アメリカ西海岸の旅
6日目 arrival

自宅到着
自宅到着


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[SANTA MONICA]

 がっつり寝た。ハードスケジュールが重なった為に良く寝れたのだろう。飛行機のフライト時間は午後の2時45分。余裕がある。

 空港に近い街、サンタモニカに行ってゆっくりした後に移動しようという事で、遅めの支度をする。空港へはだいたい2時間前に着けば良い。重い荷物をしげも分担で持ってくれて、シリルの家を出る。お世話になったシリルの家。

 シリルはもう仕事に出ていていないのがなんとも悔しいのだが、次にこの戸を開ける時は僕1人だな、などと考えつつ戸を閉める。これで見納めかぁ、って未練タラタラで歩き出す。周りの景色を必要以上に眺めながら。

 バスに乗り込む。最後の街、サンタモニカに向かうのだ。 しかし、道の状態か、僕等の計算違いか、走れど走れどサンタモニカには着かない。最初はサンタモニカでの時間が減っていくのに対してのショックだったのだが、時間はどんどんと過ぎていく。やがてサンタモニカで過ごす時間などというゆとりも無く、空港に到着していなければいけない時間になった。

 変なアセが大量に出始める。飛行機に乗り遅れるかも・・・!あってはならない事が起きる可能性が出てきたのだ。

 ようやくバスがサンタモニカに到着する。が、バスの乗り継ぎで空港に向かうのでは間に合わない。しげが険しい顔で「タクシーで行くしかない」と言う。持ち合わせが無い為にキャッシュコーナーでお金を降ろし、タクシーを拾う事になった。

[TAXI DRIVE]

 タクシーなんぞ、日本でも数える程しか乗った事が無い。無論1人では・・・。とにかく急いでタクシーを拾い、運転手に急いで空港までの所有時間と所有金額を確認し、とにかく急いでくれと言って乗り込む。

 しげは足りない分のお金を渡してくれた。お世話になったしげとの別れはとてもせわしなかった。そしてタクシーは急いで走り出す。

 タクシーの運転手は何処から来たの?と聞いてくる。僕はもう間に合うのかどうなのかが気になってソワソワしていたが、ここで慌てても仕方が無いと思って答える。が、この運転手さんは僕は聞いた事の無い国から最近アメリカに移住してきたらしく、日本と言っても何のイメージも無いらしくて話しが続かない。少し会話をして黙る。しばらく走っているウチに僕はメーターに釘付けになる。もしお金が足りなかったら???それくらいヤバイ状況にある。

 運転手が便名を訪ねてくる。便名を答えると無線で場所を確認し、やっと空港に到着した。メーターを見てお金を支払うと、手元に残った金は1ドル紙幣が一枚。アブねーっ!! 

 ダッシュで空港内に入り、お目当てのカウンターを探し出す。 さすがにピーク時間をかなり過ぎてる為に待ち時間は殆どなく手続きが終わる。自分的にかなり不審だろうなぁっと思っていたデッキを段ボールでガチガチに梱包したものも当たり前のようにデッキとバレたのにはさすが・・・と思ったが。

 手続きが終わればあとはフライト待ち。やっと落ち着ける時間が出来た。しかし、初日の旅行記にも既に書いたが、空港内は全面的に禁煙だ。しまったぁ!どうせならタクシー降りてから一服しておくべきだった!!後悔先に立たず。自他共に認めるヘビースモーカーな僕にはかなり辛い。仕方なしに最後の1ドルで1ドルのアメを購入して、自分の便のロビーに向かう。

 ロビーに行くと日本行きの割に日本人が少ない印象だった。ボケボケと人間ウォッチング国際バージョンを楽しんでいると、いよいよ飛行機へ乗り込む時間が来たようだ。

[GO HOME]

 いざ飛行機に乗り込むと、今回は窓際の座席ではなく、3列あるうちの真ん中の列だった。真ん中の列は座席が6個くらいあるのだが自分以外にその場所には人はいなく、個室状態。これは思いっきり体を伸ばして寝られる。しかし窓から見える感動的な景色が見られないのがなんとも惜しい。

 添乗員が見回りに来て、全ての準備が整うといよいよ飛び立つ。窓が無いので何が起きているんだぁーなんて思ってるうちにシートベルトを外してOKのサインが光る。ベルトを外して早速くつろぎモードへ。またしても行き同様、ゲームをするが盛り上がらない。音楽を聴いたり、映画を見たりしていると食事が運ばれてきた。

 食事を済ますと、かなりの眠気が襲ってきた。行きの飛行機では興奮していた為に寝れなかったのだが、さすが2回目、ぐっすりと眠り倒す。結局殆どを寝てすごした。間もなく着陸だ。

 軽い振動と共に日本へ着陸した。着いちゃった。そんな気持ちだった。 多くの乗客の流れに沿って、寝起状態でフラフラとしながら飛行機を降りる。 税関を抜けて荷物を受け取り、やっと自由の身となった。空港から出る為に電車に乗って新宿に行く。電車が都内に近付くにつれ、車内の旅行者よりも会社通いの人の方が目立つようになってきた頃に、自分もだんだんと日本に帰ってきたのだと実感が湧いてくる。

 やがて住み慣れたうさぎ小屋に着いて重い荷物を降ろす。ふぅ。落ち着いて一服かますと、なんだか夢を見ていたような気分でもある。

 怒濤のごとく過ぎ去っていったアメリカでの日々。気が付けば帰りの飛行機の中だったって感じがする。初めての海外だったわけだが、全ては順調だった。何故なら全ては先に3ヶ月程アメリカ全土を放浪していたしげのお世話になりっぱなしだったからだ。それに、旅行者としてでは見る事が出来ないアメリカを見せてくれたシリルの好意もある。つくづく1人では何も出来なかったんだろうなと思った。

 人任せで、たいした目的も持たず、たいして下調べもせずに行ったからこそ空っぽの中に色々な感情が詰め込めたというポジティブな考えもあるが、全ては僕の周りの協力してくれた人あっての事だ。ほんの些細な会話を交わして今回の旅行への気持ちを後押ししてくれた友人や、旅行中、道中で出会った全ての人達にもお礼が言いたい気持ちになる。

 とにかく色々な人やモノに出会った。今回の旅で触れたものが僕にとって全てであり、アメリカそのものだ。しかし僕が触れた色々なもの達はごくごくアメリカの一部でしかない。ほんの小さなアメリカに触れただけだが、単純な自分はバカデカイ感銘を受けたと思う。具体的な事は何1つ言えないが、色々な事を学べた。この事をこれからどう生かすかと考えればかなりの難題だが、ごく自然にこの旅の経験が今後役立っていたら素晴らしいと思う。

 
--------------完--------------

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