富松君(3)の近況


 富松です。まだ名古屋で保険代理店とITの仕事を息子と二人でやっております。
 趣味はヨットとテニスで毎週楽しんでおります。このゴールデンウィークは陸路の混雑を避けて、ヨットで知多半島から三重県の的矢湾までクルージングしました。その時の写真をご紹介します。

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もはや二枚目ではない私の現況です。



途中三島由紀夫の小説で有名な神島をバックに海の猛者たちです。

的矢湾の光景。下に私たちのヨットがみえます。
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  富松君(3)からの報告 平成22年12月08日

 お元気でお過ごしのことと存じます。先月コレヒドール島へ行ってきました。
 私の印象は、ほとんどの訪問客がフィリピン人だったことです。彼らに取っては迷惑な話だったはずですが・・・何故か今、歴史の勉強が流行しているのだそうです。

 私は戦争の遺跡以外に何もなくて生活も無いこの島へ行く人は十数人もいるのかなあと思っていたのですが、なんとそこへ行く船には600人もの観光客で満員でした。しかも、そのほとんどがフィリピン人なのです。

 もっとも、マニラからの往復料金が5000円以上かかるので、富裕層ばかりのようでしたが。モニュメントも日本・アメリカを同等に扱われているのが印象的でした。フィリピンという国の歴史が他国の占領の歴史でもある哀しさをちょっと感じました。
 戦闘図の左端には戦艦大和の砲弾も置いてありました。戦艦大和はここに来た後、沖縄沖まで引き返して本土防衛の犠牲となったようです。
 たまたま同じシャトルバスには名古屋のロータリヤンとその被招待客のフィリピン人が一緒でした。

 当時の日本海軍が使用した自爆小型船の図解もありました。私は神風特攻隊だけだったかと思ってましたが・・・
 現地で会ったフィリピン人は日本が勝ってくれた方が良かったと言う人もいました。
 どうしてかと尋ねると、アメリカ人の真似をして男が怠けるようになった、日本人は毎朝8時前から毎晩9時頃迄働いて、今日の繁栄がある。と言うのです。

富松 興一 拝 (3)

@マニラから50q沖のマニラ湾入り口にある要塞島、コレヒドール島

A日本軍が陥落させた時の記念写真、皆さん若いですね、年月日は読み取れます

B島内見物用のシャトルバス20台に分乗、名古屋のロータリヤンと被招待者が一緒でした

C写真Aと同じ大砲です。このような大砲は島内各所に沢山残っています

D島内にある太平洋戦争記念館内の展示物のひとつ、軍刀が生々しい感じでした

E戦艦大和の砲弾の実物、その大きさにびっくり、小さい方が普通の戦艦の砲弾

F米軍巻き返しの後フィリピンで降参条約を結ぶ山下将軍

G島内唯一のホテルでの昼食風景

HI shall returnを実現して凱旋するマッカーサー将軍像

I日本海軍が使用した特攻隊用挺を震洋挺と言ったそうです、多くの日本軍人が亡くなっています

Jマニラ港からの往復の船内光景、600人満席でほとんどが私どもが大変ご迷惑をおかけしたフィリピン人でした

 
 森幸博君のブロック工場完成

 かねてから建設中であった森幸博君のブロック工場が完成しました。久留米市工業団地第2広川地区で7000坪の広大な敷地に立地しています。材料の搬入から製作ストックまで全て自動化された素晴らしい工場です。おそらく日本では最新鋭の工場だといえます。これまで手仕事・力仕事の代名詞であったこの種の工場が全て自動化されて殆ど人の手を煩わすことなく製品に仕上がっています。
 文責 今村瑞穂

 7000坪の広大な敷地です。

  ブロックの原材料置き場。

  砂とセメントと水を練り混ぜる。

 練り混ぜた材料はこの型枠の中に。

  型枠に振動を加えて

 成型したブロックを右側の養生室に移す。

 一日後、出来上がったブロックを養生室から取り出す。

 製品をストック場に運搬する。
  
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 出来上がった製品の山。
 11月26日新工場の新築落成祝賀会が久留米のハイネスホテルで盛大に開催されました。

 式辞を述べる森社長

  社員と共にある社長夫妻

 社員一丸となっての決意表明
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  3月4日 FBSで紹介された川島夫妻

 3月4日夕刻、何気なくテレビを見ていると見たことのある人が映し出されました。川島政則君のステンドグラスの制作風景でした。慌ててカメラを持ち出し撮影しました。写真はあまりいい出来ではありませんが紹介致します。紹介によると制作の可成りの部分を奥様が受け持っておられるとか...

  青木範充君(9)を訪ねました。    今村瑞穂

 11月18日熊本県人吉市まで出向いたついでに、近くの球磨郡公立多良木病院で地域医療に携わっている青木範充(9)君を訪ねました。顔を見るだけ挨拶だけのつもりで話を持ちかけたところ、「温泉にでも泊まって行かないか。」との提案に乗って近くの町の経営する保養施設「湯楽里」(ゆらり)に宿泊しました。
 温泉とご馳走を堪能しながら、仕事のこと、友達の消息、これからの人生をどのように生きていくか等々、時間のたつのも忘れて夜遅くまで語り合いました。
 翌日は午前中のスケジーュルに若干の時間的余裕がありましたので、青木君の案内で相良藩の史跡等を見学いたしました。
 別れ際には特産の球磨焼酎をお土産にいただき、夕刻には無事帰宅。お陰様で願ってもない癒しのひとときを得て、命の洗濯が出来ました。感謝感謝の充実した2日間の旅でした。

 青木君の勤める球磨郡公立多良木病院

 湯楽里(ゆらり)に泊まりました。

 重要文化財太田家住宅

 重要文化財城泉寺の前で

 地元の管理人さんと語る青木先生

 名峰市房山を背景にして(逆光?)
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    大相撲九州場所

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        辻 和武君の野草写真

 この写真集は辻和武君がHPの一ヶ月毎表紙用に提供してくれたものを更新の都度とりまとめて整理したものです。
 

カンザキハナナ(寒咲き花菜) アブラナ科
 花期 冬から初春

 鮮やかな黄色の花が真冬の大地を彩る。蜂たちは蜜を
求めこのお花畑を飛び交う。
 蜂たちが見る菜の花畑の世界は、私たち人間には想像
もつかない、素晴らしく美しい世界であろう。
  食用に、観賞に、養蜂に栽培される。
    辻 和武(2)
 キバナアキギリ(黄花秋桐) シソ科 花期8〜10月

