2005年6月15日
「寧比曽岳
(ねびそだけ)
愛知県豊田市足助町
地図
撮影 OLYMPUS E-10

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「愛知いこいの村」は閉鎖してるし、伊勢神湿原
だけでは少し物足りなかった。
時間も体力もまだ余裕があったので、
近くの寧比曽岳もついでに登ってみることにした。
伊勢神湿原方面からだと、33号線に出ればすぐだ。
写真のここは登山口近くからの眺め。
すでにけっこうな高さまで登ってきている
ことが分かる。
このあたりは1,000メートルクラスの山が
つらなっている。
しかし、どんなところにも人は住むなと感心する。
駐車場というのか駐車スペースが、
33号線沿いの、登山口を少し過ぎたあたりにある。
割と広いスペースがあって、
10台以上はとめられそうだ。
しかし、雨降りにわざわざ訪れる人もなく、
この日の車は私だけ。
いや、帰りにひとり男の人とすれ違って、
その人の車がとまっているのを見た。
ここが登山口。
実は帰るとき、この鉄製の階段の一番上から
滑り落ちて全身打撲となった私であった。
二歩目でズルっといって、そのまま下まで
ドドーン、ドンドンドンドンっ、という感じで落下。
骨までいったかと思うほどの打ち身と、
首のむち打ちを食らう。13階段落ち。
デジを死守しようとしたことで無理な体勢に
なったのがいけなかった。
でも幸いなことにデジも体も無事でよかった。
あんなところで骨折なんかしたら助けも来ないし、
家にも帰れない。
登山口から山頂までは、1時間と書いてあった。
最初は道も緩やかで楽勝だったのだけど、
だんだん足取りが重くなり、
半分あたりでゼエゼエのフウフウ野郎と化した。
ヒーヒーフー、ヒーヒーフー。
出産でもないのにラマーズ法。
ただ、雨だけは途中でやんだので助かった。
傘を差しての山登りは、どうにもじゃまくさい。
山道ってあまり目につくものがないから、
こんなキノコでも、おっと目に飛び込んでくる。
そしてとりあえず撮る。
何キノコかは知らないけど、
食べる気になれないことだけは確かだ。
これはあまり危険そうな色はしてないけど。
道ばたに花の姿はほとんどなかった。
山の花は夏から秋にかけてだろうか。
ここにもギンリョウソウがたくさん生えていた。
腐った養分を摂取して生きているから
こんな病的な色になってしまうだぞ、
と思ったり。
健康的な栄養素を与えると
やっぱり腐ってしまうんだろうか。
上から足下に、何かがボトッと落ちてきた。
何ものかと思ったら、くっついたカメムシだ。
ナイス・タイミング。
まるで私に写真を撮ってくれといわんばかりの
登場ぶりだった。
何カメムシかちょっと調べがつかなかった。
緑や黄色の色遣いがブラジル国旗みたいだ。
セレソン・カメムシと名付けよう。
(勝手に名付けちゃダメ)
見つけた虫をいちいち全部撮っていては
キリがないのだけど、
ここで撮っておかないと、このまま一生
撮れずに終わってしまうかもしれない、
と思うとつい撮ってしまう。
でも家に帰ってきて調べてもやっぱり
名前は分からずじまい。
それ以前に何の仲間かさえ分からない。
にしても、器用に葉っぱにしがみつくな。
またわけの分からない虫だ。
羽が二枚。
姿格好からしてトンボからは遠そう。
カゲロウに近いような遠いような。
分からない。
登りの道はだんだんきつくなり、
1時間が長く遠く感じる。
ここは木の根っこがむき出しになった登山道。
ちょっと不思議な光景に見とれる。
コースはあるようなないような。
木の根が雨に濡れて滑りやすい。
角度が悪くて分かりづらいんだけど、
ダイミョウセセリかな。
羽を広げてとまってるし。
この後また、一瞬して逃げられてしまった。
ヨレヨレになりながら山頂に到着。
やっぱり1時間かかった。
展望台の中にポツリと、
学校の机が置かれていた。
懐かしい感じ。でも椅子はなし。
ベンチに座ってちょっと休もうと思ったら、
ウグイスとカッコウの鳴き声がしてきて
疲れも飛んで元気になる。
ウグイスはやったー、撮れたー、と喜んだら、
あまりにも小さすぎてほぼ写ってなかった。
自分は何を撮ったんだ? 木? ってな感じで。
寧比曽岳、1121メートル。
下から歩いて1,000メートルも歩いたら大変だけど、
実際に登る距離は短い。
山頂は広々して気持ちよかった。
ベンチや木の机もいくつかあって、
晴れた日にここで弁当を食べたら美味しいだろう。
ちょうど雨が上がって空が明るくなってきたので、
遠くの山も少しずつ見えだしているところ。
ここは木もあまり茂ってなくて、展望もいい。
ぐるりと見渡すことが出来る。
せっかく登ったのに何も見えないのと、
こうして見晴らしがいいのとでは
疲れ具合が違う。
勝ち試合と負け試合の疲労が違うみたいに。
カイナンサラサドウダン(海南更紗灯台)かな?
サラサドウダンにしては赤すぎるから。
落下盛んで、地面は赤い絨毯になっていた。
キンバエなんだろうけど、
色がとてもきれいだったので撮ってみた。
ヨーロッパ車の塗装を思わせるような光沢だ。
贅沢な感じ。
目が離れてるのがメスで、
くっついてるのだオスなんだとか。
これは離れてるからメスだ。
実はキンバエにはたくさんの種類がいて、
専門家じゃないと見分けがつかないそうだ。
キンバエの世界も意外と奥深い。
広く言えばコウチュウの仲間なんだと思うけど、
何科かまでは分からない。
ゾウムシっぽいような気もする。
コメツキだと思うけど、
コメツキもいろいろいるようだ。
クシコメツキかな。
子供の頃からよく見かけたやつかもしれない。
ひっくり返るとなかなか起きあがれなかった
あれと同じやつか?
翻弄するかのようにチョコマカと動きまくり、
意地になって何枚も撮って、
やっと撮れて喜んだが、うーん、遠い、小さい。
よく見えない。
苦労して撮ったのがお馴染みのシジュウカラ
だったらちょっと悲しい。
初めてのサンショウクイだったりすると嬉しい。
ゴジュウカラとは違うような。
鳥を多少なりとも撮るなら、やっぱり300mmくらいの
レンズは欲しい(E-10は固定で140mm換算)。


