キャラクターメイク
GM「じゃ、始めます。まずは隊長。キャラクターの設定をどうぞ」
PA「どもうー、PLのAです。今回は隊長役をやらせていただきます」
(パチパチパチ、と一同拍手)
PA「名前は高村一樹。やっぱ、桜の隊長だもの、名前に一が付かないとね」
PB「そうなの?」
GM「米田中将も一基だしね」
高村「海軍士官学校出身(*1)、航空隊出身ね。飛行機乗れます。進んだ理由は、髪が伸ばせて飛行機に乗れて女の子にもてるから」
PE「キムタクだあ!(*2)」
PD「ナンパ隊長かぁ」
高村「ところが何を間違えたか、特殊部隊になんか配属されて今すっかり気分はブルー。そんな様子で上野の桜並木を歩いています」
PB「萌えは?」
高村「は?」
PB「も! え! は!?」
高村「そんなの言うの?」
PB「当たり前だ! これは接待RPGなんだぞ!」
高村「聞いたことないわそんなジャンル!」
PB「無理もない。まったく新しいジャンルだからな。だが需要はあるはずだ。30過ぎてゲームしてると、仕事の関係なんかでなかなかゲーム友達が集まらず、ついついネットに流れてしまう。そんな人が、出張やら旅行やらで遠出して、ネットの知り合いに囲まれたりしたときに接待としてやるゲームだ! 隊長の萌えキャラずらり並べるに決まってるし、何せそのようが有利なんだよ!」
PF「そうなの?」
GM「いや。全然。あいつが勝手にそういってるだけ。ただまあ、たしかにそのほうが有利は有利かな」
高村「ちょっと待て。ってことは……」
PB「おうっ。キャラメイク等まだしておらぬわっ」
GM「威張るなぁ〜」
PB「怒るなよぅ。泣くぞ」
高村「まあ、とりあえず萌えは各人悟ってくれ」
PB「デブ専だっけ?」
高村「かぼちゃワインのエルはデブじゃないやい!」
PC「じゃ、俺から先ね。キャラは笠井牡丹(かさい・ぼたん)。20歳。ショートカットでスポーツ万能。ボク系ですな。父親が米田中将の部下だった軍の格闘指南役で、幼いころから柔道剣道空手はたたき込まれています。165センチの60キロくらい? 普段着は空手着にショートパンツで。特殊戦闘能力は『複数移動』。武器は拳」
PD「なんだ。米田中将の部下系設定だとかぶるなあ」
牡丹「いいんじゃない? 親友ってことにすれば」
PD「それもそうか。同じく、米田中将の部下の娘です。名は、久留米椿姫(くるめ・つばき)。15歳。腰までの黒髪を太く三つ編にしています。とっつきにくい意地っ張り系。父は、イタリアまで留学した砲兵でした。私も、父の技術を受け継いでおります。160センチの50キロ。普段着は詰襟軍服、腰に軍刀ね。父より帝国軍人魂をたたき込まれて参りました。軟弱者の海兵が隊長とは、認めたくないものですね。特殊戦闘能力は『絶対命中』。武器は88ミリ零弾砲」
PB「軍人なの?」
椿姫「いや。コスプレ。まだ15歳ですから、パパの真似なのよ」
高村「だいなしだあ」
PE「じゃ、俺な。サフラン・ライス。インド人。22歳。特技はカレー。髪の毛は、ボブカット。で、ターバンな。実は視力が悪いので眼鏡を掛けるんだけど、本人は嫌がってる。175センチ60キロ。普段着はサリー。インドの民族衣装な。特殊戦闘能力は『緊急行動』。武器は、呪い」
牡丹「魔法使いなの?」
サフ「いや。インドだし、ミステリアスで、オリエンタルで、呪い。え? 何? 変?」
GM「ま、まあもうこいつはどうでもいいや。次」
PF「では、私の番ですね。名前はぁ、厳島胡桃(いつくしま・くるみ)ですぅ。18歳。退魔師の家系でぇ、私自身もぉ、巫女、なんですよぉ? 髪の毛はみやび結いで。ボケ系。特殊戦闘能力は『同時攻撃』。武器はぁ、退魔の刀、『おろち』と『ころち』ちゃんでぇす」
PE「井○喜久子センチ、井上○久子キロ?」
PF「井上喜○子センチ、井上喜久○キロ」
PB「ん? するってぇと、ガキがいないじゃないか。となると……ハイ! 名前は張美蘭(チャン・メイラン)。11歳。上海華撃団結成に向けて勉強に来てるんだよー。デコロリ妹系。普段着はチャイナ服。特殊戦闘能力は『打撃強化』。武器は手品で」
GM「あとは隊長の呼び名だな」
牡丹「隊長さん」
椿姫「少尉殿」
胡桃「高村さん」
美蘭「お兄ちゃん」
サフ「ムトゥ。またはマハラジャ」
美蘭「てめぇインドそれしか知らねえんだろ!」
サフ「いやいや。知ってます。知ってます」
美蘭「じゃあ挨拶してみろ」
サフ「……ムッソリーニ〜♪(*3)」
美蘭「知らねーんじゃねーかっ」
サフ「じゃあお前は知ってるのかよ!」
美蘭「しらないからインド人やらないんだろ。だいたいてめぇ昨日は立位置マリア・タチバナとかいってたじゃねえか」
サフ「マリアだよっ。外人で最年長でミステリアスで!」
美蘭「ミステリアスの方向性が違う!」
サフ「仕方ねえなあ。じゃあ、呼び方はミスター。またはミスター高村で(*4)」
高村「じゃ、各キャライラストは胡桃のPLに任せるように」
美蘭「おジャ魔女のデコで頼むよ」
胡桃「見たこと無いんだ、あのアニメ……こんなかんじ?
牡丹「これは……ほんとに見たこと無いの?」
胡桃「うん」
美蘭「どれどれ……うを! クリソツ! どうしてっ」
サフ「アカシックレコードだったんだよ。デコロリは皆全てそうなるよう、人類がかつて神と呼んだそれが仕掛けてあったのさぁ」
美蘭「やな神だな」
サフ「畜生! 神をなめるな!」
牡丹「どうでもいいがどうしてそこでお前が怒るんだよ」
サフ「『インドは神の国だからです。バームクーヘ〜ン♪』(*5)」
胡桃「え? 始まってる?」
 始まります。
*1 現実の旧日本軍では、海軍は兵学校が正しいのですが、サクラ大戦の世界では海軍士官学校なのです。
*2 今回のリプレイの副題にもしましたが、「君を忘れない」という、神風特別攻撃隊を題材とした映画のなかで、木村拓也演じるパイロットが、似たような発言をしています。
*3 イタリアの政治家。ファシズム指導者。演説に優れ、1922年39歳で首相となって以来、25年以降はドゥーチェ(指導者)を名乗ってイタリアの政治を独裁的に掌握したが、敗戦を機に国外逃亡を企てたところをパルチザンに捕まりコモ湖畔にて銃殺される。1883〜1945。
*4 実はこの後アドベンチャーパートで、サフランはイギリス貴族とインド貴族の間に生まれた娘のため、インドを見たことが無いということになります。
 イギリスの占領政策の一環として生を受け、日英同盟の縁で軍事協力のため来日しています。ストーリーと関係しないため省略しましたが。
*5 先述のムッソリーニと節回しが一緒であることから、これもまたサフラン的インド語挨拶と推測される。