建築における単価について--私の思い
はじめに オープンシステムの仕事をするにつれて、作業の単価の意味を考えることが、多くなりました。キッチンや、建築材料の価格は、アウトレット商品や、インターネットの購入価格は例外として、ほぼ流通価格や、建材屋の仕入れの価格と販売価格は、分かってきました。次が、それらの材料で家をつくる作業の単価や金額の話になります。家にかかる全体価格の話でないので、関係ないと思われるかもしれませんが、建築価格を知る上で、大切なことです。例えば大工さんが3ヶ月現場にきたらいくら請け負い会社が大工さんに払っているかわかりますね。追加であまった材料で本棚を現場でつくったらいくらぐらいか想像できますね。
職人さんは
一日いくら
基礎工事や大工工事、左官工事、タイル工事、板金工事、内装工事、設備工事、電気工事の作業単価を考えてみます。単価の要素として、各職人さんの日当や、月給があり、作業に何時間、何人工かかるかにより、作業単価が見えてくると思います。しかし、それ以外に職人さんと社長さん兼任か、経理担当がいるのか、電話番の方や、営業担当がいるかどうかの経費が分かってはじめて、作業単価が言えるのでのです。前に職人の給料が、銀行の課長さんぐらいならいいといいなと思ったが、その金額では、現在の社会情勢からしてむずかしそうです。そうすると、働き盛りの30-40歳で月50万から60万をえると年間600万から、720万。月25日で日当2万から2.4万は、必要かなと思う。設計士の私は、もっと少ないけれど、子がいて住宅ローンがあり、多少の貯蓄、道具も必要でしょうし、車もいる、ガソリン代、保険等含めれば、少ないかもしれない。仮に職人さんモデルとして、経費含め25,000円/日と設定しましょう。職人さんでも早くてしっかり仕事をこなす人、丁寧で時間をかける人、経験があったり、人の真似ができない技術をもっている人を同じに考えるのは、いけませんが、水村が勝手に考える数字です。大工さん、板金屋さん、左官屋さん、タタミ屋さんは、把握できるのですが、電気屋さん、設備やさん、内装屋さん、ペンキ屋さんは、事務員さん、社長さんがいる場合ですが、社員さんに25,000円X25日=625,000円払っている訳ではないので、給料が30万(ボーナス込み)なら間接経費は32万程が月当たりの経費になるのでしょう。各会社で事情が違いますが、あくまで、私の考えです。
私の思う単価 よって、上記25000円で各作業を一日どれくらいできるかで、作業単価が見えてきます。左官屋さんが、一日で50m2できれば、作業単価500円となります。2回塗りの場合手間が1000円ぐらいと想像できます。早い人、遅い人、難しい材料などにより違いますが、ここでは、考えません。その作業単価に材料の単価を加えると、材工単価(材料と工賃)ができます。これが適正単価を算定する根拠です。
職人さんから聞く話 なぜ私が、このように価格や、単価を考えるかの説明をします。よく職人さんが、良心的に見積もりをしたのに、なんの根拠もなく値切ったり、支払い日に現金を前に減らされるという話を聞くからです。施主さんからは、前金でもらっているのに、業者さんには、手形や、半年後、さらに値引きです。同じ市内の有名会社もそうだと言っていました。。私は職人さんの生活をどうこう言う立場ではありませし、そんな会社の仕事をやめればとも思います。やめれない事情を詮索するつもりもありませんが、施主さんが適正価格で発注できるために、考えます。施主さんからすると、職人さんより、ローンを組む施主さんにとって安いほうが良いと反論があるかもしれませんが、これらの単価の話は、会社と業者の間の話で、そのような会社は、私の言う適正価格などの論理など考えませんから、施主にも逆に根拠のない高い価格を平気で提出すると思います。私は、施主の払う適正価格は、家をつくる職人の生活費から検討するべきだとおもいます。提案力や他には無い技術力を持つ会社は、職人さんの手間代金をダンピングするべきではないと思います。
おのづとてきる適正価格 一戸建ての住宅において、工務店等の発注価格は、分かり始めました。職人さんが損をしない価格、施主さんが、損をしない価格。設計士が動けば、うまく現場を納められれば、できることが、分かりはじめました。材料ではないので職人さんの価格は現場での作業性にかかわります。職人さんの手戻り、間違い、工程管理がうまくいけば、損はしないですみます。設計士がうまく動くと職人は適正価格で仕事をしてくれます。材料屋さんは、発注ミスや見積もり落としが無いかの確認、納入時期の間違いなどなければ、リスク負担を上乗せしません。その価格に私の動く、設計する作業の価格を入れても、施主にメリットを生むでしょう。ここで、余談ですが、見積もり数量も設計士がきちんと把握することが、必要条件です。
まとめ 上記のことは、現在の私の独断で書いておりますが、もっと経験を積むと変わるかもしれません。現在分離発注でリフォームを手掛けておりますが、これまた世間のチラシ単価を見るにつれて、私自信驚いております。確かに古い家のリフォームは見えない部分がありますし、リスク負担もあるでしょう。住みながらの工事ですし、物の移動も大変な作業です。相談があったとき設計士が入って価格で施主さんに負担になるのではないかとも思いましたが、見積もりをはじめてから、間違いに気づきました。建築雑誌やいろいろな情報で?割は儲かると書いてありましたが、うそではないと思うようになりました。私も職人も儲けようなどと思っておりません。施主さんに適正な価格で仕事をし、喜んでもらえるようにと思っております。工事が終わっておりませんので、感想は後日にします。大手建築会社もリフォーム参入しておりますが、設計士、リフォームを適正価格で分離発注もいいかもしれません。
追記
それと、価格でのお願いがあります。建築での坪単価での評価は、誤解を生むので、やめましょう。仕様や、工事範囲で違ってきます。例を上げると空調工事あるなしで、坪単価は2万かわります。キッチンも物により1万から2万、2世帯住宅は、設備費が倍ちがいます。外構工事も外壁も仕様により倍の違いがでます。建設会社の高い、安いは、同じ仕様の単価で評価しましょう。坪5万の差はすぐに条件により違ってきます。しっかりした良心的工務店やハウスメーカーを坪単価での評価することは、お互い誤解を生じてしまいます。