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2014/10/19 音節カウンター・シラー 公開
音節カウンター・シラー(Mint Syllable Counter / Syllar)は 単語や文章の音節数を計測するソフトです。
かなり正確です。99.98% 以上の正確さです。
音節辞書ではなく、フォニックスの原理を論理的基準にしつつ、例外に対処した仕組みなので、通常の辞書に載っていない単語、まだ辞書に載っていない単語、非単語などにも柔軟に対応します。
シラー の仕様と入手はこちらから
version 1.0.2.9
⇒シラー のページ
シラー はシェアウェア(税別 3,450円、試用期間あり)です。
英語をしゃべる英米人にとって音節数など関係ないと思っている人が多いのではないだろうか。実は、小生もそう思っていたし、今でもそれは変わってはいない。なぜなら、私自身、日本語を読み書きするときに音節数を数えたりしないからだ。
ただ、例外がないわけでもない。俳句を作るときには指折り数えて5・7・5の音律を作るではないか。英語でも詩歌の時には、音節数を数えてリズムを作るだけでなく、フレーズ末尾の音をそろえようとする。これを末尾韻律と言う。
映画の会話音声を解析したとき、不思議な現象に気が付いた。ほとんどの音声が2秒前後のまとまりを持っていたことである。ヒトは息を吸ってからそれを吐き出すときの空気の流れに音声を乗せ、息継ぎをして、また話し始める。こうして作られる音声連続を呼気段落(Breath Group)と言う。
この吐息は20秒から30秒続けることができる。昔、英語学会で呼気段落の研究発表をしたとき、最初に参加者全員に立ち上がっていただいて、一斉に「
アァーーーー
」と音を出し続けてもらい、息が途切れた人から着席してもらうパフォーマンスをしたことがある。このとき、20秒ほど経ってから最初に小柄な女性の先生が着席し、だんだん立っている人が減って行き、最後まで残ったのは働き盛りの大柄な男の先生だった。確か35秒を過ぎていたと記憶している。肺活量(体重)の大小で、一息の最長連続音声継続時間が決定されると言うことを体験していただいたわけである。
そこで、会話音声の呼気段落長分布が平均2秒で、8割以上が3秒以下であることを見ていただいた。身体能力としては20秒以上しゃべれるのに、通常はその10分の1程度で済ませているのだった。
いろいろ調べていくうちに、こうした現象には、呼吸の生理(1分間に供給すべき酸素量とそのリズム)だけでなく、ヒトの聴覚認知特性も関わっているようだと言う趣旨の研究発表をさせていただいた(
⇒呼気段落研究 発表要旨
)。
これが音節とどう関わるのかと言うと、生理的には、音節は息を勢いよく吐き出すときに形成されるもので、しかも、このリズムはそれほどでたらめにすることは困難で、どうやら1秒に3音節程度含むと言う傾向を持っているようである(これについてはまだ未発表であるが・・・)。
逆に言うと、テキストを読むとき、それに何秒かかるかが推定できると言うことになる。つまり、テキストの音節数を数えることで読み時間が分かると言うことだ。ニュース報道などで、原稿用紙何枚で何分と言う概算と類似している。
話が長くなったが、要は、音節数を数えることがテキスト読解の手掛かりになると言うことが見えてきたのである。
ちなみに、日本人学習者向けに開発した英文リーダビリティ公式・
ミングル(Mingle)
は、テキストの音節数を正確に測ることができるようになったことで始めて実現したアプリケーションである。
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