先ず、自転車に乗るに当たってヘルメットを着用する人が多い。最初は義務かと思ったが、規則集を読むとMUSTではなくてshouldになっており義務ではないようだ。そうは言っても前に書いたように、危険極まりないので着用したくなる。日本のと違って、こちらのヘルメットは流線型である。日本でも西洋人が自転車にヘルメットで乗っているのは母国の習慣をこちらでも守っているからだと合点が行った。あとマスクも着けている人が多い。これはロンドンの空気が悪いことの何よりの証拠であろう。でも東京も空気は綺麗ではないが、マスクを着けて走っていたら、何かと思われるだろうな、多分。
また夜はライト点灯が義務。これは当たり前だが、日本との違いは、前回ちょろっと触れましたが、後ろにもライトを付けなければならないこと。日本だったら、反射鏡が付いているのでそれで足れりという感があるが、英国はどうも念に念を入れているようだ。だから自転車のライトは、前方用の白と後方用の赤がセットで売られている。後方用は、点滅したりすることもある。
以上述べてきたような交通ルールを網羅的に解説した本が『交通規則集(The Highway Code)』である。日本の交通ルールの教則本は純粋に自動車ユーザー向けだが、このハイウェイコードは、歩行者、自転車、自動車と道路を使う全ての人々を対象に書かれており便利だ。また、義務・禁止については赤字でMUST (MUST NOT)と書かれているので、最低限そこだけ読んでおけば取り敢えずは道路に出ても大丈夫である。これが異様に安くて日本円だと250円ぐらいなので一家に一冊備えておきたい。一方、日系の自動車ディーラーに行くと、この本を邦訳してまとめた本『英国ドライブハンドブック』を売っているが、自転車ユーザー向けの
部分(歩道を走るなとか)がごっそりカットされている。駐在員は自転車になど乗らないということなのだろうか。まあ出しているのが日産だからしょうがないか。
ところで、「ハイウェイ・コード」なんて言うと、日本的感覚だと高速道路での規則集のように思ってしまうが、英語の"highway"は「公道」ぐらいの意味であって「高速道路」ではない。同様に"high sea"は「高速海」ではなくて「公海」の意。逆に「高速道路」は、英国では"motorway"、米国では"freeway"(荒井由実の「中央フリーウェイ」を思い出そう)と言う。よって、王様が「ハイウェイ・スター」を「高速道路の星」と訳したのは実は誤訳である。
以上、3回に亘って自転車についてつらつら綴ってきましたが、ここまで読んでなおも英国で自転車に乗ろうとする人が存在するのかどうか多少心配であります。