2005年6月8日
「海上の森-4(かいしょのもり)」
愛知県瀬戸市
地図
撮影 OLYMPUS E-10
海上の森行きは今回が4度目。 そろそろお馴染み感が強くなりつつあるけど、 森は広い。まだまだ歩いてない道も多い。 今日は前回行こうとして行き着けなかった赤池を 目指した。海上の森の中では南ゾーンの 広久手の森にそれはあるはずなのだが。 手前の駐車場から少し戻ったところから入って、 南に向かって進む。 分岐点を右(西)へ折れると 崖から吉田池が見える。 前回とはだいぶ様相が変わっていた。 水草に覆われ夏模様だ。 この後、またあっさり迷った。前回同様。 一本南の吉田川沿いの道を発見できず、 しばらくさまようことになる。 |
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行く手をアシナガバチらしきハチに遮られる。 ひゃー、こんなに刺されたら死んでしまうかも。 しかし、道幅は体分しかなく、 よけるによけられない。 迂回路もないからここを突破するしかない。 しばらく待ったけど、この葉っぱがお気に入りらしく、 いっこうに動く気配がない。 途方に暮れた。 3分後、わずかに飛んだところで 猛ダッシュで駆け抜けた。 危ない、あぶない。 |
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適当に道を選んで歩いていたら、 民家と田んぼのあるところに出た。 むむっ、ここはどこだろう。初めて見る風景だ。 森のはずれの西側だと思うんだけど、 とりあえず引き返すことにする。 |
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別の道を歩いていたら、鉄塔の下に。 うーん、こんな鉄塔あったかなぁ。 ますます混乱して迷う。 海上の森だけは簡略地図では どうにも自分の位置が掴めない。 昔のRPGのように自分で歩いたところを マッピングした方がいいかもしれない。 |
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そのまま進んだら、またもや思いがけない ところに着いた。 なんだ、ここ? 屋戸川なんて地図に載ってない。 こんなところにも砂防堤防があるとは。 H16ってことは去年できたってことか。 右奥には整備された休憩広場とベンチまである。 なんだか海上の森らしくない光景だ。 吉田川はどこなんだろう? |
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屋戸川沿いを左に向かって進むことにした。 とりあえずしっかりした踏み跡があるから 大丈夫だろうということで。 このあたりは森の中心部と植生が違う。 タツナミソウなどが咲いていたのもここだった。 そして、なんだかんだで湿地帯に出た。 ここも前回探して見つけられなかった場所だ。 池には何か分からない物が浮いていた。 |
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おっ、いるいる、モウセンゴケ。 たぶんこれはモウセンゴケだと思うけど、 もしかしたら違うかも。 虫を捕まえて食べてしまう食虫植物。 |
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で、こっちがコモウセンゴケでいいのだろうか。 ひょろひょろっと伸びて、 先端にピンク色の花のつぼみをつけている。 花が咲くのは夏だろう。 こいつも食虫植物で、準絶滅危惧種。 でもここにはけっこうたくさん生えていた。 |
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湿地帯を後にして、赤池を探して更に進む。 途中、こんなオレンジのキノコを撮ったりしつつ。 |
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なんか、道に迷ったかも。 というか、道を見失ったかも。 気づいたら森の木々をかき分けながら 進んでいた。 今日は太陽も出てなかったので 方角は方位磁石だけが頼りだ。 海上の森で日没を迎えたら完全に遭難するな。 実際そうなったら翌朝まで歩けないので、 冗談抜きでコンパスとライトは持参した方がいい。 |
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なんとかしっかりした道に合流することができた。 危ないところだった。 たぶん、古窯の分岐点だったと思うのだけど、 そこからまた西に少し戻ったところの分岐点を 南に進むことにした。 少し歩いたら、突然こんな小さな池が現れた。 と思ったら、ギャーとかいいながら 得体の知れない生き物が水辺から水中に 飛び込んだので驚く。なんだったんだ? カエルよりもっと大きかった気がするけど。 カッパか!?(それはない) |
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西に進んだら、森から出てしまいそうに なったので引き返して、今度は東に進んでみた。 それで、やっと赤池を見つけることができた。 いやはや、ここか。 とりあえずこれで今回の海上の森行きの目的は 果たしたことになる。 やっとすっきりした。 ただ、じゃあ次からは迷わず赤池に行けるか といえば、全然自信がない。 なんとなく方向と位置は分かったけど。 |
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赤池の蓮の花、半開き。 夕方はこんな感じになるのか。 完全に閉じてしまうわけではないようだ。 ここのものは当然、天然ものだろうから、 公園などで見るのとはありがたみが違う。 <追記> よく見たらスイレン(睡蓮)のような気がしてきた。 花の手前の葉が立ち葉に見えなくもないけど、 葉が水を弾いてない。 ってことで、たぶんスイレンだろう。 |
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ここからは今日出会った生き物や花の紹介を。 これはなんだろう、草についた 白い泡みたいなの。 いくつか見かけた。 何かの卵だろうか。 触ったら、まだできて間もないのか、 柔らかかった。 |
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枯れ草のように見えるけど、蛾。 今日はこいつらが無数にいた。 歩くたびに前と左右から飛び立って、 目の前をハラハラと飛び回っていた。 何蛾かは分からない。 |
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湿地帯にいたこいつは、ウラギンシジミだろう。 片方は写真のこんな色をしていて、 もう一方は白色をしている、ツートンカラーなやつ。 「ウラギン」というからには白い方が裏で、 あれを銀色と見たのだろう。 面白い色の蝶だった。 |
