2005年7月19日
「海上の森-5(かいしょのもり)」
愛知県瀬戸市
地図
撮影 OLYMPUS E-10
だいぶお馴染みになってきた海上の森。 前回が6月はじめだったから、 ひと月ぶりに行ってみた。 何か大きな変化はあるだろうか。 梅雨入り前から梅雨明けと、季節はひとつ移った。 今回も南側の物見山から湿地にかけてを歩いた のだけど、そこで一番目立ったのがこいつ。 たぶんニイニイゼミだと思う。けっこう小型。 歩いていくと、近くでバタバタバタっと音がして、 木や葉にぶつかりながら逃げていく。 短い鳴き声を残しながら。 こういうセミは街中ではなかなか見られなくなった。 |
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これはニイニイゼミの抜け殻のはず。 土がついてる特徴があるから。 このへんもアブラゼミなんかとはずいぶん違う。 |
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キリギリスかなと思ったんだけど、 ヤブキリかもしれない。 後ろ姿だけではちょっと分かりにくい。 キリギリス科もクサキリ亜科やササキリ亜科など 種類が多くて判別が難しい(私にとっては)。 |
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今回も湿地にはハッチョウトンボがたくさんいた。 前回より多くて、パッと見た範囲内だけでも 10匹以上いて、見てるうちに ありがたみがなくなるほどだった。 数十匹はいた。 これほど間近に大量のハッチョウトンボを 見られるところはそうないかもしれない。 |
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体長は約2センチと日本一小さい。 私の人差し指と比べてこの大きさ。 こいつの偉いところは、あまり飛び回らず、 たいていどこかにとまっていることだ。 そして、警戒心が弱くて全然逃げない。 こんなに写真を撮りやすいトンボも他にない。 日本一小さく、日本一写真に撮りやすいトンボだ。 |
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こいつも小さい。 別の種類のトンボかと思ったけど、 やっぱりハッチョウトンボのメスだろうか。 メスはもう少しオレンジ色っていうイメージが あったんだけど。 |
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こちらはノーマルサイズのトンボ。 夕日を浴びて羽がうっすら赤く染まっていた。 赤くなりきる前のナツアカネ? 自信はない。 |
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湿地も森も、野草の顔ぶれは変わっていた。 というより、この時期はやっぱり少ない気がする。 ひと月前に咲いていたものも、 同じ場所にはもう咲いてなかった。 タツナミソウとか。 湿地帯も今は寂しいときで、 モウセンゴケやコモウセンゴケも かなり減っていた。 結局、モウセンゴケの花が咲いたところも、 虫を捕らえてるところも、 今年は見られずじまいになりそうだ。 |
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これは前回なかった。 咲き始めのノギラン(芒蘭)。 近くで見ると、ピヨンピヨン、ツンツンした花の形 が面白い。 もっと咲いてくると、きっときれいだろう。 |
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ただの雑草かもしれないけど、 一応撮っておくかと撮って、 帰ってきてから調べたら、 ミカヅキグサ(三日月草)というちゃんとした 湿地の野草だった。 野草に興味がなかったときは、 こんなもの絶対に見逃していた。 |
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たぶん、きっと、アキノタムラソウ(だと思う)。 まだ夏は始まったばかりなのに。 空き地にけっこうたくさん咲いていた。 |
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よく見かける気がするんだけど、 分かってないやつのひとつ。 サワヒヨドリかなぁ? 違うかもしれない。 |
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もうイヌタデが咲いてるのか。 野草に興味を持って写真に撮り始めたのが 去年の8月で、その最初の頃、 こいつを何回か撮った記憶がある。 季節が一周巡ってきたんだな、 と個人的に感慨深いものがあった。 逆に言うと、今の季節までの野草はほぼすべてが 初顔で新鮮だ。 でも知識が多少なりとも増えたことで、 同じ季節でも違う野草が見えてくるはずだ。 |
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チカラシバでいいのかな? 雑草でも、こうして群れて咲いていて、 それが風に吹かれていたりすると、 それなりに風情があるものだ。 |
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今日のキノコ・コレクションは充実してる。 たくさん見かけて、最初は喜んで撮ってた のだけど、途中からだんだん飽きてきて 撮らなかった。 キノコっていうと秋のイメージがあるけど、 実際は夏の方が多いのかもしれない。 |
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世の中にはまだ見ぬキノコがまだまだ たくさんあるんだな、と再認識した。 見ていてあまり楽しい感じはしないけど、 機会があれば名前なども調べてみたい。 |
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今回で5回目になる海上の森だけど、 やはり侮れない。 今回もまた道に迷った。 帰ろうと思って駐車場に向かってるつもりが、 いつの間にか川沿いの細い道に迷い込んでいて、 途中で道が消えてしまった。 クモの巣をかきわけかきわけ頑張って進んだけど もうそれ以上は進めなかった。 うぎゃー。 数多くの分岐点と踏み跡があって、 途中で道がなくなるから怖い。 太陽が見えない日などはよほど気をつけないと、 方向感覚さえ失ってしまう。 とにかく迷ったら時間がかかっても、 来た道を引き返すことだ。 |
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わずかに見晴らしが利くところからの眺め。 この森は全体的に視界は開けない。 だから、自分の位置も見失いがちになる。 手前に見えている、白いモジャモジャっとした やつはたぶん、リョウブ(令法)。 これもたくさん咲いていた。 最後はヒグラシの大合唱に送られて 森を出たのだった。 |
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今回の海上の森のテーマは、実は野鳥だった。なのに、一羽も撮れてなーい。姿さえ見かけなかった。こんな夏の暑い夕方にはどこかにすっこんでるんだろうか。 歩いた場所も野鳥向きのところじゃなかった。南側は野鳥が少ない。鳥を撮りたければ大正池から東か北へ行かないと。 ああー、オオルリとルリビタキが見たい撮りたい。 鳥に関しては残念だったけど、野草や昆虫でそれなりの収穫があったからよしとしたい。行くたびに新しい発見がある。 やっぱり海上の森は面白いところだ。そして奥が深い。 それにしても、クモの巣にはまいる。広い道はいいんだけど、ちょっと狭い道に入ると強烈なクモの巣攻撃によって顔から全身クモの巣だらけになってしまうのだ。顔にべちゃっとかかると、あれはけっこうヘコむ。 夏場の森は、暑さよりも蚊とクモの巣が強敵となることを今回も思い知ったのだった。露払い役が欲しい。 所在地: 愛知県瀬戸市 時間: 終日開放(ただし日没後は真の闇になるので注意) 定休日: なし 入場料: 無料 駐車場: 無料(たくさん) 所要時間: コース設定によっていろいろ。1時間〜1日 |