 雨の日の山登りは初めてだったのだけど、写真を撮らないのなら晴れの日とそんなに変わらない。カッパを着ればいいし。
 ただ、写真を撮るためとなると厳しいものがある。山頂は見晴らしも悪いし、あえて雨の日を選ぶ理由はあまりないかも。

 寧比曽岳は、山歩きとしてはなかなかいい感じじゃないだろうか。私くらいの弱運動不足の人間にとっては適度にきつくて、達成感がある。
 往復の時間は1時間45分くらいだろうか。山慣れした体力のある人は1時間半もかからないだろうから物足りないかもしれない。それなら更に奥の筈ヶ岳まで足を伸ばすといいと思う。そのコースだと4時間くらいかかりそうだけど。

 それにしても階段落ちは危ないところだった。かなり痛い思いはしたものの大事には至らず、助かった。
 あれでもし骨折したりデジを壊していたりしたら、寧比曽岳の印象がすごく悪いものになっていたに違いない(村積山へ行ったとき車をぶつけたので、あそこはもう二度と行きたくない)。

 花はそれほど多くない印象だったけど、これから夏にかけては増えるのかもしれない。
 鳥はかなり多そう。じっくり待てば思いがけないものが撮れそうな気がする。1,000メートル級の山だから、低山とはまた違った鳥がいるのだろう。

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