト死亡。
←とほぼ同じ ハーゲン無傷。
ジークフリート死亡。
ハーゲン無傷。
ジークフリート死亡。
殺害理由 結婚に際する偽りを知った
ブリュンヒルドが、シグル
ズの死を強く望んだため。
←とほぼ同じ。 結婚に際する偽りを
バラしてしまったことに
よる報復、口封じなど。
(自説はこちら)
←とほぼ同じ グンターとの義兄弟の
誓いを破ったため/
ハーゲンが父アルベリヒ
に背負わされた使命。
結婚に際する偽りを知った
ブリュンヒルドが、シグル
ズの死を強く望んだため。
その後の
運命の女性
自ら命を絶ち、
シグルズの後を追う
自ら命を絶ち、
シグルズの後を追う
生存 生存? 自ら命を絶ち、
ジークフリートの後を追う
ジークフリートの死体の傍らで
自ら命を絶つが、
後を追ったのかは不明

(※1)20世紀初頭にサイレント映画として作られた「ニーベルンゲン」では、ブリュンヒルト(ブルンヒルト)とジークフリートに過去の因縁が一切描かれず、グンター王の求婚の旅が初対面だったことになっている。ブルンヒルトがジークフリートの殺害を望む理由や後追い自殺の様子も映画オリジナルになっており、ジークフリートとブルンヒルトの間にほとんど接点がない。


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