  唇形で美しい淡黄色の花はよく目立つ。上唇から突き出た赤い糸状の器官は、先が二つに裂けた 雌しべで、下唇の両端にある二つの赤い斑点と共に、虫達を誘惑するネオンサインなのだろうか。ついレンズを向けたくなる。 
 仲間に、落葉高木の桐の花に似て、秋に咲くアキギリがある。これにそっくりで、淡黄色の花を咲かせるのがキバナアキギリである。
   辻 和武(2)
2 クズ(葛) マメ科  花期 7〜9月

  クズが伸びる勢いは凄い。あちこちの空き地や林縁を
覆い尽くしてしまう厄介者である。
 しかし、以前は根から澱粉を採り、蔓を編んで籠を作り、
皮の繊維で布を織った。万葉集にも登場する秋の七草の]
一つである。
 甘い香りを持つ蝶形の花を下から順に咲かせる。花言葉は
「恋のため息」とか。

   辻 和武(2)
3 マルバスミレ(丸葉菫) スミレ科 花期4〜5月

  スミレは世界中に多くの仲間を持つ。日本でも学名があるだけでもその数は250種ともいわれている。
 自然交雑 種の多いスミレは、我々素人にとって種名を同定するのに頭を痛める野草の一つである。丸みのある葉とふくよかな純白の花は、素朴で美しくついつい頬ずりしたくなる。
 本種は日本全国に分布し、稀に淡紅紫色を帯びた花に出
 会うことがある。
   辻 和武(2)
4 ササユリ(笹百合) ユリ科  花期7〜8月

 花は横向きで、花弁の先が少し反転する。全体が
淡紅色で綺麗な花。
 九州では極稀である。強い芳香があり、遠くからでも
その存在を知ることができる。葉が笹の葉に似ることからササユリ。
 他の百合よりも早く咲くことからサユリとも言われる。
   辻 和武(2)
5 ツクシキケマン(筑紫黄華鬘) ケシ科  花期3〜6月

 キケマンとは、黄色い花が咲くケマンソウ(タイツリソウ)の事で、九州地方に産する物をツクシキケマンという。
 本種は、海岸沿いの低山、草地に生え、筒形の黄色い花を沢山つけたその姿は人目を引くが、折ると悪臭がある。
 ケマンソウとは、花の形が仏像の華鬘に似る事からついた名前。 写真は、海辺の花を求め佐賀県肥前町に行った際出会った花である。
   辻 和武(2)
 6.フクジュソウ(福寿草)キンポウゲ科  花期 2〜4月

 二十四節季の一つ、立春や雨水の頃になると、くじゅう山系の
落葉樹林の中でフクジュソウが花を咲かせる。
 早春に黄金色の花を咲かせるおめでたい花だから「福寿草」の名
をもらった。また旧暦の元日頃花を咲かせるので「元日草」の別名を
持つが、可哀相にも毒草である。
 いよいよ花のカメラマンにとって楽しい季節の到来である。

  撮影と解説 辻和武君(2)
 7.花の名は、オオイヌノフグリ(大犬陰?)ゴマノハグサ科 
  花期 3月から5月 撮影地 久留米

(説明)
 3月に入るとすぐ啓蟄。虫達が盛んに活動を始める季節です。
 アリさんの目になって写真にしました。明治初期にヨーロッパから渡来し、早春からコバルトブルーの美しい花を咲かせるなじみ深い帰化植物です。
 実の形が雄犬の陰?(ふぐり)に似ていることからイヌノフグリの名をもらいました。そして、仲間のタチイヌノフグリに比べて花や草丈が大きいので「オオイヌノフグリ」となりました。
 日本在来種の「イヌノフグリ」は花がピンクでやや小形、山地の路傍などで稀に見ることができます。

      辻 和武(2)
 8.桜の花も見頃を迎えました。
 くじゅう、阿蘇方面では、早春の花「ユキワリイチゲ」「アズマイチゲ」
がいじらしいほど一生懸命咲いていました。遅くなりましたが、4月の花
写真を送付します。

※ 花の解説。
 ジシバリ (キク科) 地縛   別名イワニガナ (岩苦菜) 
 草丈10センチ内外の多年草
 花期 4〜7月

 各地の畦道から日当たりのいい路傍に生える。淡黄色の優しい花は、
私達の目を楽しませてくれる。地を這って根を下ろして群生する様が
地を縛るように見えることからジシバリ。
岩の小さな隙間にも根を下ろし生えるのでイワニガナの異名をもつ。
仲間にジシバリより大きいオオジシバリ。浜辺に生えるハマニガナがある。
   辻 和武(2)
 9.オオハンゲ(大半夏) サトイモ科 花期 5〜8月

 ひも状(付属体という)の物が飛び出しているところが頭巾に見え、仏様の後ろにある炎の形をした装飾に似ることから仏炎包(ぶつえんほう)という。

 これは花ではなく包という葉が変化したもの。仏炎包の中の下部に、小さな多数の花が棒状になって収っている。似たものにカラスビシャクがある。
 仏炎包が柄杓に似て、人間が使うものより小さいから、カラスの名を借りてカラスビシャク。

 別名の半夏は漢方での呼び名。
 本種はカラスビシャクより大きいのでオオハンゲという。カラスビシャクは小葉が3つにはっきり切れ込むが、オオハンゲははっきりと切れ込まない。
 
    写真と解説  辻 和武(2)
 10. 6月の花写真をお送りいたします。

花は「ハナシノブ」(ハナシノブ科)花忍です。

「ハナシノブ」は、日本で阿蘇の草原でしか見ることができない薄紫
色をした可憐な花。
最近は自生の花を見つけるのが難しくなり、環境省は絶滅危惧種に
指定しています。
昭和48年、当時の美智子妃殿下が、優しい気品を漂わせるこの花を
ご覧になり、感嘆されたという話は有名です。毎年6月、熊本県高森町の
休暇村南阿蘇に併設されている「阿蘇野草園」の一隅で「はなしのぶ
コンサート」が行われています。
この音楽祭は、阿蘇の花たちに捧げる音楽祭で、昭和56年から
始まったそうです。
 
  写真と解説 辻 和武(2)
 

  11. 7月の花

 解説   ホソバオグルマ(細葉小車)はキク科。

 茎の先端に頭状に咲く花は一つの花のように見えるが、柄のない多数の花が密集したもの(頭状花序)。
 周りにあるのが舌状花。中央にあるのが筒状花の集団。どちらもちゃんと雌しべ、雄しべがある。
 オグルマより葉が細いのでホソバオグルマ。仲間に、4月から咲くサワオグルマ、オカオグルマ等がある。
 名前は花の姿が牛車の車輪に見えることから。
 写真は熊本県波野村の荻岳で撮影したもの。

