雑感書評-音楽

電気グルーヴ「オレンジ」


平成8年3月1日発売 キューン・ソニー
CD批評が続いたな…、まいいか。さて電気グルーヴである。知らない人も居るかも知れないので軽く紹介しておくと、インディーズから登場したテクノグループで、現在のメンバーは石野卓球とピエール瀧の2人。かつてはCMJKや砂原良徳(まりん又は良徳砂原)が(同時にではないが)在籍していたがいずれも脱退した。特にまりんの脱退は個人的にかなり残念。尚、本作はまりんが在籍していた頃の制作である。

電気グループは、メジャーの第1作の「フラッシュ・パパ」の頃は、かなり無茶苦茶をやっていた。更に言えば、インディーズの頃の自主制作盤を聴くと「こらメジャーでは出せんやろ」と思わずにはいられない(どう凄いのかは実際に聴いて頂くしかない)。その後はハードなテクノ路線方面に進路を取り出し(特に「ドラゴン」等)、インスト曲が増えて、お馬鹿なラップ等は影を潜めがちだったのだが、この「オレンジ」では、かつての馬鹿路線が復活してくれた。勿論、音的には王道テクノ風であり、そういう意味で嬉しい作品。

冒頭、ピエールに擽られながら歌うまりんの「ママケーキ」で電気グルーヴの世界に突入し、シングルにもなった「誰だ!」(シングル版よりも長い)、岡村靖幸が絶叫する「VIVA!アジア丸出し」等と続いていく。個人的に好きなフレーズは「誰だ!」の「素っ裸で捕まり死刑はねーじゃん」と、「スコーピオン」の「オレだけワラジで修学旅行は困っちゃう」、んでもって「VIVA!アジア丸出し」の「そこのおっちゃん、カモン!」あたり。

それにしても、私は時期的にこれを聴きながら或る試験の勉強をしていたため、今でも聴いていると時折あの頃が蘇ってきて困る。その辺を何とかしたい。

(文中敬称略)


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