RC住宅の特徴

     住宅性能表示制度の区分にそって書いてみます。(自分なりの主観が入っていますので、その点は注意を!)

  1. 構造の安定について
    耐震、耐風性は、他の構造(木造、鉄骨造等)より安定しているとか、してないとかは言えない、それぞれの工法で構造計算等で安全性を考え設計、施工しなくてはならない。簡単に言うと、他の構造より鉄筋コンクリート構造は重いので地盤は他の構造より耐力が必要です。また、耐力が取れない場合は杭等が必要になってきます。また、風について言えば住宅規模の場合、耐震性がよければ問題ない。一つ加えれば、在来工法のRCの場合柱、壁、床が一体構造であるのが特徴でしょう。
     
  2. 火災時の安全
    木造でも、鉄骨造でも仕上げ材により耐火性を増すことができますが、コンクリ−ト自体が耐火性のある材料なので、燃える事が無い。しかし、火災の安全性は、開口部(サッシ、換気口等)または仕上げ材にも影響しますから、その部分にも配慮が必要でしょう。一般には、火災保険料が他の工法より安いということからも、安全性が高いと言えるでしょう。
     
  3. 劣化の軽減
    劣化については、コンクリート強度、鉄筋のコンクリートかぶり厚(鉄筋が錆びないようにコンクリートが覆っている厚さ)等施工管理が大切になります。内放しコンクリートの場合クラックに水の浸入等も考えれます。絶対クラックがないよう施工することは、不可能と思います。タイル仕上げ、吹き付け仕上げ等を考えてもよいとおもいます。どんな構造でも維持管理は必要です。また、外断熱工法を採用し仕上げ材をすれば、完璧でしょう。内部結露対策にもなり、コンクリートの劣化防止にもなります。私の家は検討しましたが、コスト優先とこれからの安くて気に入る建材が見つけられなかったのでメーカーの研究待ちとし、将来の工事とし、今は打ち放し破水剤処理とし、コンクリートの質感を楽しむことにしました。
     
  4. 維持管理への配慮
    コンクリート住宅だからうんぬんということは無いと思います。維持管理の配慮はどんな建物でも必要です。わが家は配管は竪管も横管も露出です。天井のある所はいつでも点検できるようジプトーン系建材です。コスト優先だけでなく維持管理の配慮からです。内部は壁、床、打ち放しコンクリート面があるのですが、コンセントスイッチ配置計画にてコンクリート打ち込みはしていません。また、打ち込みにしないと、電気配線工事のコストダウンにつながります。意匠上のことも大切ですから、電気のコンセントの追加、給水、排水の漏れの発見に対応するために、、大々的修理することなく、点検口、工事のための出入り口は考えなくてはなりません。
     
  5. 温熱環境
    どんな構造でも断熱材の使用で省エネルギーで快適な環境をつくることができます。断熱材の仕様、厚さにより高断熱仕様になります。しかし、いくら壁の断熱を上げても、開口部が多ければ、外環境に影響されます。開口部にペアガラスを入れても、一枚ガラスよりましだぐらいにしか感じないないのではないでしょうか。冬は日差しを入れたい、夏は日差しをカットしたい、相反するなかで、開口部の位置、大きさを考え設計するかが大切でしょう。隙間がある、なしの気密性も構造により対処法かあります。RC住宅は断熱性がいいと思っている人がいますが、それも断熱材の使用があってのことです。上手に使えば断熱性はよくなります。夏、外気温が上がってもRC住宅内部はすぐには温度が上がらず、夕方近くになって初めて最高温度になります。コンクリートは熱の伝導性が少ないので、すぐには外部の影響を受けにくいのです。逆にいえば蓄熱性があり、一度蓄えた熱は徐々にしか放出しないので、その熱をどのように利用するかが大変重要になります。冬はストーブを切っても蓄熱性があるのですぐには冷えません。蓄熱性により、1年中、または1日中を通しても、他の構造よりも、外気温の変化を受けづらいのです。最近、実験住宅と言うことで、わが家には3つの温湿度があります。各階に取り付けてあるのですが、12月1日(埼玉の浦和で天気予報最低温度2℃ 最高温度12度)では日中温度は、暖房なしで、17から19度です。朝起きての温度はどの階も17度前後です。これから寒さが厳しくなるので、どのように変化してゆくか見ていきたいと思います。友人が2年前輸入住宅(2x4住宅)を新築したとき夏はクーラー使わなかったと聞いていたので、わが家もどうかと思っていましたが、どうにか今年の夏は厳しかったのですが、クーラーなしでどうにか過ごせました。
                                                 