 写真と解説
    辻    和  武 (2)
 12. 猛暑の日々いかがお過ごしでしょうか。暑中お見舞い
申し上げます。

 8月の花 ミズタマソウ(水玉草) アカバナ科  花期 8〜9月

 全国の山地や野原の木陰で見られる野草で、花は白くて小さく
(花径3〜5_)目立たない。
 ただ、花弁やがく片が2枚で、雄しべも2本と2を基本数とする
珍しい種である。
 花後、がく片の下にある子房が、かぎ形に曲がった毛が生えた
球形になり、これに朝露がつき水玉のように見えるとこからミズタマソウ。
 この曲がった毛が生えた実(子房)が動物や人の被服について
広く散布される。
   辻 和武(2)
 13.  タンナトリカブト(耽羅鳥兜) キンポウゲ科 花期9〜10月

 全草に毒あり。特に根には猛毒がある。トリカブトを使った殺人事件もあった。
 新芽がニリンソウやヨモギ等に似て、誤採集、食し中毒死したことも時々報道される。

 単にトリカブトという野草は自生しない。タンナトリカブト、ヤマトリカブトなど日本にあるトリカブト属約40種を総称した名。

 かって北半球の民族の間ではこの毒矢で狩等をしていた。この猛毒も漢方では「烏頭」と称し神経痛等の薬に使う。ただ素人の使用は禁物である。
 名は、花の形が舞楽の伶人が着ける冠の「鳥兜」に似ていることによる。
    辻 和武(2)
 14. シマカンギク(キク科) 島寒菊 別名 油菊  花期 10〜12月

 日本では、自生種、帰化植物あわせ、500近い種類の菊が咲き乱れる。
その一つに西日本の山野に自生するシマカンギクがある。

 名の由来は不明である。寒い冬も咲いているので寒菊ということは
多くの学者が認めるところであるが、命名者は何故か頭に島をつけた。

 本種が島と関係がない低山、山麓を好むことから、植物学者の
故牧野富太郎は名前がおかしいと「アブラギク(油菊)」の名をつける。

 この花を油につけたものを「油菊」といい、江戸時代には火傷や
切り傷の薬に使った。

 寒菊が咲き、やがて寒露。そして下旬には霜が降り始める。


                辻    和  武
 15. ヤマノイモ(ヤマノイモ科) 山芋。 花期は7〜8月。

 11月に入るとすぐ立冬。暦の上ではいよいよ冬である。野山の木々も色づき、人里ではノコンギク、シロヨメナなどの野菊の仲間が可憐な彩を競い合う。
 林縁にむかごと果実をつけたヤマノイモの蔓が下がっていた。果実はやがて熟し、ひれ(翼)がついた種子は風に飛び散る。別名を自然薯とかトロロイモ、単にヤマイモとも呼ぶ。

 若葉は生のまま天婦羅に、茹でて酢味噌で和え物に。根はとろろ汁の原料とされむかごも食用に利用される。根には滋養、強壮の薬効がある。店頭に並ぶナガイモは仲間の栽培種である。

 写真と解説 辻 和武(2)
 
 16.フユイチゴ(バラ科) 冬莓  花期 5〜6月  果実期 11月〜1月

 12月7日は大雪。いよいよ冬本番。
山の木々は眠り、野の草は息を潜める。
色を失った野で、真っ赤な実をつけるフユイチゴ(冬莓・冬苺)は5〜6月頃
五弁の白い花を咲かせ、晩秋から1月にかけて実をつける
常緑つる性の小低木。

 熟した実は美味しく、生食、果実酒に使われる。
この季節の撮影では、真っ赤に熟した実を摘んでは口に入れ、
自然の恵みに感謝しながら山野を歩いている。

 ちなみにこの種の他、よく見かけるナガバノモミジイチゴ、クマイチゴ、
クサイチゴ等は木で、ヘビイチゴ、オヘビイチゴの仲間は草である。
多くの木イチゴは夏に実をつける。

この1年、野の花たちとお付き合いいただき有難うございました。
皆様御健康に御留意の上、よいお年をお迎え下さい。
   
 辻 和武(2)
 17. ユキワリイチゲ (キンポウゲ科) 雪割一華  花期 2〜4月

 34会のみなさん、新年おめでとうございます。今年も野山の花たちとお付き合いいただくことになりました。 宜しくお願い致します。

 やはり、正月は雪が似合う。「雪」がつく花の一つに「ユキワリイチゲ」がある。
 雪を割って一輪の花を咲かせるという事で「雪割一華」の名前が。
 しかし、くじゅう黒岳山麓では雪のない3月上旬頃から咲き始める。
 秋に芽生え、凍てつく長い冬を越し、早春に淡いピンクの花を咲かせる。
 それは、清楚な乙女の恥じらいのようにも見える。
 この頃になると、アズマイチゲ、フクジュソウなどの春を告げる花が次々と開花し、山行く人々の目を楽しませてくれるのである。
 ちなみに、ピンク色の花弁のように見えるのはがく片である。
    辻 和武(2)
 18. カラスノエンドウ(マメ科) 
 烏豌豆 別名ヤハズエンドウ 花期 2月中旬〜6月

 農村の空き地、道路、堤防、町の草薮等で普通に見られる。
 ソラマメ属の一年草。
 マメ科特有の蝶形の美しい花を咲かせる。
 仲間にやや小形のスズメノエンドウがある。

 カラスより小さいので雀の名がついた。
 この二種の自然交雑種で綺麗な小さい宝石のような花を、
長い柄の先にちょこんと咲かせる種がある。
 カラスとスズメの間(マ)の子だからカスマグサとユニークな名を持つ。
 この三種は花の付き方、花柄の長さ、托葉、種子の数などで
見分けることができる。

 ちなみに、人間が使ったり、食べたりする物より大きいものにオニ、
小さいものにカラス、カラスより小さいものにスズメ、更に小さいものに
ノミ等が植物の命名に使われる。
   辻 和武(2)
 19.  3月の花  キュウリグサ(ムラサキ科) 胡瓜草 花期3〜5月

 暦の上では、虫たちが這い出す季節。道端の草地や田畑の周りでは、「星の瞳」とか「キャッツアイ」等の別名をもつ「イヌノフグリ」やピンク色の細い筒型の花を咲かせる「ホトケノザ」等が咲き競っています。

 これからいろんな花が次々と咲きだします。葉や茎を揉むとキュウリの香りがする草があります。淡青紫色をした花径わずか2_程の花を咲かせる「キュウリグサ」です。先が渦巻き状に巻く花茎に多くの花を咲かせます。可愛い花です。淡青紫色の花弁とその外皮のピンク色を絞り開放でソフトに撮影してみました。

     辻 和武(2)


