好天に恵まれた旅行日和の土曜日、横浜は関内にある関東学院大学メディアセンターで外国語教育メディア学会(LET)関東支部 第121回(2008年度秋)研究大会が「効果的な音声指導」と題して開催された。
関東学院大学メディアセンターは このビルの8階にある
首都圏から100人近い先生方が集まった
スクリーンと電子黒板(右)を使って 研究発表をする田淵先生
「電子黒板を利用した小学校英語授業の諸要件/8年間の実践から」と題した<田淵 龍二(ミント学習教室)、マイク キャネヴァリ(マイイングリッシュ)>の共同研究発表は、長年にわたり行なってきた電子授業* の実践に踏まえ、必修化を控えた小学校英語の現場の実状と、電子黒板を使った電子授業の展望を、実演を交えて発表するものとなった。
電子黒板を利用した小学校英語授業の諸要件を考察するにあたり、まず最初に
- 授業展開の3つの段階 = 導入、定着、活用
- 言語習得の3つの要素 = 音声、意味、文字
- 表現活動の3つの成分 = 単語、表現、気持ち
- 教材教具の3つの業種 = ハード、ソフト、コンテンツ
- 教育現場の三項関係 = 教師、生徒、事物
と 電子授業を因数分解して、昨今の英語教育の流れを説明し、
- "小学校の英語活動はこのPPP(提示・練習・表出)のように,モデルとなる英語を提示し,練習させるというものではない。"
- "小学校の英語活動は英語力をつけるのではなく、楽しく英語に親しむのが目的"
- "文字を導入すると英語嫌いを増やすので、できるだけ遅らせる配慮が必要"
などという最近の風潮を批判的に指摘した。そして、各因子のバランスの大切さと、今日的な重点の置き方に触れながら、
- 「音声重視」
- 「字音義一体」
- 「先音後字」
- 「英語は英語のままで」
- 「子どもの統語能力を引き出す」
- 「生徒とスクリーンの間に立つ 教師の重要さ=対面式一斉授業」
など、電子黒板による電子教材の有効性が 授業風景のとともに具体的に紹介された。また
- 「ハード優先の危険性」
- 「教材の貧困さ」
- 「電子化による落とし穴」
などマイナス面も見据えながら 電子授業の今後の進展への期待が語られた。
発表後の質疑や 意見交換では、
- 電子黒板は 特に準備していなくても 教材がすぐに取り込めるという期待をもっていたのですが、今回の発表ではそこが問題(幻想)だと指摘された。現状はどうなんですか?
- 6月の岡澤先生の発表では、久埜先生の昔の教材しか使っていませんでしたね。やはり教材の準備に課題があることがわかりました。
- 鋭い指摘で 痛快でした
- 民間と公教育では違うから 子どもへの文字の使用は 十分に注意した方がいい
- 教育現場の三項関係などの捉え方が参考になった。あとで、発表で使ったシートを送ってください。
など さまざまな観点からの 意見や指摘がなされた。
⇒要綱や資料など詳しくはこちら 学会での活動報告のページへ
* 電子授業はプレーヤーミントを搭載したm-Boxed、movie-Boxed kids(ミントアプリケーションズ株式会社のHDDユニット)に収録された電子教材を使用
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