  6. 空気環境 
    構造材、下地材、仕上げ材とも室内環境を害するものは出来るだけ使わない方がよいのに決まっています。シックハウス症等の症状をテレビ等で見ましたがその症状も大変な事ですが、それが夢のマイホームによってなんて、なんとも割り切れません。原因のひとつに、建材、接着材、防腐材等でありますが、今は、メーカー、建設会社、職人さんとも、気をくばっているのが大半でしょう。また、自然素材、珪素土塗り壁、檜や、杉のムクの材料等の使用はなおさら、安全です。それより、一番心配なのが、住み手の住まい方です。計画換気システムなら問題ないと思いますが、どんな構造でもサッシ等の性能アップ、気密住宅が増える中、当然RC住宅はコンクリート一体構造ですから、特に換気に注意して住まなくてはならない。人は酸素を吸い、二酸化炭素、水分等を排出するのですから。そんなことを考えると昔のすきまだらけの住宅が安全なのでしょう。我が家は換気システムの予算なし、安くて、空気が悪くなったら、湿度が高くなったらそれらを感知して、温度のロスナイないでしょうか。検討中です。ですから、地下の小さな換気扇は24時間回しています。それより家具です。通販で娘は気に入った収納つきベットを買ったのですが、いつまでも鼻のつく匂い、頭が痛いというので、他の部屋に1ヶ月非難しましたが、おさまりません。返品は認められましたが、高い運送費はこちら負担、せっかく通販が便利でよいと感じていたのに、残念。家具の購入にも注意必要です。
                                               
  7. 光、視環境 
    建築の設計をやって、良く言われるのは、サッシ、開口は大きく、断熱性はよく、高気密、音にも気を使ってね。この項目でまとめるつもりありませんが、その他構造の安全も大切なことです。そしてコスト。よく考えてみてください。大まかに言うと木造、RC壁式構造、2x4の開口部は小さい方が、構造の安全性は高くなるが、大きくなると、それよりも悪くなる。また、大きくなったり、数が増えると、断熱性、気密性、遮音性、耐火性能等が、落ちる。相反する性能をバランスよく考えることが、一番難しく、構造体を意匠デザインにうまく取り入れたり、温熱環境にもよい結果をもたらすなどのアイデイアが必要とされます。間取りから、住宅が出来て窓に外に何が見えるのか、隣のどの位置にくるのか、隣の美しい庭が見えるのか。周りにも配慮をして、間取りの検討と同時に考えるといいですね。外部に窓がなく、中庭(光庭)で考えても、トップライトで光を採ってもいいですね。一つ書きたいのですが、あるモデルハウスを見にいったとき、自信有りげに説明をしてくれるのですが、この吹き抜けの窓どうやって掃除するのと質問したら、返事かえってこないことがありました。項目と関係ありませんが、高い窓等は内はずし可能な仕様、吹き抜けのまど、トップライトの窓、点検、清掃も考えなくては、後で大変です。
      