 20. 4月の花  ジロボウエンゴサク (ケシ科) 次郎坊延胡索 
         花期4〜5月

山村の林縁、草むらに生える草丈10〜20センチの繊細な草で、
紅紫色で長い尾っぽを持った唇形の花は可憐で実に神秘的で、
思わず口づけしたくなる花の一つである。

この尾っぽを「距」という。この草の名前の由来が面白い。
伊勢地方でスミレの事を「太郎坊」、本種を「次郎坊」と呼び、
それぞれの距を引っ掛け引っ張り合った。

中国では、本種の仲間の根を乾燥させて作った生薬を
「延胡索」という。
命名者は、伊勢地方の「ジロボウ」と中国の「エンゴサク」を
合体させ和名とした。
    辻 和武(2)
 21. サクラソウ(サクラソウ科)  桜草  花期 4月〜5月

 「ヤマザクラ」に似ているから「サクラソウ」の名前があるこの花は、山地の渓流沿いの湿地や低地の肥沃な河川敷に生える多年草。

 「ヤマザクラ」は5枚の花弁が離れている(離弁花)のに対し、「サクラソウ」は5枚の花弁がくっついている合弁花であり、花びらがひらひら散ることはない。江戸時代から人々の心を捉え続けた美しさゆえか、今なお盗掘が続き絶滅の危機に晒されている。

    辻 和武(2)
 22. オオヤマフスマ (ナデシコ科) 大山衾  
         別名 ヒメタガソデソウ(姫誰が袖草) 花期 6〜8月

 山々の緑もいよいよ濃くなり、梅雨前線が北上始める季節。
 山地の草原や林縁の草叢の中で、ひと際目立つ小さな5弁花の白い花
を咲かせるオオヤマフスマ。草丈10〜20センチ。

 花弁は4〜5_程。同じナデシコ科のノミノフスマに似て、より大きく
山に自生することからオオヤマフスマの名を。 

 ノミノフスマのノミは蚤。フスマは衾で夜具のこと。
対生する葉を蚤の夜具に見立てた。

 蚤と同じように、動物の肌にくっついて血をすう小型の
昆虫虱退治とかで、白い粉を頭髪に振り掛けられた女の子達と学び、
遊んだ遠い昔の日々を思い出した。
  
    辻 和武(2)
 23. アキノウナギツカミ (タデ科) 秋鰻?  花期7〜8月

これから秋にかけて湿地や水辺などを歩くと、淡紅色で半開した小さな花のか
たまりをつけた草に出会う。

葉は細長く柳の葉に似て、その基部は茎を深く抱く。
あまりの可憐さに思わず手を出そうものなら少々痛い目にあうかも。

茎には下向きの小さな刺がびっしりつく。茎丈1メートルにもなる1年草。
素人が鰻を?もうとしてもぬめりでなかなかつかめない。ぬるりと逃げられてしまう。
刺があるこの草を持てばつかめる。

しかも秋にかけて咲くので「アキノウナギツカミ」の名が。
 
   辻 和武(2)
 24. イチビ (アオイ科) 別名 キリアサ(桐麻) ヒナワギリ(火縄桐)など  
 花期 8〜9月

 この時期、街から離れた人家近くの荒地や田畑の中を歩くと、草丈が150
センチ程もあり橙黄色の美しい花をつけた「イチビ」を見かける。
 アオイ科の花は大型が多いが2センチ前後と小さい。江戸時代まではよく
栽培され、強靭な茎の皮から繊維をとり、縄を作りまた布を織った。
 その後見捨てられ逸出したものが野生化した。
 名は、実が半球形の板状のため「板実」が訛ったとか、火口(ほくち)に
 イチビの茎の芯を使ったため「灯火」から転じた等の説がある。
   インド原産の帰化植物。 
    
     辻 和武(2)
 25. ベンケイソウ (ベンケイソウ科) 弁慶草  花期 8〜10月

 茎頂に花弁わずか5〜6ミリの淡紅色花を散房状に密生させるこの花、特に目立つ固体ではないが、その姿はぽってりしていて愛らしい。
 しかし名は似ても似つかぬ「弁慶草」。気の毒な気もするが、葉が多肉質で、切って放置してもなかなか枯れず、また土に挿すと発根する強い生命力を持つことからついた和名である。花言葉は「静」「穏」。
 本草は薬草として解熱、解毒、傷薬などに用いられる。九州では長崎、熊本でその自生が報告されているとのこと。
 ちなみに写真は南小国町マゼノ渓谷で撮ったものである。
 辻 和武(2)
  
 26. シロバナサクラタデ  (タデ科)  白花桜蓼   花期 8〜10月

夏から秋にかけ畑地、路傍あるいは水辺や湿地でさまざまな蓼の
仲間が咲き競う。
子供の頃ままごと遊びに使った「赤のまんま(イヌタデ)」。
蓼食う虫も好き好きと言われながら、刺身のツマに使われる辛い
「ヤナギタデ(別名ホンタデ・マタデ)」。
タデ科の中でも大きい淡紅色の美しい花を咲かせる「サクラタデ」。
この桜蓼に似て、白い花をより密に咲かせる「シロバナサクラタデ」
等々よくよく観察すると久留米でも多くの蓼の仲間に出会える。

     辻 和武(2)
  27. リンドウ (リンドウ科) 龍胆・竜胆  花期 9〜11月

 霜枯れの野に咲く晩秋の代表的な花「リンドウ」。鮮やかな青紫色の花は人目を引く。

 花期は9月から12月初めまでと長い。同属に「ハルリンドウ」「フデリンドウ」「コケリンドウ」など。
 リンドウ科の花は雄しべ先熟形。雄しべが花粉を放出後雌しべが熟し虫たちから他の花の花粉を貰って子孫を残す。
 自家受粉を避ける植物の知恵である。
 生薬「竜胆」は本種の根を粉末にしたもので健胃に服用される。
 花言葉は「寂しい愛情」「貞節」「誠実」。

   写真と解説 辻 和武(2)
28.マムシグサ(サトイモ科)  蝮蛇草  花期 4〜6月  
                 果期 晩秋〜仲冬

 春、湿った林内や山の木陰、草地を歩くと、仏像の後ろにある光背に似た葉
(仏炎苞)をつけたマムシグサによく出会う。
 マムシが舌を出した姿に似て、茎の表面のまだら模様もマムシに似る。
仏炎苞の中を覗き込まないと花を見ることができないが、晩秋から仲冬にかけ
赤く熟した液果が見られる。
 花の姿も気持ち良いものではないが、薄暗いところでこの液果に出会うと
一瞬どきっとする。

