2005年5月24日
「江南市巡り
(こうなんしめぐり)
愛知県江南市
地図 地図
撮影 OLYMPUS E-10

日常・非日常写真一覧へ ホームに戻る

愛知県の中では地味な存在の江南市。
名古屋の人に江南市ってどこにあるか知ってる?
と訊ねたらどれくらいの人が正確に答えられるか。
一宮市と犬山市に挟まれた岐阜県寄りのところ。
私も今回行ってみるまで、
まったくイメージのない市だった。
ガイド本とネットで調べた名所を順番に巡ってみた。
まずは小牧市との境にある、二子山古墳へ。
春日井にも同じ名前の有名な古墳があるけど、
あっちとの関係はどうなんだろう。
これは5世紀頃の豪族のものらしい。
風に乗って白いものがヒラヒラっと舞って、
目の前に落ちた。
紙くずかと思ったら蛾だった。
例によって名前は分からない。
古墳の周りにたくさん咲いていた、
ニワゼキショウ(庭石菖)。
夕方なので半開き。
午前中しか咲かない花ってけっこうある。
最近知ったことのひとつだ。
一日花というんだろうか。
目の前をスタコラと歩き去ったノラ。
カリカリ投入の隙も与えぬ逃げ足。
この公園の入り口には、
「動物を愛護しましょう」
という看板があった。初めて見た。偉い。
最近はどこの公園へ行っても
「ネコにエサを与えないでください」
などというものばかりだから、
こういうのを見ると嬉しくなる。
名所巡りといっても江南市の場合は、
神社仏閣巡りになる。
全部を一度に回ることはできないから、
何か歴史的なエピソードなどがあるところに
絞っていくつか見て回った。
場所は大きく分けて三ヶ所。
名鉄布袋駅の南東、江南駅中心近くの東、
そして江南の北西。
ここは布袋駅近くの「般若寺」。
創建は今から600年ほど前で、その後、このあたり
の有力者であった生駒氏が再建したらしい。
久昌寺(きゅうしょうじ)。
織田信長の側室となった生駒氏の娘
「るい(のちの吉乃(きつの))」の菩提寺。
正室の濃姫との間には子供が生まれておらず、
信長の息子の、信忠、信雄、徳姫は
この吉乃の子供になる。
裏手に回るとお墓があって、
その中のどこかに吉乃のものがあるらしい
のだけど、よく分からなかった。
このあたりかなぁということで写真を撮ってみた。
全然違う人のもののような気もする。
この近くに生駒家屋敷跡の石碑があるはず
だけど、見つけることができなかった。
久昌寺から少し離れたところにある
「龍神社」。
生駒氏の氏神。
信長の次男、信雄(のぶかつ)の守護神でもある。
鳥居など立派なものだった。
名鉄犬山線の赤い電車。
ローカル電車は赤い色がよく似合う。
田園風景の緑色とのコントラストがいい。
うちの方では瀬戸電も赤だ。
名鉄自体のイメージカラーが赤ということもあって。
これまた古くて大きな山門だ。
奥に見えてる楼門もなかなか。
「常観寺」。
このあたりでは「お釜地蔵」として
親しまれているという。
久昌寺の末寺にあたる。
元々のおこりは850年頃らしいけど詳細は不明。
山門は仁王門かと思ったら、
これは仁王じゃない?
あなたは誰ですか?
と訊ねてみたけど、答えは返ってこなかった。
(というか、私が無知なだけ)
江南駅の北西ブロックに移動して、
今回のメインである「曼荼羅寺」へやってきた。
おお、ここがそうか。
江南市といえば曼荼羅寺の藤、
江南で一番有名な場所かもしれない?
後醍醐天皇の命でつくられた由緒あるお寺さんだ。
後醍醐天皇と聞くと、反射的に「銀河鉄道999」の
主題歌が頭の中で流れ始めるのは、
小学生の頃から今に至るまで変わらない。
でもあの歌詞の英語部分は未だに知らない。
入ってすぐ、ここに居着いてると思われる
ノラたちがお出迎え。
逃げるでもなく、寄ってくるでもなく。
境内でのカリカリ投入は控えておいた。
人目もあるし。
あ、キミもか。
そこで賽銭の番ですか?
おー、これはなかなか、どうして。
感嘆がやや意味不明。
天皇家の菊の御紋がしっかり刻まれてる。
それに恐れをなすわけではないけど、
少しだけ背筋が伸びるような気はする。
ゴダイゴだし。
いや、後醍醐だし。
本堂の右側が回遊式の庭園になっている。
そこのカルガモ2羽。
カルガモといえば子供の季節だ。
どれくらいのペアがどれくらい産むんだろう。
そんなに簡単には見られないのだろうか。
一度は実際に見てみたい。
当然藤は完全に終わっていた。
ここは愛知でも一番か二番目かに有名な
藤スポットなので(もうひとつは津島市の
天王川公園)、シーズン中はものすごい人らしい。
それ以外の日はとても静かでのんびり見学できる。
のんびりできるけど、藤は咲いてない。
やはり来年はシーズン中に見に来るか。
終わった藤。
これは何になるんだろう。
花のあとか、葉っぱか。
結局今年はほとんど藤を見ることができなかった。
次は「音楽寺」へ。
ここはアジサイで有名な寺だ。
音楽とは関係ないらしい。
名前は聞いて知っていた。
有名なので大きな寺を想像したら、
実際はかなりこぢんまりしていた。
そういうこともあるし、逆もある。
ただ、江南市で最古の寺なんだとか。
裏手がアジサイの通路になっていた。
なるほど、これは全部咲いたら
なかなかきれいだろう。
でも、もちろんまだ全然早い。
まったく咲いてなかった。
花はまだ遠い。
アジサイといえば雨、梅雨のイメージがあるから
6月の半ばくらいだろうか。
帰る途中、江南の東ブロックも
少しだけ寄ってみた。
ここは「常蓮寺」。
このあたりは戦国武将、蜂須賀小六の出身地で
蜂須賀家の屋敷跡もあったはずなんだけど、
場所がよく分からなかった。
江南名所は場所が散らばっていて、
全体的に少し分かりづらかった。
最後は、「観音禅寺」と「天満社」。
入り口は小さかったけど奥行きがあった。
古くは伊勢神宮の神領地で、その後は前野家
の所領地だったらしい。
前野家屋敷跡も発見ならず。
地図に載ってないところは、
漠然と向かってもなかなか見つからないものだ。
天神社ということで牛さんもいたんだけど、
ここの牛さんは檻に閉じこめられていた。
何故?
こういうのは初めて見た。
何か意味があるんだろうか。


