2005年6月15日
「伊勢神湿原
(いせがみしつげん)
愛知県豊田市足助町
地図
撮影 OLYMPUS E-10

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雨降りの中、何となく向かったのは、
「愛知いこいの村」というところ。
どんなところかはよく知らない。
勤労者のための憩いの施設?
らしいんだけど、行ってみれば分かるだろう。
何もなくても、すぐ横に伊勢神湿原がある。
しかし、近づくにつれてさびれムードが色濃い。
伊勢神トンネル付近の店はどこも閉まってる感じ。
ドライブインの駐車場にポツンとノラたちが佇む。
ということは、人は住んでるということだろう。
驚いたのが4時間後、帰りにここを通ったとき
まだノラが同じ場所にいたこと。
伊勢神トンネルの手前を右折した後、
旧伊勢神トンネルの手前をもう一度右折。
あとは細い山道をひたすら登っていく。
なんだか一台も車が通らない。
そうこうしてるうちに迷った(またか)。
分かれ道で左に曲がるところを右に曲がってしまい、
どんどんあらぬ方向に走っていた。
とりあえず道路脇に咲いていた花でも写して
気持ちを落ち着かせることにする。
コアジサイ(小紫陽花)。
このあたりにたくさん咲いていた。
てっきりアザミかと思ったら、
タムラソウ(田村草)かも?
葉に棘がなければタムラソウらしいけど、
葉っぱを見るのを忘れた。
ノアザミだったら、もっとイガイガ葉っぱが目立つ
から、やっぱりタムラソウかな。
昆虫を撮るときはまず1枚撮って、
それからゆっくり落ち着いて2枚目以降を
撮ればいいと、どこかで読んでなるほどと思った。
しかし、1枚目を撮ったことで安心してしまい、
つい大胆に近づきすぎて逃げられることも多い。
このときもそうだった。
せっかく初めて見たクロヒカゲだったのに、
近づいてピントを合わせていたら
飛び去ってしまった。わー、もったいないー。
どうにかこうにか、「愛知いこいの村」に到着。
って、閉まってる。むむむ?
定休日なのか、すでに閉鎖したのか、
平日の雨の日だからか!?
雨脚は更に強まり、車の中で茫然自失の私。
帰宅後に調べてみたところ、2001年に閉鎖!
2001年って! いつの話だ。
ちゃんと調べて行こうぜ、私。
しかし、足助町が豊田市に編入したことで
再整備されるとか何とか。
いずれにしても、今日閉まっていたことは
紛れもない事実、動かない現実であった。
やや途方に暮れながら車を走らせると、
すぐ先に広い駐車スペースがあって、
「↑展望台」と書かれた札が立っていた。
そうだ、このあたりは東海自然歩道が
通っているのだ。だから、歩く道には事欠かない。
じゃあ、展望台に登ってみるとするか。
雨だけど。
傘を差して出発。
あ、ギンリョウソウ(銀竜草)だ。
初めて見た。嬉しい。
しかし、よく見ると、あちらにもこちらにも
たくさん生えている。ありがたみがないほどに。
枯れ土を突き破るように白いものが
ニョキニョキ生えている光景は、きれいというには
やや抵抗があるようなないような。
見た目、草というよりキノコっぽい。
幽霊茸とも言われるらしい。
キノコも当然のように生えている。
これはすごくチビっこいキノコ。
直径1センチもないくらい。
雨に濡れていいテカリを出している。
ちょっと美味しそうに見えなくもない。
林道は雨に濡れて、しっとりとした雰囲気だ。
雨降りはこういうシーンを作り出すから、
捨てがたい面もある。
土の濃い茶色と新緑の緑のコントラストがいい。
10分も歩いたらすぐに着いた展望台。
しかーし、何も見えんっ。
雨のせいばかりではなく、
草が伸び放題に伸びていて、
視界をさえぎる。
こりゃあ晴れていても展望はきかないだろう。
看板の説明によると、いろんな山が見える
