銭 湯 解 析
敷島湯 (調査:H17.05.21) | |
足:近鉄大阪線「桜井」駅下車、北東へ徒歩約7分、JRの線路を越えないよう沿って歩くとよい。 |
営業時間:16時30〜22時30、 第月5・15・25日休 入場料:350円 住所:奈良県桜井市粟殿南元町99 電話:0744−43−6967 桜井旧市街の中に佇む銭湯。 通りからはちょっと路地に入ったところにあり、なんだか遠くへやってきたような錯覚にとらわれる。 暖簾をくぐり、番台で入浴料を支払って脱衣場へ。 ここの脱衣場、見上げてみて驚いた。 天井がやわらかなドーム状で、白く塗られた壁面に上部の窓枠が木製、と素晴らしきこと満開である。脱衣場の天井がドーム状というのは珍しい。 ロッカーも木製で筆で扉にアラビア数字が書かれ、仕切壁も木のぬくもりが豊かでいい。また部屋の真ん中にはアイロン台のような長椅子もある。 服を脱ぎ、さぁ浴室へ、と歩き出したらまたまたぶったまげた、 脱衣場と浴室の間の湯気抜きスペースの天井の形状がM字状になっているので湯気もスムーズに両端から外へ排出されると言う仕組み、こういった形を残しているのもまた珍しい。すごくいい。 そして浴室にはいると、 いやぁ、どう表現したらいいのでしょう! 床や壁は最近に改装はされてはいるが、天井のトタンの波板や浴槽の形状そして排水溝の配置など全然昔の風情をたっぷりと残している。浴槽はメイン(深・浅)のみ、ジェットなど付いていないので、桶の音も響きわたる「カポ〜ン系」な銭湯に私も静かなひとときをしばらく愉しんだ。 また外壁の真ん中に大きく窓が取り付けられており、そこから射し込む陽の光がなんとも心地よく贅沢である。 洗い場は外壁沿いにカランが並び、手前側がカランのみ、奥には固定式シャワーが付いている。また窓際の部分だけは立って洗うようにしているのか、一段高く棚が付けられていた。 いやぁなんともいい銭湯ですねぇ、と主に話しかけたら、40年ほど前に一度火事に遭ったそうで、その後に建て替えたからそんなに古くはないよ、とのこと。でもこの和風モダンな建物は名建築に値するのではないだろうか? ぜひ、みなさんも桜井にお立ち寄りの際には「力湯」共々、名建築をたっぷりと味わって欲しい。 風呂上がりには、缶が数種置かれてあった。 あと、蛇足であるが、脱衣場に、 ニチイの旧い宣伝が。。。世の移ろいとはなんともはかなげなものである。 |
評価:★★★★★ コメント:旧き良き名建築。 やわらかなドーム天井の脱衣場と浴室の窓は必見。 |