銭 湯 解 析

辰巳温泉 (調査:H19.04.07)







足:近鉄山田線・JR参宮線「伊勢市」駅下車、西へ線路沿いに徒歩約10分。
ただし、正面玄関は線路沿いの道から一本南に平行の道沿いにある。



「ゆ」の看板が目印
営業時間:15時〜23時、水曜休
入場料:大人350円、小学生150円、
 幼児70円
住所:三重県伊勢市大世古2−8−4
電話:0596−28−3778

神宮目指して古今東西から旅人が集まった街・伊勢。当然に東西の様式を取り入れた特色ある銭湯も数多い。

ここ辰巳温泉さんもその旧き良き風情を残している数少ない銭湯の一軒である。この外観からもわかるように、この千鳥破風の堂々とした雄姿には惚れ惚れしてしまう。
さらに近づく、

 

いいですねぇ。
実はこの日は生憎の雨模様であったのだが、この姿に思わず立ちつくしてしまった。
期待を胸に暖簾をくぐり内へ、

 

入ってすぐに下足場と脱衣場が仕切られずに一体化しているのは京都文化圏に多い構造である、ここは関西風の銭湯なのだと感じた。室内は天井や壁など改修されてはいるが、気の窓枠といい、木の床(これは檜か?)の年季が入っても反り返りもないところを見るに、かなり贅沢な建て方をしているな、と建築のド素人である私でも感じ入ってしあう。ロッカーも木製の漢数字が書き込まれた旧いスタイル。そしてなんと言ってもこの広々とした空間はなんと言っても素晴らしい。
早速服を脱ぎ、浴室へと向かう、脱衣場と浴室は別棟構造で渡り廊下的に洗面所があるのは、これも関西風のスタイルである。中庭を眺めながら浴室に向かっているとなんか奈良か京都の旧い銭湯にやって来たような錯覚すらおぼえる。また浴室へ入る扉は両開きの押しても引いても開く構造、ちょいウエスタンな気分で浴室に入ることもできる(冗)。
浴室は以外に狭く、真ん中に楕円形のメイン浴槽(深・浅)がある他に、奥に小さなジェット風呂、電気風呂にバスクリン風呂が申し訳なさそうにあった。
私はずっとメイン浴槽に入っていたが、タイル張りのかなり年季の入った浴槽はなかなかにいい、そして天井も壁も青く塗られたトタン板で覆われ、これが「旧うおまっせ」と語っている。
そして湯に浸かって思ったのは、やはり湯の質がとてもいいことだ。さらっとした湯は、ここの水域の水質の非常に良いことを語られずとも感じるのだ。こう感じたのは新潟に訪れた時以来である。
あと、気づいたのは仕切壁の上部に宣伝があるのだが、これが照明を兼ねているところがなかなかにユニークではある。ちょっと写真でもと思ったが、この時は5人ほど他にお客さんがいたので迷惑は良くないと断念。でも一見の価値はあるかも。
カランには固定式シャワー(一部)あり。

風呂上がりには感が中心だが、明治牛乳の瓶もあり。
評価:★★★★(の上)
コメント:旧き良き贅沢な建築。
     湯の質もいいし、風情も最高。


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