御陵巡り

安寧天皇陵


安寧天皇。はっきり言って書くことがない。そもそも、綏靖天皇から開化天皇までの8代の天皇については「欠史八代」と呼ばれていて、史書には名前とか皇后・皇子とか御陵の記述があるだけで、どんな人で何をやったかということが書かれていないのである。歴史が欠けているとはよく言ったもので、要は「ほんまは居らんかったんとちゃうんか」という訳である。陰陽思想の讖緯説に基き、神武天皇の即位を紀元前660年にする必要があったので、ぽっかり空いてしまった時間に無理矢理8人の天皇を突っ込んだというところだろうが、それでも120歳ぐらいまで長生きさせられた天皇も居て、もう少し突っ込んだ方が良かったのではないかと思われるが、まあお話の世界ということで、どっちでもいいのかも知れない。

安寧天皇陵は、神武・綏靖からはちょっとだけ離れた所に位置する。治定の根拠は、その山を「アネイ山」と呼んでいたという心許ない理由によるもの(他にも理由は有るが)。よって掘っても何も出て来ない。道路から見えるところにあるため見付けやすいユーザーフレンドリーな御陵。

全然関係ないけど、朝鮮半島では挨拶で「アンニョンハシムニカ?」と言うが、「アンニョン」とは一般名詞としての「安寧」のことで、「安寧でいらっしゃいますか?」の意。

<安寧天皇豆データ>
名前:磯津彦玉手看尊
生没:紀元前577?年〜前511年12月6日(享年67?歳)
在位:紀元前549年7月3日〜前511年12月6日(在位38年)

<御陵豆データ>
名前:畝傍山西南御陰井上陵
場所:奈良県橿原市吉田町(最寄り駅:近鉄南大阪線橿原神宮西口駅)


御陵巡り