     辻 和武(2)
  29.ホトケノザ(シソ科) 仏座  花期 3〜5月

 春回芳草呈新緑  香到梅花是隔年

 新年おめでとうございます。又もや春が回って来て美しい草たちが緑の葉を出し、やがて梅の花も咲く季節になりました。

 ホトケノザは2年草で秋に芽を出し、早いものは秋から花を咲かせる早春の花の一つである。緑一面の中に紅紫色の花が散りばめられると美しい。
 
 葉が対生し蓮華座に似て仏の座の名が。春の七草のホトケノザはキク科の
コオニタビラコで美味しいが本種はごわごわして食べられない。
 
 濃赤紫の蕾のまま自家受粉してしまう閉鎖花を併せ持っている。
 これも多くの子孫を残すための知恵とか。

  辻 和武
30.ノゲシ(キク科) 野芥子・野罌粟   別名 ハルノノゲシ  花期 4〜7月

 立春を前にして気の早いツクシが顔を出したという。毎年ほぼ同じくして
繰り返される生物時間も少々狂ってきたがこれも温暖化の影響だろう。

 先日筑後川河川敷で綺麗な花を咲かせるノゲシに出会った。春から
夏の野草に分類されているがほぼ一年中見ることができる。
 ケシといってもケシ科ではなくキク科。葉がケシに似て野に咲くから
ノゲシの名が。アキノノゲシと区別するためハルノノゲシの別名を持つ。

 若葉は苦いが茹でて水にさらして食べる。

    辻 和武(2)
31. サバノオ (キンポウゲ科)  鯖の尾   花期3月〜5月

 サバノオは山の落葉樹林下の日陰に生える多年草である。
 葉が褐色を帯びた緑色。半開で横を向いて咲く淡い緑白色の花は僅か8ミリ程。

 花の中に並ぶオレンジ色の袋状のものが蜜の分泌を専業とする花弁(密弁)で、緑白色の花弁のように見えるのは萼片(葉が変化したもので、花弁やしべを保護するもの)である。

 花が小さいのでルーペで覗かないとこの可愛くて神秘的な姿を拝むことはできない。
 名は、果実2個が左右に張り出し鯖の尾に似ることからついた。


      辻 和武(2)
 32.イワボタン  (ユキノシタ科)  岩牡丹  別名 ミヤマネコノメソウ 
                                花期3月〜4月

 山里近くのやや湿った所を歩くと、実の先端に裂け目ができ二つに開き、
その中に種が見える淡緑色の花弁(がく片)の花によく出会う。
 その種子の姿が猫の瞳孔に似る(他説もある)ことからヤマネコノメソウの
名が。
 その仲間の一つにイワボタンがある。山地の沢沿いなどで稀に見ることが
できる。褐色を帯びた葉は灰色の斑が入り、花期には花の周囲の葉や苞葉
が黄色くなりその美しさは人目を引く。一つの花は僅か2_程である。

      辻 和武(2)
 33.ヤマブキソウ (ケシ科) 山吹草  花期 4〜6月

 醍醐天皇の皇子、中務卿兼明親王が詠まれ、太田道灌の山吹伝説となった歌に「七重八重 花は咲けども山吹の みのひとつだに なきぞかなしき」がある。
 この花は木本のヤマブキ(バラ科)の八重咲き。基本種は五弁の一重咲きで結実するが、八重咲き種は雌しべが退化して実をつけない。日陰地の薄暗い場所に咲く草本のヤマブキソウは花径が3〜4p。
 大きく鮮やかな黄色の四弁花は人目を引く。花弁の数こそ違うがまさに山吹である。ヤマブキと同じ色の草だからとヤマブキソウの名が付けられたが、色以外に類似点はない。

 九州では熊本、大分地方でごく稀に見られる。

     辻 和武(2)
34.ケハンショウヅル (キンポウゲ科) 毛半鐘蔓 花期 5〜6月

林縁を覆うように広がるつる性植物の群落を、森林がマントを着ていることに
例えマント群落というらしい。
森林の中に入り込む光や風の量を調節する役目があるという。
本種もその一つで、花は鐘形で淡黄褐色の毛が密に生える。
花弁に見えるのは萼片で完全に開かない。
中国地方や九州に自生する。毛がない種をハンショウヅルという。
写真は菊池渓谷の林縁で葉裏にひっそりと咲いていたもの。
ちなみに、葉は3枚の小葉からなる複葉。

    辻 和武(2)
  35.コカモメヅル (ガガイモ科) 小鴎蔓  花期7〜8月

山野の草地や、藪に生える。細い茎を伸ばし他の物にまつわり付く多年草のつる性植物。
葉の付け根から1本の長い花柄を出し、径4〜5_で暗紫色の小さな花を数個つける。
菊池水源への撮影行で収穫がないまま散策路を帰路中、薄暗い路傍で開花を始めた数株に出会い、夢中でシャッターを切った一枚である。 

    辻 和武(2)
36.アゼトウナ (キク科) 畔唐菜  花期 8〜10月

 伊豆半島以西の太平洋側の海岸に生える多年草。九州では、大分、
宮崎県で自生が確認されている。
 海岸のがっしりした岩の隙間に根をおろす。茎は太く短い。
根生葉は小さく厚い。潮風を受けて生きるための知恵か?
 頭花は黄色の舌状花(一つ一つが一人前の花で、雌しべ、
雄しべある)が集まったもので、花径約1.5p。枝先に密につける。
花名の「アゼ」については諸説あり。
 写真は、大分県佐賀関周辺へ海辺の花撮影に行った際出会った。
   辻 和武(2)
37.コシオガマ (ゴマノハグサ科) 小塩竈  花期 9〜10月

 9月の声を聞くと、暦の上ではすぐ白露です。
 平年ですと大粒の朝露が大地を包み込みます。
 そして、夏の花から秋の花へと少しずつ秋の色が広がっていきます。
 しかし、今年は猛暑の連続、秋が来るんでしょうか?
 野の花たちはこの暑さに耐え、短かくも美しく燃え、私達に喜びと癒しを与えてくれます。
 耳納連山の中の兜山で見つけた淡紅紫色の花です。
 花の長さ2pほどですが、その美しさに思わず声をかけました。 
 ありがとう。

  辻 和武(2)
 38.モリアザミ (キク科) 森薊  花期 9〜10月


 暦の上ではすぐ寒露。朝晩は冷え込み、野原の草には朝露がつきまさに秋。
そして月末には霜が降りる。 一気に晩秋である。

 野の花たちもそれぞれの季節を終え次の花たちにバトンタッチしていく。
山の草原でみるモリアザミの命もあとわずか。アザミ属は種も多い上、
変化も多く同定し難いが、本種は独特な総苞片(花が集まった基部につく
一枚一枚の苞葉)でそれとわかる。根は、味噌漬け、粕漬けなどが
ヤマゴボウの名で売られている。
ちなみに、9月末菊池の鞍岳へ登った際撮影したもの。
    辻 和武(2)