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入り口付近で出迎えてくれたやつ。 大きくジャンプして草から草に飛び移っていた。 トノサマバッタか!? と思ったら、どうやらツチイナゴのようだ。 ちょっと残念。 幼虫は緑色をしてるらしい。 |
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目の前をきれいな虫が飛んだ。 カミキリムシ? じゃない、ハンミョウだ。 あんまり好かれてる虫じゃないみたいだけど、 模様はきれいだ。 |
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前方をふわ〜っとした感じで飛ぶ虫に 何か見覚えが。 止まったところをそっと近づいてみると、 ホタルだ。 ゲンジボタルか? いや、ヘイケボタルかもしれない。 こんな時間にも活動してるんだ。 まさか見られるとは思わなかったので喜んだ。 |
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ここからはトンボが続く。 今日はたくさんのトンボを見た。 これはオニヤンマだろうか。 ちょっと自信がないけど、黒いボディーに 緑色の目がオニヤンマっぽい。 もうひとつの特徴である黄色のラインが薄いから 別の種類かもしれない。 |
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こんな黄色い色のトンボはあまり見た覚えがない。 他に似たようなやつもいないようだから、 たぶんキイトトンボで間違いない。 ちょっと珍しいトンボかも? |
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こうしてトンボをじっくり見る機会はめったにない こともあって、写真を撮って見てみると、 あらためて名前を知らないことに気づく。 これは調べたけど分からなかった。 トンボの種類もけっこう多いもんだ。 |
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胴体(尾?)の長さと羽の大きさのバランスが ちょっと変なトンボ。 妙にヒョロッとしてる。 モノサシトンボかな。 黄色っぽいからメスだ。 オスは青っぽい。 |
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私にとてもなついていたトンボ。 肩にとまったり、頭に止まったり、 こんなふうにジーンズに止まったり。 私を自分の縄張りとしようとしたのか? せっかくこんなに慣れていたのに 名前が分からない。 湿地帯にいたやつで、黒い目と胴体のこいつ。 ムカシヤンマかと思ったけど、複眼が離れてない? <追記> やっぱりムカシヤンマのような気がする。 |
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おおー、これがハッチョウトンボかー。 日本で一番小さいという。 なるほど、こりゃ小さいや。 2cmくらいだった。 胴体が鮮やかな赤色だからこれはオスだ。 湿地帯にしか生息しないらしいから、 田舎育ちの私でも初めて見た。 |
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こっちのオレンジっぽいやつが ハッチョウトンボのメス。 うーん、感動だ。 やっぱり湿地帯は面白い。 |
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今日唯一撮った鳥。 前と下ばかり見て歩いていたので、 鳥はほとんど目に入らなかった。 いろんな鳴き声だけは聞こえていたのだけど。 シルエットでは名前は分からない。 |
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何かの実だと思うんだけど、何だろう。 樹木の勉強は進んでない。 |
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毛虫みたいな花が面白くて撮ってみた。 こんなに特徴があるから、調べれば名前は 分かるだろうと思ったんだけど、 手持ちのポケット図鑑では分からなかった。 |
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今日は野草の収穫はあまりなかった。 その中のひとつがこれなんだけど、 見覚えはないし、調べがつかない。 さて、何だろうか。 |
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これも初めて見ることができた、 タツナミソウ(立浪草)。 ほうほう、これがタツナミソウか。 波が立っている様子から名付けられたらしい。 言われてみればそんな感じもする。 |
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シライトソウの生き残り。 まだ少し咲いていた。 手前の駐車場の道を隔てた反対側、 水路の脇に。 見ると、これで試験管を掃除したくなる。 しないけど。 |
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今回の海上の森行きは、これまでと比べてとても満足感の高いものとなった。 海上の森は、メインの林道や山道から一本、二本奥へ踏み行った先に更なる魅力があるようだ。通常歩く道の脇には意外と見所が少ない。歩く距離のわりには。 それにあそこは、植物や生き物の知識が増えるほど楽しさも増す。 山草や昆虫に関しては、湿地帯が面白い。物見山や大正池方面よりも。 湿地帯は南側の広久手の森の方なんだけど、どこだとはっきり説明できないのがもどかしい。私自身よく分かってないので。 北の篠田池の北側にも湿地帯のようなところがあるらしい? 4回目にしてようやく全体の位置関係やだいたいの広さが分かってきた。道と道とのつながりも。 同じ所へ何度も行くのは好きじゃないんだけど、ここは例外だ。行くほどに魅力が分かってくる。まだまだ尽きない魅力を秘めているから、必ずまた行こう。 夏が近づいて、道の脇の草もかなり伸びてきている。かがんだり、横歩きしたりしないと通れないところがあったりする。 あと、蜘蛛の巣がとんでもない。顔中蜘蛛の巣に絡め取られそうになった。いえいえ、とんでもないです、というように終始顔の前で手を左右に振りながら歩き続けた私であった。それでも顔や体に100回以上蜘蛛の巣を感じた。それだけはちょっとうんざりしてしまった。 夏でも長袖と靴下をオススメしたい。虫除けスプレーも。 万博開催を機に少し人の手が入ったとはいえ、まだまだ森は深い。大丈夫だとは思うけど、準備だけはしっかりしていきたい。低山なんかよりもずっと手強いから。 逆に言えば、名古屋近辺であれだけナチュラル・ワイルドを体感できる場所は海上の森くらいしかないのかもしれない。 |