朗読絵本 ふしぎの国のアリス


第1章 うさぎの巣穴に落っこちて
unit 8 "Come now, there's no use in crying!"





 もくじ
  1. 第1章 unit 8 "Come now, there's no use in crying!"

 
 
 1 第1章 unit 8 "Come now, there's no use in crying!"もどる
もくじへ

"Come now,
「ホラホラ、
there's no use in crying!"
しかたないでしょ、そんなに泣いても!」
she said to herself,
と自分に言い聞かせます、
rather sharply.
少々きつく。


"I must stop crying this instant!"
「いいこと、やめなさい、いますぐに!」
She often gave herself advice,
しょっちゅう、自分で自分に言い聞かせるんです、
although
だけど
she very seldom took it.
めったにそれを聞きいれないのです。
And sometimes
それで時には、
she scolded herself so harshly
自分で自分をしかるのが厳しすぎて、
she made herself cry.
自分を泣かせてしまうのでした。
And once
ある時なんかは、
she even felt guilty for cheating against herself in a game of croquet.
後ろめたい気持ちになったことさえあるのです、自分で自分をだましたからと言うことで、クロッケーの遊びをしてるときに。
This curious child
この一風変わった子は、
was very fond of pretending to be two people.
ふりをするのがたいそう好きなんです 、一人で二役するという。
"But
「でも、
it's no use now,"
意味ないでしょう、こんなときに」
thought poor Alice,
と哀れなアリス、
"to pretend to be two people!
「一人二役を演じたって!
Why,
ほら、
there's hardly enough of me left
ほとんど私には残ってないでしょ、
to make ONE respectable person!"
一人分の人間を作るだけのものが!」


Soon
そのうちに、
a little glass box that was lying under the table
小さなガラスの箱が、テーブルの下にあるのを
had caught her eye.
見つけました。
She opened it,
あけてみて、
and found a very small cake.
見つけたものは、ちっちゃなお菓子。
On it
そこには
there were the words
言葉が書いてあります
"EAT ME "
「お食べあそばせ」と
beautifully marked in currants.
じょうずに干しぶどうを使って。


"Well,
「そうねぇ、
if it makes me grow larger
もし、もっと大きくなるのなら
I'll eat it,"
食べちゃおうか」
said Alice,
とアリス、
"maybe then I can reach the key.
「たぶん、そうなれば、あの鍵に手が届く。
And
それから
if it makes me grow smaller,
もし、わたしがもっと小さくなったなら、
I can creep under the door.
くぐり抜けれる、あのドアを。
So either way
だから、どっちにしても、
I'll get into the garden.
わたしは庭に出られるわ。
I don't care which happens!"
気にはしないわ、どっちにころんでも!」


She ate a little bit,
ちょっぴり食べて、
and said anxiously to herself,
心配そうに独り言、
"Which way?
「どっちかな?
Which way?,"
どっちかな?」
she put her hand on the top of her head
手を頭のてっぺんに置き、
to feel which way it was growing.
確かめてみます、どっちのほうに行っているのかと。
But
ところが、
she found herself still the same size.
わかったことに、前のまんまの同じ大きさ。
But
でも
Alice was expecting something strange to happen
アリスは、期待していたのです、何か変わったことが起こるんじゃないかと、
since everything else has been so unusual.
だって、あんまりおかしなことばかり起こっていたからです。


So,
そこで
she decided to eat the rest of the cake,
思い切って残りのケーキを食べちゃおうと考え、
and ate it all up.
平らげてしまいました。