 39.ベニバナボロギク (キク科) 紅花襤褸菊   花期 夏〜初冬

朱赤色の頭花を下向きにつけるこの花は、アフリカ原産の帰化植物。
第二次世界大戦後、九州を出発点に広まった1年草である。
山林の伐採跡地や開墾畑、丘陵地の畑、林縁などに突然現れ群れるが、本来の植生が回復すればすぐに姿を消す。
アメリカでは、山火事の跡などによく生えるので、「火の草」とも呼ぶ。
雑草、害草とよばれるのが可哀想でもある。
  辻 和武(2)

40.  キツネノマゴ (キツネノマゴ科) 狐孫  花期 8月〜10月

 暦の上では、立冬から立春の前日までが冬。二十四節気をもとに言えば
12月は仲冬(大雪〜小寒)である。
 山野の草木は、春に向け眠りにつく。だが陽だまりの暖かいところでは、
冬を忘れた花たちに出会うことができる。
 畑の畦道でも見れる狐の孫もその一つ。名は、茎の頂部の花序
(花の集団)が狐の尾に似て小型だから。
 沢山の蕾を持つ花序だが、一斉に咲くことはなく、一つか二つが
順に咲いていく。

   辻 和武(2)

 41.ナガバノタチツボスミレ (スミレ科) 長葉立坪菫  花期 3〜6月

34回生の皆さん新年おめでとうございます。
今年も下手糞な写真ですが、いろんな野草に会って頂ければ幸いです。
万葉の昔から、恋い慕われてきた春の花、スミレ。
基本的花期は3月からであるが、返り咲きの原理で早春にも見ることができる。
暮れのある日、吉見ヶ嶽への登路で偶然出会えた。
時期外れの花たちに出会えるのも野山歩きの楽しみである。

  辻   和 武(2)
42.コガネネコノメソウ (ユキノシタ科) 黄金猫目草  花期 3〜5月

2月4日は立春。名ばかりの春で、気温はまだ冬。
でも、落ち葉の下では花芽をつけた草達が暖かい日差しをジーッと待っている。
山地、谷川などの陰湿地に生えるこの草は、時には2月中ごろから、暖かい
日を受けて、鮮やかな黄色の美しい花を見せてくれる。
花びらのように見えるのはがく片で、径は僅か数ミリ。仲間にヤマネコノメソウ、
シロバナネコノメソウ、イワボタンなど等。

    辻   和 武

43. フラサバソウ (ゴマノハグサ科)  花期 3〜5月

 ヨーロッパ原産で各地に帰化し、早春から初夏にかけ、畑や、空き地に生えている越年草。
 同じ帰化植物で、仲間のオオイヌノフグリは花径が1センチほどあり、コバルトブルーがよく目につくが、本種は茎が下部で横に広がり、花径が3〜4ミリと小さく、色も淡青紫色でよく見ないと見落としてしまう。
 萼の縁に長い毛があるのも特徴。
 名は、幕末にフランスの植物学者2名によって採集、研究し「日本植物目録」に記載された事を記念し、後年、両名を記念してつけられたものである。
 在来種のイヌノフグリ、外来種のタチイヌノフグリなども仲間である。

        辻   和 武(2)
44. ユリワサビ (アブラナ科) 百合山葵  花期 3月〜5月

山地の沢沿いの湿った場所で見ることができる多年草。
草丈10〜25pで総状花序を出し、4弁の十文字形の小さな花をつける。
全草に辛味と風味があってこの味が山葵に似る。
全草に食欲増進の薬効があり、サラダ、酢の物、おひたしとレシピは多い。
生でも、さっとゆでてでもよい。

   辻   和 武(2)
45.ケルリソウ (ムラサキ科) 毛瑠璃草 花期 5月〜6月

九州中部の山地に稀に見れる瑠璃色の可愛い花。
花径は1pに満たないが、この花に出会った時の嬉しさは格別である。
草丈10〜40pの多年草で、茎は倒れて這い、茎には立った毛がある。
やはり熊本県で極稀に見れるチョウセンカメバソウ(朝鮮亀葉草)はこれによく似るが、 こちらは、花の色が帯青白色で茎の毛は伏している。
ケルリソウは別名ケカメバソウともいう。

      辻   和 武(2)
 
 46.床島君からの花のメッセージ  
               

 辻さんの 草花の写真と話を楽しく拝見しています。
 私も山歩きを10年程続けていますが 道沿いの花を写真に取り、
図鑑で名前を調べるのを楽しみにしています。
 2週間ほど前 高良山の道筋で不思議な花に会いました。
 私の持っている図鑑では探すことが出来なかったので、教えて下さい。
 先週には 誰かが取ってしまったようで ありませんでした。
 高さは 5センチ程です。 写真を添付します。よろしく。

 2011年6月10日   床島 昭男

(写真の花に関する情報をお持ちの方は事務局まで御一報下さい。)

 (同級生の辻和武君から以下のような解説が届きました。)

「こんにちは。同窓会楽しかったようですね。7日、大蔵氏から報告がありました。

 さて、床島さんの写真拝見いたしました。
写真ですから同定は難しいですが、リンドウ科のフデリンドウではないかと思います。
通常のフデリンドウは、花は青紫色の筒形で、先が五つに裂け、裂片の先は鋭く尖ります。
写真で見る限り、根生葉もありません。写っている葉はフデリンドウの特徴が出ています。
小生は見た事ありませんが、時折、一時的な変種が出るようです。
高良山はフデリンドウが沢山見れますが、盗掘も多いようです。悲しいですね。
路傍に咲く可憐な花、人里離れた山奥でひっそりと、そして優雅に四季を謳歌する山野草。
大切な遺産として次代に引き継ぎたいですね。

 余談ですが、ニックネームぼん天棒さんが「私の自然歩道」というブログを開設されてますが、
6月1日の「山友と小岱山を歩きながら一薬草が盗掘されていると聞いて楽しさも半減した」の中にも、
床島さんと同じリンドウの写真が載ってます。

    辻  和 武       」

 (6月14日同級生の大蔵君から以下のようなコメントが届きました。)

フデリンドウ=筆竜胆

 床島君の花は、辻君の説明どおり”フデリンドウ”で間違いないと思います。
さすが辻君の同定は素晴らしいです。
”リンドウ”は秋に咲く花ですが、”フデリンドウ”はこの時期に咲きます。
下記を参照して下さい。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/BotanicalGarden-F.html

私はこのHPをお気に入りに入れて、いつも開いて見ています。

大蔵 隆史(5)
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47.スズサイコ (ガガイモ科) 鈴柴胡 花期 6月〜7月

