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フランク・ヘネンロッターズ
セクシー・ショッカーズ
〜サイコ・リール〜
Frank Henenlotter's Sexy Shockers
-Psycho Reel-

米 1994年 100分
サムシング・ウィアード・ビデオ


 

『バスケット・ケース』フランク・ヘネンロッターが監修した『セクシー・ショッカーズ』シリーズのカタログ的ビデオ。サムシング・ウィアードから出ているビデオは当たり外れがあるので、これを見てから買うとよい。私の独断に基づく採点は以下の通り。

『the Awful Dr. Orlof(美女の皮をはぐ男)』(62年・スペイン=仏)
 これは実際に観たから断言できるが「大当たり」である。投げやり人生になる前のジェス・フランコの職人芸を堪能できる1本だ。
ここを参照。

『Horrors of Spider Island』(60年・西独)
 おそらく「当たり」である。とにかく、化け物蜘蛛の造型が素晴らしい(左写真)。怖くない。可愛すぎる。しかし、これに噛まれると蜘蛛男になって悪さをする。可愛いけど悪い蜘蛛なのだ。イタリア映画かと思ったらドイツ映画で、ドイツにもこんなのがあるんだなあ。

『the Monster of Camp Sunshine』(64年・米)
 間違いなく「外れ」。女の裸を見ることだけが目的のヌーディー・キューティーの1本で、この手の映画の退屈さは『死霊の盆踊り』を観たことがある方ならば納得して頂けるであろう。


 

『the Curious Dr. Humpp』(71年・アルゼンチン)
「大当り」の匂いがする。
 レズビアンがちちくりあっている様を映す合間にカメラは屋外にもレンズを向ける。すると、そこには『去年マリエンバードで』みたいな庭園で『ドグラマグラ』のような解放治療を受ける男女たち。その傍らでとてつもなく変な顔の男がギターを弾いている(左写真)。
 ナンジャコリャ?。
 一方、主役のドクター・ハンプはというと、実験に失敗して、脳ミソに怒られているのだ。
 ナンジャコリャ?。
 タイトルの通りにとても奇妙なアルゼンチン映画である。

『the Beast that Killed Woman』(65年・米)
 一見明白な着ぐるみのゴリラがヌーディスト村で暴れる。どう見ても「外れ」でしょう、これは。


 

『Mundo Depravados』(67年・米)
 ヘルスクラブを舞台にした連続殺人ものである。殺人描写は結構雰囲気があり(左写真)、ひょっとしたら「当り」かも知れない。

『Satan in High Heel』(62年・米)
 クラブのダンサーがオーナーとその息子を同時に虜にしたために惨劇に発展する、という話らしい。この手のB級ノワールには意外な「当り」があるものだが、はて、これはどうだろうか?。

『Echo』(63年・伊)
 モンド映画の一つ。ここでは悪魔教秘密儀式の盗撮(大嘘)が紹介されているが、面白くもなんともない。モンド映画は当たり外れの顕著なジャンルであり、注意を要する。

『Sex Killer』(67年・米)
 タイトルのまんまの映画である。面白いのだろうか?。私は面白くないような気がする。

『Day of the Nightmare』(65年・米)
 このビデオには、鏡台の前で女の下着を身につけて、そして、ナイフをかざしてニンマリする変態男が収録されているが、あらすじを見ると「墓から蘇った女の復讐譚」。チグハグなので判断不能。いったいどんな映画なんだ?。


 

『Mondo Balordo(世界の裏の裏)』(64年・伊)
 モンド映画である。ナレーターはボリス・カーロフらしいが「だからなんなんだ?」という気もする。ここでは「香港のヌード撮影」が紹介されているが、どう見ても日本である。だって日本語だもん(左写真)。

『the Fat Black Pussycat』(63年・米)
 ハイヒール・フェチのサイコ・キラーもの。この手のB級ノワールには意外な「当り」があるものだが、はて、これはどうだろうか?。