 愛知県周辺の地図を開いて、まだ馴染みのない市や町へ行ってみようシリーズ(の第何弾だったか)、江南市編はこんな感じだった。
 今はネットがあるから、まったく行ったことがないところでも名所などを調べることができる。ネットがなかったから、こんなふうにいろんなところを散策することはできなかっただろう。
 これまで知らなかった市も、一度回ってみれば馴染みになるし、いろんな発見もある。
 何もないところに思えるのは、知識や情報がないだけだ。調べてみればけっこうある。歴史のない土地などないわけだし。

 それにしても今回は下調べがちょっと甘かった。行こうとしてた神社仏閣はほぼ回りきることができたけど、屋敷跡などはまったく見つけられなかった。それがちょっと心残りだ。次の機会があるのかどうか。すべての場所は一期一会のつもりで回ってるから。

 江南市でおすすめできるのは、月並みだけど曼荼羅寺ということになる。藤以外のシーズンでも見所は多い。
 戦国時代に興味があるなら、私が行ったよりももっと深く巡ってみるといいと思う。信長を中心とした人間関係の歴史があちこちに散在している。

 今回訪れたすべての場所は無料駐車場があった。
 拝観料や入場料がかかるところもない(ただし、藤シーズンの曼荼羅寺は駐車場が有料になるとか?)。

日常・非日常写真一覧へ ホームに戻る