2005年9月30日
「矢勝川の彼岸花
(やかちがわのひがんばな)
愛知県半田市
地図
撮影 OLYMPUS E-10

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野間大坊へ行った日の帰り道、
ヒガンバナで有名な半田市矢勝川に寄った。
それがこの日の半分のメインでもあった。
矢勝川沿いにあるというのだけど、
はっきり場所が分かってなかった。
新美南吉の「ごんぎつね」に何やら関係がある
らしいということで、新美南吉関係の看板を
目指して辿り着いたのがここ。
「新美南吉の養子先の家」。
ん? まったくにぎわってないぞ?
駐車場にも人がいないし、観光客の姿もない。
どうもここじゃなかったらしい。
せっかくなので家の中を見せてもらうことにした。
ふーむ、なるほど、昔の田舎の家屋としては
一般的なものに見えた。
続きで十二畳くらいだったと思う。
すごく裕福でもなく、でも貧しい感じでもない。
もともとはお母さんの生まれた家だったか。
おばあさんの家だったかも?
で、そこにいったん養子となってたんだっけかな。
実は私、新美南吉のことは、
なーんにも知らないのだ。
これを機にちょっと勉強するかな。
夏は涼しいかもしれないけど、冬は寒そうだ。
東北などはもっと暖房などに気をつかって
家が建てられてるから、
むしろ寒冷地じゃない方が体感的には寒かった
んじゃないだろうかと思う。
この家も、土間とつながってるし、
仕切りがないから、かなり冷えたことだろう。
ウォームビズで乗り切るしかない。
裏口の井戸。
汲み上げ式の井戸は使ったことがない。
うちの田舎はいまだに井戸だけど、
一応ポンプ式なので力はいらない。
これは汲み上げるのが大変そうだ。
桶を落とすときも、けっこうコツがいるらしい。
右手にちらっと見えてるのは蔵で、
この中が資料館になってるらしい。
この日は夕方で、もう閉まっていた。
のんきに南吉の家で写真を撮っていたら、
日没が近づいてきた。
しまった。
こうしてる場合じゃない。
新美南吉記念館へ行けば手がかりが掴めるかも
と思い、やって来た。
「ヒガンバナの臨時駐車場はこちら」と書いてある。
見物客もちらほら歩いている。
どうやら間違いないらしい。
それっぽい人のあとを尾行してみることにする。
っと、その前に一枚記念写真を。
「ごんぎつね」にちなんで
やっぱりキツネははずせない。
このあたりも昔はキツネなんかが普通に
たくさんいたんだろう。
あった、あった。ヒガンバナ。
どうやら南吉記念館の向かいの道路を渡って、
川沿いの土手に咲いているらしい。
みんなそっちへ向かって歩いていく。
しかし、人影はまばらだ。
もっとごった返してるかと心配したけど、
そうじゃなくて安心した。
のだけど、安心してる場合じゃなかったことに
やがて気づくことになる。
あー、このへんだなぁ。
なるほど、なるほど、なかなか咲いてる。
親子連れや、老夫婦なども散歩してるし。
うーん、でもこんなもの?
カメラマンの姿も見えないし、
思ったよりヒガンバナもまばらだ。
ホントにここだろうか、と少し不安になる。
しまったぁぁぁ。日没った!
遅い、遅刻だ。
あと30分は早く着かないといけなかった。
秋は日が暮れるとすぐに暗くなってしまう。
写真撮影はこれで一気に難しくなった。
ちょうど夕陽時間でいいタイミングだと思ったのに、
こりゃ失敗だ。
てくてく10分ほど歩いて、
どうやら出遅れたのは時間だけじゃなく、
時期もだったことに気づく。
これは完全に出遅れだ。
もうかなり枯れ始めていて、
30日のこの日は、最盛期の5分か6分くらい
だったんじゃないだろうか。
ネットの写真で見たここはもっとすごかった。
10万本以上だというし。
どうりで人も少ないし、カメラマンもいないわけだ。
せっかくここまで来たのに残念だ。
彼岸花というくらいだから、
やはり彼岸に訪れないと。
白いヒガンバナも少しだけ咲いていた。
これももっと早く来てれば、
かたまって咲いていたはずだ。
まだ先の方もずっと続いて咲いてるようだったけど
日も暮れて暗くなったので、
ここまでとして引き返すことにした。
また来年来ます、と約束の言葉を残し。


 というわけで、ヒガンバナは来年の宿題となった。
 毎年最盛期の時期は多少ずれるのだろうけど、基本的には彼岸の入りから数日後といったところだろう。30日ではいかにも遅すぎた。時期がずれるにしても、終わりかけは美しくないから、早すぎる方がまだいい。
 最盛期はさぞや見事なものなのだろう。見物客もかなりのものなのだろうけど。

 今回、時間がなくて新美南吉記念館を見ることができなかった。これも来年に持ち越しだ。次までには南吉に対して思い入れを持って訪ねたい。「ごんぎつね」もちゃんと読んでないようでは充分楽しめないだろう。
 南吉をもっと知れば、記念館以外の足跡を辿る楽しみも出てくるに違いない。

 所在地: 愛知県半田市岩滑
 時間: 終日開放(新美南吉記念館は9:30〜17:30)
 休み: 無休(記念館は月・第2火曜休み)
 駐車場: 無料(南吉記念館は閉館時間に閉まるので注意)
 散策時間: 30分〜1時間

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