日当たりのよい、やや乾いた草地に生える多年草。分布域は広いが見ることは稀。
花は朝早く開き、日が当たると閉じてしまう性質がある為、撮影は早朝となり、
前夜は酒の量を減らすなど苦労もあるが、出会った日の夜の熱燗は美味い。
花径は1〜2pであるが、果実は5〜8pの細長い披針形である。
名は、蕾が鈴に似て、全体がセリ科のミシマサイコに似るためという。

    辻   和 武(2)
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48.バアソブ (キキョウ科) 婆ソブ 花期7月〜8月

山地の林縁や原野に生える、つる性の多年草で花冠は約2p程。
ソブというのは、長野県木曾地方の方言でソバカスを意味し、
花冠の内部の斑点を老婆の顔のソバカスに例えたもの。
よく似た種にツルニンジン(別名爺ソブ)があるが、この爺は婆に対し
てつけられた。
決定的な区別点は種子にあるそうだが、バアソブの葉の裏面や縁にある
白い毛も区別点の一つである。
小生もソブが目立つようになり、日々愁えるこの頃である。

辻   和 武
 49.カワミドリ (シソ科) 荊苅・川緑  花期 8〜10月

34回生の皆さん残暑お見舞い申し上げます。
猛暑続きですが、暦の上では秋ですね。
小生、遊び呆け34回生の窓への写真送付を失念いたしておりました。
大変失礼しました。

カワミドリは、山地の草原、林縁、沢沿いに自生する野草で、淡紅色〜紅紫色の花が穂状に密につき、雄しべが花外に飛び出しブラシのようになり美しい。
名前の由来はよくわからないようであるが、生薬として知られた草で、漢方では皮膚疾患、消炎、排膿などの処方に配合されている。古い資料によると、日本でも特定の農家で栽培され、生薬「荊苅(けいがい)」として市場にでていると記されている。
ちなみに、写真は耳納山地の中腹の谷沿いで撮影したもの。
50. ヤブマメ (マメ科) 藪豆  花期 9〜10月

 暑い暑いといいながらも、暦の上では8日が白露である。山野には少しずつ
秋の気配が漂ってきている。

 先日奥八女地方では、ツリフネソウやツユクサに交じり、アキノノゲシ、
ボタンヅル、ノササゲ、ツルマメ、フユイチゴなどの花を見た。

 ヤブマメも秋の花。林縁に多く生えるつる性の1年草である。
 葉はマメ科特有の3小葉からなる。花は、旗弁が紫色、翼弁と竜骨弁が
白っぽいやさしく美しい蝶形花(長さ15_〜20_)を咲かせる。
 地上と、地下に実をつけるが、地下の実の方が大きく美味しいらしい。
 ちなみに、大豆の原種といわれるのはツルマメである。
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51.オオバショウマ (キンポウゲ科) 大葉升麻  花期8〜10月

10月9日は寒露。
朝露をまとった草木は秋光を受け輝く。いよいよ秋の到来である。

9月写友と南小国で遊んだ。写真はその時の1枚である。
撮影を始める頃は、ズボンを濡らすほどあった朝露も、
本種を撮る頃は陽も高くなり露は消え、光り輝く姿を見ることができず残念だった。
サラシナショウマによく似るが、花柄がないので区別できる。
萼片や花弁が早く散った後、残った雄しべが細長いブラシ状に見えて美しい。
10月いっぱい楽しめる。
52.ホソバワダン (細葉海菜) キク科  花期10〜11月

11月に入るとすぐ立冬。暦の上では冬であるが、暖かい海岸の岩場や
崖地では秋の花が盛りとなる。
ホソバワダンもその一つ。
西日本の海岸の岩場などに生える多年草で、直径1〜1.5pの鮮やかな
黄色の頭花が美しい。
名は「葉の細いワダン」の意。「ワダン」は海辺に生える菜で海菜(わたな)が訛ったとか。
ワダンは九州には自生しない。
福岡県糸島市の海岸などでも見ることができるが、
掲載の写真は相島(福岡県)での撮影。
53.ヒヨドリジョウゴ (ナス科) 鵯上戸  花期 8〜9月

あちこちで聞かれる紅葉便りも、例年ほどの鮮やかさはないという。
落葉とともに、やがて秋草の花も終わる。
そうした冬枯れの景色に彩を添えてくれるヒヨドリジョウゴの赤い実。
真っ赤に熟した実は美味しそうでつい口にしたくなるが有毒植物である。
この実の輝きがなくなると本格的な冬が訪れる。

名前はヒヨドリが好んで食べることからついた名。
有毒植物だが、解熱、解毒、利尿など薬効があるという。


54.レンプクソウ (レンプクソウ科) 連福草  花期 3〜5月

延壽萬歳
昨年は、世界を震撼させた東日本大震災という大悲惨事が発生し、政治・
経済が混乱したことは、被災された方は勿論、国民全ての心に狂いが
生じました。

この、狂った私達の心を癒してくれる野の花が、やがて日本列島を駆け上り
咲いていきます。

皆さん大きな声で呼びましょう。「春よ来い!早く来い……」
福を連れてくる野草があります。「レンプクソウ」です。この草を採集したとき、
地下茎が福寿草につながっていたので、「連福草」と名づけられたそうです。
九州では、熊本・大分・宮崎県で確認されているようです。

ちなみに写真の花は熊本県の阿蘇南外輪山の麓で撮影したものです。
55.タネツケバナ (アブラナ科)  種漬花  花期 2〜6月

水田の畦や水田の中、水辺等やや湿ったところに生える越年草で水田の代表的な害草である。
種籾を水に漬けるころに花が咲くのでついた名だそうだが、暖かい地方では当てはまらないうえ、
その時期に開花するのはこの種だけではないといって異論を唱える研究者もいる。
全草に辛味があり、山菜として利用される。また利尿、整腸に薬効があるといわれている。
仲間に、よく似て大型のオオバタネツケバナがある。
56.カテンソウ (イラクサ科) 花点草  花期 4〜5月

2月末高良山の北麓を散策中、開花しているカテンソウに出会った。
他の草木が寒そうにしているなか、早い開花である。
本種は、山野のやや明るい木陰などに自生する10〜30pの多年草で雌雄同株。
写真は、茎の上部の葉腋から伸びた花柄についている雄花である(赤い塊は蕾)。
小さな丸い蕾が開くと、内側に曲がっていたゼンマイ仕掛けの5本の花糸(雄しべ)が 一つ、二つと伸びだし外側に弾け、その勢いで先についていた花粉を飛ばす。
ちなみに、雌花は上部の葉腋にかたまって付き目立たない。

