銭 湯 解 析

天王温泉 (調査:H13.02.04)


足:三宮駅より、そごう前のバス停より市バス6or7系統に乗り約20分『平野』バス停下車、北方向へ徒歩約5分。



湊山温泉(ここより北へ約2分にある)側から来るとこのように小さな橋がお出迎えしてくれるので雰囲気は最高。
営業時間:6時30〜22時30(入場は22時まで)、月曜休
入場料:大人410円、ドライヤー使用20円
住所:神戸市兵庫区上三条町5−7
電話:078−511−8087

東大寺を焼き払った平清盛の都、福原の時代よりの由緒ある温泉である。当時より卓効の霊泉として利用され、明治に入って公衆保健に供する目的を以て公衆浴場として現在に至る。
泉質は『含土類重曹泉』、やや黄色がかっているが寒さで冷え切った体にはあたたかく本当にありがたい。
建物も当時のままの姿を残し、素晴らしい。脱衣場には古い看板があったり、畳敷の休憩所もあったりと情緒は最高である。
浴場も湯気たっぷりで、あぁ温泉という気分を盛り上げてくれる。湯温もちょうどいい、ほんわか暖まる。
また、奥には気泡風呂もあるがかなりの旧式で空気口が宇宙戦艦ヤマト2に出てくる彗星帝国艦艇の回転式砲塔(マニアな話ですんません)に似てて思わづ子供の頃を懐かしく感じてしまった。泡も弱〜く出ているのも微笑ましい。浴槽の底や縁には温泉成分が付着して感触がなんともいい。
さらに、トイレに行き、出たときに管理のおばちゃんが「さむいやろぉ」と言ってドアを閉めてくれたのはとっても嬉しかった。
本当に体も心も温ったまるいい温泉だ。

風呂上がりには、みかん水にラムネ(70円)やコカコーラにファンタ(80円)がある。外にも多数自販機あり。
評価:★★★★★
コメント:今も残るよき温泉銭湯。気分は最高。
     風情を楽しむにはもってこいである。

<神戸・天王温泉は平成16年8月1日をもって廃業しました>
(H16.7.28調査)

「神戸新聞Webニュース記事より」

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou04/0727ke40050.html

この神戸新聞のWebニュース(情報提供、M氏)の文中に書いているとおり、廃業の情報が飛び込んできましたので急遽調査に行ってきました。
行けばいつものように営業されていましたが、玄関脇に、

 

と、高齢化と水道料金の大幅な値上げに伴ってこのままの維持が困難となり、8月1日をもって営業を終了する、との旨が書かれた案内が貼られておりました。浴場内はいたっていつもの雰囲気でお客さんがのんびりと湯を愉しまれている姿を見るにつけ、明治38年よりの歴史ある浴場だけに廃業されるのは本当に残念でなりませんが、これも時の流れか、いたしかたないのかもしれません。

聞くに、神戸新聞の記事を見てから、残念がって訪れる客が結構おられるらしく、早朝から夜遅くまでの営業が高齢となった従業員の身には辛く、今年度からの水道料金値上げ(従前の4倍以上も)がとどめを刺した形になったようです。

 
 
もうみることのできない立派な格天井

惜しまれつつ暖簾を下ろした天王温泉に感謝と敬意を捧げつつ。

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