雑感書評−雑感

サッカーW杯


 いや何つったって、サッカーのワールドカップ(W杯)ですよ、最近はね。

 とは言いつつも、W杯に興味ない人々がいるという厳粛な事実が、はっきり言って蔑ろにされまくっている訳です。ここのところのW杯一色に過熱した報道が世間に蔓延し、人と人が会えばW杯の話というのは、異常じゃないのか?だって、みんながそんなにW杯に興味があるとは思えない訳ですよ。

 こないだの日本対ベルギー戦は、まだ私は職場で残業をしていたが、周囲の人々は職場のテレビをつけてがやがやと観戦を始めた。特に日本が点を取った辺りで騒音が極大化したため、やむなく業務を切り上げて帰宅しました。はっきり言って迷惑。サッカーファンだったら、そこで一緒に観戦して、盛り上がれば良かったんだろうけど、生憎と私はサッカーに余り興味を持ち合わせていないのです。むしろ私にとっては、W杯そのものよりもW杯を取り巻く騒ぎの方が余程興味深い。

 ところで、日本人だからと言って日本を応援しなくてはならないなどという理屈もないでしょう。フジテレビの社長がドラマの視聴率が下がるから日本に負けて欲しいと言ったことが「失言」と報道されていたやに記憶しているが、とんでもない話で、営利企業は、何よりも自社の業績を第一に考えるべきであり、会社の利益が下がってもW杯の日本での活躍を応援したいなどと発言すれば、それは株式会社の経営者として株主に対する背任である。

 そもそも普段から、「国民国家の枠組みは既に崩壊」とか「愛国心はかっこ悪い」とか言ってる人達は、今回の事象をどう考えているのか、よく分からない。それと、「君が代」を学校で歌わせないことに体を張っている人々や、日の丸を引きずり降ろして燃やすような人々は、頬に日の丸を書いて「日本代表」を応援している大多数の群衆を見て、今何を思うのだろうか。

 話が若干逸れたが、たまに「昨日の試合は凄かったねー」等と話し掛けられることがあるが、それ以前に確認すべきことは、そもそも聞き手がサッカーに興味があるかどうかということの筈だ。いきなり「昨日のプロキオン・ステークスは凄かったねー」と言われても、競馬に興味の無い人は戸惑うだろう。それとおんなじ。W杯だからって騒ぎが大きかろうが、0に何を掛けても0なのです。

 とはいえ別段、俄サッカーファンが盛り上がるな!などと言うつもりは毛頭なくて、私が言いたいことは単に、W杯に興味の無い人々に迷惑を掛けるなということと、W杯に興味が有ると最初から決めてかかるな、という2点だけのこと。と言ってる間に、この熱狂も日本が負けたら一気に醒めるような気がしますけどね。因みに、今日(6/16)スーパーに行ったら、早くもW杯関連Tシャツがタイムサービスで1枚\300で売られていた。当然の如く購入。

 それにしても、周りから取り残されたくなくて、俄サッカーファンにならざるを得なくてなっている人たちってのは沢山いる筈だ。興味が無いなんて言ったら寒いかと思って興味の有る振りをしている人たちも、声を大にして言おう。「サッカーには興味ありません」と。


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