    辻   和 武(2)
57.アカネスミレ (スミレ科) 茜菫  花期 4〜5月


四月に入ると春本番。野や山ではいろんなスミレが咲き乱れる。

スミレは自然交雑種も多く、勉強不足の小生には同定が難しい種である。

写真のスミレは側弁の基部の毛がやや少ないが、他の特徴点などから、

アカネスミレと同定し撮影した。

本種は草丈5〜10pで、全国各地で見られる茜色の愛らしいスミレである。

全体に毛がない変種をオカスミレという。
58.クサノオウ (ケシ科) 草王・草黄  花期 5〜7月



日のよく当たる道端や草地、林縁で普通に見られる2年草。

全体に粉っぽい白みを帯び、茎葉には長い白毛が多い。

4弁花は鮮黄色で美しい。

茎や葉を切ると橙黄色の苦い汁(有毒)を出す。

この汁の中にケリドニン等のアルカロイドが含まれている。

薬草図鑑によると、生薬名を「白屈采」といい、皮膚病に薬効がある。

橙黄色の苦い汁が胃がんに効くと騒がれた時代があったそうだが

その効果はないとのことである。

辻   和 武(2)
59.ベニバナヤマシャクヤク (ボタン科) 紅花山芍薬  花期 4〜6月

非常に限られた山地の落葉樹林下に自生する多年草。
白花のヤマシャクヤクによく似ていて、花が紅色だから
紅花山芍薬の名がついた。
花色の他に、紅花山芍薬は雌しべの柱頭が巻くのも特徴の一つである。
この花ほど気をもませる花はないだろう。とにかく蕾の期間が長い。
そして咲いたかと思うとすぐ散ってします。
会いに行く時期の見極めが大変である。
南阿蘇方面では、これから開花が始まる。
60.アオカモメヅル (ガガイモ科)  青鴎蔓  花期 7〜9月

山麓の草地や林縁に生えるつる性の多年草で紀伊半島以西に自生する。
葉は三角状〜細長い卵形で対になって付く。
花は黄白緑色で、径7〜8mmで、花冠の上面に短毛がある。
これによく似て、花が暗紫色で無毛のものをコバノカモメヅルという。
カモメヅルの仲間は、普通蔓を長く伸ばし物に巻き付くが、
フナバラソウ、タチカモメヅル等蔓にならない種も多い。

61.ハシカグサ (はしか草) アカネ科  花期 8〜9月

山野の林内や道端のやや日陰に生える1年草。
茎は地を這い、白い4弁花を葉の付け根につける。
花茎は、3mm.前後と小さい。
萼には白い軟毛が見える。
名前の由来は分かっていないが、葉が乾くと赤褐色に変わる様子が、
ハシカの発疹が乾くに連れて、赤から褐色に変わる様子に似ているので、
ハシカグサの名がついたという説もある。
62.ナンバンハコベ (ナデシコ科) 南蛮繁縷  花期 6〜10月


山野の草薮や林縁に生える多年草。茎は枝分かれしながらつる状に伸び1メートルにもなる。
葉は長楕円形で対生。
横か下向きに白い花をつける。
5枚の花弁は離れてつき、途中で急に折れ、反り返り先は2裂する。
緑色の萼は半球形でよく目立つ。
花中央の緑色の球形が実となり、熟すと黒くなる。
歴とした日本在来種であるが、珍奇な花形に南蛮からの帰化植物と誤認され、
ナンバンハコベの名が付けられたという。
ナデシコ科でこのような長いつるになるものは他に無いそうである。


63.アケボノソウ (リンドウ科)  曙草  花期 9〜10月

山野の湿地に生え、高さ80センチ程になる1〜2年草。
花びらは5枚のように見えるが、基部はつながっている。
雄しべは5本で、中央の徳利みたいなものが雌しべである。
白地の花びらの先に、紫黒点が散らばる。
この斑点を夜明けの星に見立てて「曙草」となった。
花弁の中程に、黄緑色の斑が二つ並ぶ。
蜜を出す窪みである。
9月末、奥矢部の山地で撮影したものであるが、
ほとんどの株が蕾で、これから十分楽しめる花である。

64.ジンジソウ (ユキノシタ科) 人字草  花期 9〜11月

山地谷沿いの岩場や湿った斜面などに生える多年草。
花は白の5弁花で、3枚は小さく、赤い斑点があり、
2枚が細長く、人の字に見えることからジンジソウの名がついた。
これによく似て、初夏に花を咲かせるユキノシタは、民間薬として
栽培されていたものが野生化したものといわれている。
ユキノシタは、生薬名を虎耳草(こじそう)といい、中耳炎、
はれもの、痔の痛みを和らげる等々の薬効があるらしい。
生葉は、天婦羅やおひたしにして食べる。
馴染のユキノシタは、ミミダレグサ、キジンソウ、等の異名をもつ。
65. シマバライチゴ (バラ科) 島原苺 花期 9月 果実期 11〜12月



島原市の眉山の近くに珍しい苺の自生地がある。

国内での自生地は、長崎県、熊本県の一部で、絶滅危惧種TBに指定され、

長崎県の天然記念物である。

キイチゴの仲間で、高さ1〜2メートルの小低木。

9月頃、フユイチゴに似た白い花を多数つける。

秋には、実が赤く熟しブドウの房のように垂れ下がる。

果実は凄く酸っぱいが、果実酒にすると美味しいらしい。

 辻 和武(6)
66.シロバナタチツボスミレ (スミレ科) 白花立坪菫 花期 2〜5月


新年おめでとうございます。

下手な写真ですが、今年も野の花達とお付き合いください。

初詣の際、日本の春を告げる身近な野草の一つであるスミレに出会いました。

紫色をしたスミレです。

スミレの仲間に、タチツボスミレがあります。

稀に花弁が純白で、距も白色という個体があります。

白花立坪菫と言います。

最初この花に出会ったとき、無垢な乙女のようなあまりの美しさに見惚れ、

しばらくシャッターを切ることができませんでした。

写真は一昨年撮ったものです。

辻 和武
67.タチイヌノフグリ (ゴマノハグサ科) 立犬の陰嚢 花期3〜6月



ヨーロッパ原産の帰化植物で路傍や畑地などに見られる越年草。

明治初期に渡来している。

花は径4o前後と小さく淡青紫色。

名は花後の実が犬の陰嚢に似て、茎が立ち上がることからついた。

その後、見いだされたのが、西アジア、中近東原産のオオイヌノフグリで、

花は大型(径7〜10o)のコバルトブルーで早春から咲く。

何れも全国にきわめて普通の雑草である。

在来種のイヌノフグリは淡紫色で、この実が一番犬の陰嚢に似ている。

辻 和武
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