英国情報−生活全般関係

ブーツ日本撤退


8月19日、ドラッグストアの「ブーツ Boots」が日本から撤退した。

Boots 吉祥寺店 最後の日
ブーツは元々は英国のドラッグストアで、1849年、ジョンとメアリーのブート夫妻が、ノッティンガムにハーブ薬を扱う店としてオープンしたもの。現在、英国での小売業では第1位の売上を誇っており、またオリジナル製品は4,500種類に上り、製造メーカーとしても最大規模であるらしい。"No.7"や"17"というオリジナルブランドも人気で、"prime but accessible"高級なんだけど手に入りやすいという絶妙のブランドイメージを作り出すことに成功していると思う。日本のと違って高級イメージだけで売ろうなんて思ってない。サンドイッチとコーラで£1.99セールとか平気でやってる。サラリーマンがよく昼飯を買いに行ったりしている。大体、あれが切れたこれが無くなったと買いに来る人が多くて、ちょっとウインドーショッピングとかいう雰囲気じゃあない。どこかコンビニ的雰囲気を併せ持っている。英国では約1,400店が在るらしい。本っ当に国中何処に行っても在る。至る所に在る。あほかというぐらい在る。

さて、そのブーツ、97年のロッテルダムへの出店を皮切りに海外に進出を始めた。98年に三菱商事と合弁会社を設立して日本に進出し、原宿、吉祥寺、銀座、横浜三越デパートの合計4店舗を開設。とは言え、残念ながら日本でブーツブームが起きたという話は聞いたこともないし、とにかく何だか中途半端だった。銀座ではマツモトキヨシと隣接した場所ということもあり、日英ドラッグストア対決みたいな論調もあったけど、どうなんでしょう。やっぱり中途半端な店だったのがよくなかったんじゃないかな。一応、高級店みたいな感じで売ろうとしていたように見受けられた。でもどうも、何の店なんだ、どういう店なんだ、誰を対象としてる店なんだ、というのがよく分からない。高級なんだか庶民的なんだかよく分からない、英国ブーツと比べると、日本のはそういう店だった。英国ブーツの持つ、"prime but accessible"という概念が、高級派と庶民派に2極分化している日本市場に於いて支持が得られなかったということになるんでしょう多分。

博姿國際美容藥妝店 忠孝復興店
日英のブーツで結構イメージが違うのは、やはり日本のブーツが英国から来た店ということで、庶民的な味を出さなかったからあまり受けなかったんのもあると思われる。舶来物は有り難いものという潜在的意識から未だ抜け出せていないのかも知れない。だったら高級なら高級なイメージでガンガン行けば良かったのだろうけれど、本国ではそういうものではないので、やっぱり中途半端になってしまう。

とにかく、英国企業が日本から撤退してしまうのは残念であります。もう少し何とかやりようはなかったのでしょうか。目標は300店舗らしかったけど、短い命でしたね。まあ不況だからしょうがないのかも。今度日本に出店するときはもっと庶民的なイメージで行ってみてはどうでしょうか?因みに、台湾のブーツは元気そうでした(画像)。売り方は日本とそう変わらないような気もしたけど。


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