ということなんだけど、葉っぱしか見えない。
何も見えないから引き返す。
キイチゴ(木苺)かな。
実は赤色のイメージがあったんだけど、
オレンジ色が本来の色なのかもしれない。
たぶん食べられる。
意外と美味しいらしい?
バッタかキリギリスか、何かそのあたりのもの。
飛び跳ねるものはたいていバッタだと
思っていたけどそれは大いなる勘違いだった。
ということを最近知ったのだけど、
何やら種類がたくさんあって区別がつかない。
何か分からないけど、目についた草?
赤いうぶ毛が濃い。
伊勢神湿原の手前の道に生えていた。
こういう案内標識を見ると、
このあたりの道は荒れてないようだ。
ちゃんと整備されている。
いや、トイレはすごいことになってたな。
考えたら東海自然歩道って、
どこの誰が整備してるんだろう?
ハナアブかなと思うけど、もしかしたら違うかも。
この手の昆虫は雨でも意外と平気のようだ。
普通に飛び交っていた。
羽は防水加工になってるんだろうか。
これも初めて見るやつだ。
蛾っぽいな。
と思ったら、キタテハかも?
違うかな。自信がない。
夏と秋では模様や形が違うらしいから、
これは夏バージョンか?
伊勢神湿原に到着。よしよし。
いこいの村がなくてもこの湿原がある。
おっ、湿原らしく木道ではないか。やるな。
これは期待できるかも!?
……10分後、出口にて。
何かあった?
花らしい花は何も見あたらず、
場所を間違えたかと思ったほど何もなかった。
見落としたにしても、派手に何かが咲いてる
というふうでもなかった。
うーん、残念だ。普段持ち歩かない三脚まで
持ってきてたのに。
木が倒れっぱなし。
湿原の道も、左右から草や木の枝が伸びに
伸びていて、傘を差しての歩きは困難なほど。
ここは放置されてる感じだった。
湿原の花はやはり夏から秋にかけてだろうか。
湿原の外にあったこれ。
ウラシマソウにちょっと似てるけど違う。
調べたら、カントウマムシグサっぽいけど
どうなんだろう。
サトイモ科の仲間か何かだろうか。
<追記>
マムシグサかもしれない。違うかもしれない。
引き続き宿題。
斜面に黄色い花が群生していて、
何だろうと近づいて見たら、
ニガナだった。
なんだニガナか、と思ったけど、
これだけ集まって咲いてるときれいなもんだ。
さて、帰るか、と思ったとき、
突然目の前に現れた鮮やかな青紫の花。
花菖蒲かと思いきや、これはアヤメだな。
こんなところに咲いてるということは
やはり自生なんだろう。
これは見事なもんだ。
園芸種みたい。
白と黄色と青紫の派手な色遣いが
野草とは思えないほど。
最後に収穫があった。


 雨の日の散策はこれで三度目だと思うけど、相変わらず馴染めない。自分が濡れるのはまったくかまわないのだけど、デジが濡れるのが困る。本体はいいとしても、レンズが濡れると拭き取るのが大変なんで、そればかり気になる。
 傘を差しての撮影も無理があるし、光は弱くてシャッタースピードは落ちて手ぶれを起こす。
 これから梅雨のひと月、さて、どうしたものか。

 それにしても、「愛知いこいの村」がとっくの昔に閉鎖されていたのは驚いた。
 たいていは下調べしていくのだけど、今日は油断した。
 伊勢神湿原も期待したほどではなかったし、せっかく雨降りに出てきたのに、残念だったな。

 ということで、このままでは帰れないと思い、続いて寧比曽岳へも登ってみることにした。
 この思いつきが、まさか、あんな結果をもたらすことになるとは思わず……。

 どんなときでも、どんなところでも、デジを持って歩けば何らかの収穫はあるということだけは、今回も分かった。
 今日のところはそれでよしとしよう。

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