英国情報−生活全般関係

クイーン・マザー


日本国の皇太后陛下(「さま」がいつから皇太后に付される敬称になったのかは知らない)は先日崩御されたが、英国の皇太后とも言うべきクイーン・マザーは、今も矍鑠としているらしい。晩年の20年間も痴呆状態だった(と言われている)日本の皇太后陛下と違って、多分意識もしっかりしてるだろうし、ちゃんと国民の前にも出てきて手を振っているので、恐らく元気なんだろうと思う。

このクイーン・マザーはその名の通りエリザベス女王の母親であり、その名前も「エリザベス」というので娘と全く同じだが、これは名前の種類が少なくて同じ名前を付けまくっている西欧世界にはよくあること(ブレア首相は、先頃生まれた子供に自分の祖父と同じ「リオ」という名前を付けた)。その夫はジョージ6世である。そして1900年生まれだから年齢はのわんと99歳。良子皇太后よりも長生きして更に元気なのだ。英国では100歳になると女王からお祝いの電報が届くという制度になっているので、もうすぐ女王は自分の母親に電報を打つという作業をすることになるだろうと言われている。誕生日は8月4日で、この日はクイーン・マザーはバッキンガム宮殿の前に出てきて人々に手を振ったり語りかけたりして健在ぶりを誇示しているようだ。

このクイーン・マザー氏、世間ではかなりの人気を誇っており大したものである。例えば、画像の如くその姿をあしらったお皿が各地で売られている。ショーウインドーに並べるということは、それなりの人気商品であることを示している。その他にも、ポスターやカレンダー等のグッズが売られている。実際、自分では買おうとは思わないけど、買ってる人は結構見掛ける。日本で皇太后のグッズを売り出しても売れなかったでしょうねえ、そもそも文化が違うけど。特に私の世代以下になってくると、殆ど痴呆状態の時代しか知らない訳で、愛着など湧きようもないのが実情でしょう。

でクイーン・マザーの人気の秘訣は、むちゃんこ長生きしていながらも愛嬌が有るという点もあるけど、更に言えば、戦時中には国民と苦労を共にし、側近の疎開してくれとの言に耳を貸さず、ロンドンに住み続け、ヒトラーもびびらせたということも未だ根強い人気の源泉の一つであるらしい。

ってなことを良子皇太后の訃報に接して思いました。

<追記>エリザベス皇太后は、去る2001年3月30日午後3時15分(日本時間31日午前0時15分)、ウインザー城で薨去されました。享年101歳。御冥福をお祈りいたします。


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