英国情報-生活全般関係

パイを全部食べた人は誰ですか?


 以前にサッカーのワールドカップの試合を見に日本へ行く英国人に対して外務省が出したパンフレットのことを取り上げてみましたが、今回も似たようなお話です。

 英国人にとって日本語ってのは余り馴染みのある言語ではないことは周知の事実。そこで、簡単な日本語会話を手助けするような本なりウェブサイトが出来ている訳で、BBCのサイトから少し紹介したい。

 先ずは日常会話からで、

 どうもありがと(doe-moe ari-ga-toe)= Thank you very much
 どうぞ(doe-zo)= This way please/ after you
 かわいい(ka-wa-ee)= Cute
 かっこいい(ka-ko-ee)= Cool
 ください(koo-da-sie)= Can you please give me
 すみません(soo-mee-ma-sen)= Excuse me/ I'm sorry

あたりは当然に必要となる範囲だ。更にサッカー用として

 いけ、いけ、いけ! = Here we go, here we go, here we go
 さあいこうぜ! = Come on!
 がんばれ! = Do your best!

までは分かる。分かるのだが、

 パイを全部食べた人は誰ですか? = Who ate all the pies?

は日本人からすれば一体何かと思うだろう。実際、これを見て覚えた英国人が、サッカーの試合中に「パイを全部食べた人は誰ですか?」と叫んでいる場面を想像すると結構笑える。

 実はこの"Who ate all the pies?"というのは、英国ではサッカーの試合で歌われる野次のなのだ。この歌の歌詞は、

 Who ate all the pies?
 Who ate all the pies?
 You fat bastard, you fat bastard
 You ate all the pies

という救いようのない歌詞なのであるが、要するにパイを全部食べたデブ野郎 め!動きが悪いぞ!というような趣旨の歌なんである。

 日本のサッカーファンと雖も、この歌を知ってる人というのは少ないだろうか ら、これを日本語訳して「パイを全部食べた人は誰ですか?」と言ってみたところ で、日本人には通じないし、日本語を知らない英国人にも分かって貰えないとい う、かなり寒い状況になってしまうこと間違いなしである。にしても、なんでですます調やねん。

 しかしこれを上回るお節介な人々がいた。英国のツアー会社エクスペディア社 が野次の邦訳冊子を作ったのだが、その中に「スシヲ全部食ッタノハダレダ Who ate all the sushi?」と いう野次が含まれていたとの報道が昨年あった。

 これは当然、本家の"Who ate all the pies?"の"pies"を日本風に「スシ」に替 えてみたのだろうが、もっとよく分からないことになっている。それにしても、 このZAKZAKの記事は、この野次の由来について何も述べてないので、この記事だ け見た人々は、何のこっちゃいと思ったことだろう。

 英語って難しいのである。


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