  8. 音環境  
    住宅では、 窓サッシ等の遮音性能が大切ですが、周りの音が入らないという事は、なかなか大変なことなのです。わたしが、パソコンで文章を考えている中、前の家はリフォームの大工さんの金ずちの音、宅配便のトラックの音等聞こえます。地下に3分の2埋まっているのにそうなのです。地下でも明るくしたいので、ドライエリア、サッシ等必要な明るさを確保したせいですし、換気扇の穴等だって音は入ってきます。音は外部でも反射したり、回ってきたりします。前に朝の新聞配達さんのバイクの音の事で、対策がされたのに、うまくいかないからどうにかならないかと相談された事がありました。壁はALC38mm、サッシはペアガラスに取り替え、その上内部に木製戸の取り付け、まさに完璧でした。しかし、まだ収まらないとの事。見にに行ってびっくり、道路側ではなく、音は迂回、反射をして、対策面の反対側の大きなサッシの開口より聞こえてくるのです。RCマンションでも、上下の音、隣の音、対策方法はいろいろあると思います。遮音性が高いマンション、RC住宅でも、近隣、家族に気をくばりながらの生活は必要でしょう。先の新聞配達屋さんの件、電動バイクを新聞屋さんに贈呈した方が、経済的だったかも。私も古い家で夏小窓開放で寝ていましたが、他にも早朝どうにならないかと思う人多いと思います。それと、RC住宅の内部打ち放しコンクリート仕上げの場合音の反射が起きます。地下の居室は打ち放しが8割なので、天井には、学校の音楽室で見た吸音ジプトーンが貼ってあります。この材料安くて、非常にかわいらしい表情をもっています。
                                     
  9. 高齢者等のへの配慮 
    段差の解消、階段の勾配、手摺の設置、出入り口の幅どんな構造でも配慮しなくては、なりません。エレベターの設置ができれば、よいに決まっています。また、浴室のほか台所キッチンセットも高齢者等に配慮した物が出回っています。どんな構造でも配慮はできますが、RC住宅壁式構造の場合壁等コンクリート部分は、出来てから壊す事が大変です。将来に対応するというよりは、できるだけ間取りの限定をしないように計画しなくてはなりません。鉄骨構造、RCラーメン構造は柱が構造体てすので、構造体だけ残し全面改装も可能です。2x4や在来木造構造も壁で地震等外力に耐えるので、なかなかまったく別の間取りには対応できません。構造により特色がありますので、いろんな状況を想定し、住宅の場合でも家族構成の変化に対応できるようにするのが、大きな意味での配慮でしょう。わがRC住宅では、1階が地面より1mくらい高いので、アプローチは階段ではなく、スロープとしました。すこしきついスロープですが。手摺は、日曜大工で検討中です。エレベーターは考えましたが、対応するようになっていません。コスト優先で将来つけが回ってくるかも知れません。一つ付け加えたいのが、高齢者の浴室での事故です。裸で冷えた浴室に入り倒れたり、すべったりの事故です。浴室乾燥機や、手摺、滑らない床大切ですね。また朝起きて家が冷え切っているもの、体に悪いですね。RC住宅に限りませんが、雑誌等で高断熱、高気密住宅でリュウマチが治ったと書いてありました。直らなくても、いたく感じないだけでも、すごいと思います。
                                                                           
  10. まとめ 
    私は、色々な構造の住宅の設計をやって、来ましたが、その土地の地盤状況とコストから建て主はRC住宅を望みましたが、木造2階を提案し、設計したこともありました。また、一階に2台の車庫を必要とする場合は建て主と鉄骨構造を選択し、店舗併用住宅では、鉄骨構造。賃貸住宅では、事業採算性から木造、RC構造とその時代背景、コスト変化等考え設計してきました。RCの特徴として考えていることを書きましたが、それぞれの構造の持ってる特徴をいかし、設計し施工することが大切と思っています。今回のRC住宅は建て主の要望を満たすために、RC住宅が好きだけでなく、どうしても鉄筋コンクリート構造でなくては、できなかったからなのです。地下をつくる、屋上をつくることしか、要望を満たすことができないと思ったからなのです。 
                  
    注)上の10項目について、書き加えたり、書き直すことがあると思います。またコストについては、別のリンクに書き足したいと思っております。