岸本裕史さんの文庫本を読んでから、この往復算に取り組んできた。かれこれ20年ぐらい実践してきたと思う。 岸本さんの実践はこれにとどまらないが、自分が納得し、まねをしてきたのは往復算である。この魅力は勤勉さにある。 子どもが勤勉になるのである。一つでもミスがあるとゴールに到達する事ができない。 これがいいのだ。 中途半端な努力は評価しないのである。100点満点の努力だけを評価するのだ。子どもたちは完全なかけ算九九の能力と繰り上がり繰り下がりの計算力を求められる。 岸本さんの実践とは違うかもしれないが、自分はできた子順に黒板に順位と名前を書かせている。競争教育と批判されようが、子どもは意欲をかきたてられるのだ。計算が正確になるだけでなく、速度もアップする。競争を子どもは楽しんでくる。 効果的な教育実践だと同僚にも宣伝しているが、いっこうに広まらない。 原因は、指導要領にも教科書にもないからだと思う。 これは致し方ない事だ。でも自分はこの方法の効果を知っているので、職場で孤立しようとこれからも実践していくつもりだ。 問題は、全体の成果にならない事だ。障害児も普通級に進級させる運動のため、かけ算九九ができない児童も教室にはいる。そういう子には別の課題を与えて、達成感を与えるように配慮はしている。はっきりと障害が見えない子でも、かけ算九九ができない子もいる。つきっきりで指導しても、40人いる教室の中での個別指導には限界がある。全員合格!とやりたいのだが、それができないのが残念だ。 2001.11 2004.12.22 往復算が今年3年生のクラスでも成果を上げている。二桁でも2分台でできる子が随分出てきたのだ。大人並み、いや大人以上である。でも同僚には広まらないのですね、この実践が。 それでエクセルで自動計算表を作ってみた。これなら、手作業で解答を一々作って用意する必要がないのだ。その日やりたい問題を入力すれば、一瞬で解答が出てくる。それをプリントアウトして教室に持っていけば、簡単に答え合わせができるからね。敷居が低くなると思ったのだよ。さっそく同学年の同僚に宣伝し始めたが、どこまで広まるのか。自信は無いが、やってみよう。継続は力なり、これが往復算の真骨頂でもあるからね。 また、これをご覧になった親御さんが、家庭学習で往復算の出題、丸付けをする時にも、この自動計算表は役に立つと思いますよ。 これをクリックすると、エクセルの自動計算表にリンクします。問題の数字を入力すると、自動的に計算されますよ。 |