銭 湯 解 析

菊水温泉 (調査:H18.09.30)







足:JR阪和線「信太山」駅下車、改札を出て東へまっすぐ徒歩約3分。




駐車場もあり。


ちょうど地元では秋祭り直前で地車が走るらしく、通りにはズラーッと提灯が並んで勇壮そのものであった。



その中に菊水温泉さんの提灯を発見、やはり地元の大切な場所であることを伺い知ることができる。
営業時間:16時〜21時30、木曜休
 (オープンは15時45ごろ)
入場料:200円、小学生100円、小人80円
住所:大阪府和泉市伯太町6−8−13
電話:非公表

組合非加盟の共同浴場的な銭湯。
非加盟なので当然「大阪お風呂マップ」にも掲載されず、公営の共同浴場でも無いので、見つけたときは本当に嬉しかった。
なので怪我復帰後の初風呂をここに、と訪れてみた。

駅前の「スーパー玉出」の前を通り過ぎてしばらく歩くと、先に煙突が見えてくる、それを頼りに行くと、一見バス停のような処にベンチが置かれ、お客さんが数人座っていた。
まだ開店前に行ったのでシャッターは閉まっており、煙突が見えなければ私もここが銭湯であると気づくことは出来なかったであろう。。。それくらい町に溶け込んでいるのである。
16時頃に開店と書いてあったので、しばらく近くの市場を改装したスーパーで揚げたてコロッケをはふはふとほおばりながら時間をつぶし、再度訪れてみる。

こんどはしっかりと開店し、暖簾も掲げられていた。
やっとのこさ入れるぞ、とウキウキしながら暖簾をくぐってみて驚いた。

 

こんなにも旧き良き風情を残した銭湯とは驚いた。
外装は多少化粧されているが、内に入れば木の香りが漂い、番台後ろの簾が風に揺れているのがなんともいい、そして宝船のモザイク画がさらに良き雰囲気を醸し出している。
番台も少し高い目の旧いタイプ、座っている女将に料金を支払い、石鹸を買い求めて脱衣場へ。その脱衣場もこれまた木造のよき建築で、格天井に大きな二枚羽の扇風機が備えられていた。女将に聞くと今はもう動かしていないが古いでしょ、と微笑んでおられていた。
また脱衣場奥の神棚には大きな黒い招き猫が鎮座されていたのも印象的。ロッカーは合板製の新しいタイプに変えられていた。ただ、老朽化してきているのか床が所々に凹んでいるのが痛々しい、これも時のいたずらか。。。

早速服を脱ぎ、浴室へ、

 

こ、これはいい。。。浴室は仕切壁に沿って真ん中にメイン浴槽と奥に薬湯(「浴用中将湯」使用)浴槽が置かれており、またジェット装置など備えていないため、「かぽ〜ん系」の静かな浴室はさらに風情を醸し出している。
そして見上げてみると、壁は下半分は白タイル、上半分はトタンというこれまた旧さそのままを残しており、久々に風呂入れた喜びをかみしながら、のんびりと湯を愉しむことが出来た。
湯船に浸かっていると、湯のマイルドさに気づいた。そう、水道水特有の「キツさ」を感じないのだ、これは怪我あがりの私の足にはとっても優しく感じることができた。後で女将に聞けば、やはり井戸水を使用しているそうで、保健所も太鼓判を押してくれるほどの水質とか、いやぁ、ホント参りました(笑)。
洗い場は外壁沿いに並んでおり、カランのみのシンプルさ。
入口横には水はちが置かれているが枯れていた。またメイン浴槽の壁には鯉のタイル画が、浴室奥の壁にはどこか欧州の市場の様子を描いた画が飾られていた。ただ、気になったのは浴室内の所々に観葉植物が置かれているのだが、少々くたびれている、これはちょっと改善して欲しい。

風呂上がりにも女将さんと話したのだが、ここは和泉市でも最も旧い銭湯だそうで、建物自体は戦後に建てられたが、今も廃材を使用し、水質もいいので細々とやってますねん、と謙遜されていた。
あと組合について尋ねてみると、入っているという、しかし現在の組合リストには書かれていないが、帰って調べてみると昭和44年度「全国浴場銘鑑」の大阪府組合・和泉支部の頁にはしっかりと名前が載っていた。ただ200円というのは組合加盟銭湯としてはかなり安い金額(和泉市内の他の加盟銭湯でも規定料金より安い所も多いが・・・)でもあり、もしかしたら組合を脱退されているのかも知れないが、ある意味「秘湯」的な銭湯であることは間違いない。
いやぁ、いい風呂でした、また訪れますと約束して後にした。

風呂上がりにはビール缶(150円)、ジュース缶(100円)各種がある。ただ、休憩スペース手前の棚に置かれているラムネ瓶は中身が入っているけどオブジェとして飾られているので飲んではいけません。
評価:★★★★(の上)
コメント:少々くたびれてはいるが、旧き良き銭湯。
     この値段で今も頑張っているのがすごい。水質は泉州有数!
     みなさんにもオススメである。


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