2019/03/10 AI翻訳機とコーパスで英作文
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言語教育エキスポ2019が早稲田大学で開催された。
AIや翻訳機が進化したら外国語教育はどうなる
これが今年のテーマだった。
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もくじ |
- はじめに / AIや翻訳機が進化したら外国語教育はどうなる
- 大会見聞録 / 言語教育エキスポ2019に参加して
- 要項と資料 / AI翻訳機とコーパスで英作文
- 要項と資料 / 言語教育エキスポ2019
- アルバム
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酒井先生は予稿集の巻頭言を「変化の時代に立ち会いて」と題していた。私は最初の2行に釘付けになった。
- 機械翻訳が,しだいに認知され始め,使われ始めています。しかし,その価値を知らないのは言語教師だけなのかもしれないと思っています。
実は先日、田淵は、この春にリリースし始めたAI翻訳機 Voijjar を紹介しに日本語学校を訪れ、校長と面談する機会を得た。話が進むにつれて距離を置き始めるのがわかった。曰く
この4月に解禁されたばかりの新しい仕組みの移民労働者受け入れ施設として建物ができたばかりの日本語学校で、4月の開校準備中であった。そうした緊張と不安から警戒されたのかもしれない。「自動翻訳機で職を失う」と言う教育者の立場と、「学校が成り立たなくなる」との経営者の立場が入り混じったのかもしれない。
こうした体験があったばかりなので、酒井先生の書き出しには共感するところ大であった。
言語教育エキスポ2019では、時宜を得たテーマに沿ったシンポジウムが盛況であった。その表題は
酒井先生と問題意識を共有した先生が多かったことがわかる。
私もその一人だ。しかし時間割を見てがっかりした。ちょうど私の発表と重なっていたからだ。そして思った・・・
- わたしの発表タイトルにも AI翻訳機を入れておけばよかった・・・
それにはある訳があった。
AI翻訳機 Voijjar の構想は3年ほど前にさかのぼる。Google の音声入力や機械翻訳がブラウザで使えるようになりつつあったので試作品を作った。しかし実用には程遠いレベルだった。
この試作版はそのままお蔵入りとなっていた。
昨年秋の国会で数十万人の移民労働者受け入れが解禁されたと知り、これは大変なことになると直感した。ヨーロッパの状態が報道されていたからだ。
- 言葉の壁を取り除くための翻訳機、しかも無料の翻訳機が必要だ!
数年前の試作機を蔵出しして組みなおしたところ「これならイケる!」水準だとわかった。それが去年(2018)の暮れの事。
言語教育エキスポの申し込み締め切り時(1月9日)にはまだ、端末での動作試験など運用上の課題があり、ウェブ上では試験公開中(β’)であった。それで申し込み表題はつぎのように「AI翻訳機」抜きになった。
- 日英字幕付き音映像コーパスによる英語ライティング学習
改めて テーマに戻ろう。
田淵は語学教育に携わる端くれであるが、教壇に立つ先生方と少し異なる視座からこのテーマに取り組んだ。つまり教具教材教授法提供者としての実践から、AI翻訳機を使うとすぐに分かる限界(誤訳と欠落)を克服する作業から接近した。課題は翻訳文の妥当性検証手段であり、対訳コーパスとの連携である。
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言語教育エキスポはエキサイトする催し物だと思う。それは、主催する人たち特に酒井先生とそのスタッフ方のお人柄によるものだろう。そして、彼らに触発された多方面の現場の先生方が好んで発表されるからだろう。
田淵は今年で確か5回目になる。今年もあさ9時から夕方の5時まで90分授業を立て続けに受講し、たっぷり学んで充実した気分で終わった。
参加した9つの発表の報告を、私の学習ノートとしてこちらの記事にしておいた。
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AI翻訳機+対訳コーパス操作説明動画上映中の会場
- 番号
- 表題
- 日英字幕付き音映像コーパスによる英語ライティング学習
- 発表
- 概要
- AI翻訳機と対訳コーパスをつかった作文の効能と限界
- 方法
- 翻訳機の出力を対訳コーパスで検証しつつ完成度を高める
- 概要
- AI翻訳機と対訳コーパスをつかった作文の効能と限界
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- 発表要項
- プレゼン原稿
- YouTube 動画
- 対訳コーパス
- AI翻訳機
AI翻訳機 Voijjar で「初めまして」を韓国語に翻訳したところ
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- 主催
- 共催
- LET 関東支部,英語芸術学校マーブルス,神保尚武科研,栗原文子科研,中山夏恵科研,酒井志延科研,安達理恵科研,飯野厚科研
- テーマ
- AI や翻訳機が進化したら,外国語教育はどうなるでしょうか?一緒に考えましょう
- 日時
- 場所
- 早稲田大学 11 号館 4 階 406 会議室から 410 会議室
- 参加費
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日の出間近の陽光が遠くの雲を赤く染め始めた
受付準備が始まったばかりの会場前通路
ある発表会場のスクリーンの風景
ある研究発表会場の風景 / あれ 発表者はどこに?
プロジェクタやスピーカが完備された会場に 人のぬくもりが
帰途の電車は籠原どまり
一歩地方に出ると吊るし広告はまばら
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2019.03.13 田淵龍二 TABUCHI, Ryuji
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