『Bloody Pit of Horror(惨殺の古城)』(65年・伊)
 これは確認済の「大当たり」である。
ここを参照。

『Love Cult』(70年・米)
 催眠術師が金儲けのために「ラブ・カルト=セックス教」を始める話らしい。つまらなそうだ。

『Mondo Pazza(続世界残酷物語)』(63年・伊)
 ヤコペッティ様であるぞ。「大当たり」でないわけがない。
ここを参照。

『Two Girls for a Madman』(68年・米)
 ジャン&ディーンのヒット曲をもじったタイトルの情けなさに泣けてくる。「とほほ」という言葉はこういう時にこそ発するべきだ。とほほ。


 

『Sexy Proibito』(63年・伊)
 ストリップ映画である。
 フランケンシュタイン博士が人造人間を完成させる。すると、看護婦が人造人間が寝ている横でストリップを始める(左写真)。大勃起の人造人間はロープを断ち切り、看護婦に襲いかかる.....。
 見ていて情けなくなってきた。

『House on Bare Mountain』(62年・米)
 これは観ている筈なのだが、まったく憶えていない。私が憶えていないということは、それだけの映画である。女学校で狼男やドラキュラやフランケンがうろうろする。監督は『ミスター・オセロマン』のリー・フロスト


 

『the Ultimate Degenerate』(69年・米)
 車椅子の写真家がヌード・モデルにおイタをする。乳首を洗濯ばさみでつまみ、バイブレーターをおマタに挿入する。かなりの変態映画であり、調べてみたら監督はスナッフの故マイケル・フィンドレイ納得。

『Invitation to Ruin』(68年・米)
 変態映画が続く。
 舌を抜かれた中年女が奴隷の女に鞭を打ち、そして、性器を焼き焦がす。そういう映画だ。そういうのが好きな方はどうぞ。

『Mondo Bizarro(世界猟奇地帯)』(66年・伊)
 モンド映画にしては中の下という出来。監督は『ミスター・オセロマン』のリー・フロスト
ここを参照(憶測だけで書いた間違いがあるが、面倒なので直さない)


 

『the Electric Chair』(72年・米)
『ドクター・ゴア』で知られるパット・パターソン(ハーシェル・ゴードン・ルイスのスタッフだったらしい)による法廷劇。セコい花火による電気椅子シーン(左写真)が悲しい。BGMのムーグの音もショボくて、泣けてくる。泣けてくる。泣けてくる。
 秋の夜長に泣きたい方はどうぞ。

『Honeymoon of Terror』(61年・米)
 浜辺で日光浴する女が金切り声をあげる。原因は、イイ顔の親父(ドヤ系)が顔を覗き込んだだけだった、という、何が「Terror」なんだかよく判らない作品。お前、驚き過ぎ。


 

『the Psycho Lover』(70年・米)
 タイトル通りのサイコ・キラーものだが、吉本新喜劇のような書き割りセットがリアリズムを台無しにしてしまう(左写真)。しかし、笑いは産む。いや、笑いっちゅうか、失笑なんだけども。

『Mondo Freudo』(66年・米)
 またしてもリー・フロストによるモンド映画。先の『世界猟奇地帯』とほとんど同じような内容である。サムシング・ウィアードではこの2本をカップリングしてDVDにしているが、同じ映画をカップリングしてどうする。

 かなり疲れてきたぞ。


 

『Death by Invitation』(71年・米)
 久々に「当たり」の匂い。
「魔女狩りで焼き殺された女の子孫の復讐譚」というあらすじはチンケだが、床に血が流れているのを見つけた男がその源泉を辿って行くと、そこには潰れた女の残骸がビニール袋に詰められて吊るされていた(左写真)という描写にはゾッとさせられる。これはなかなか迫力あるですよ。

『She Mob』(68年・米)
 またしても変態映画。4人の女囚(レズビアン)が脱獄し、金持ちのボンボンを誘拐して弄ぶ。
 こういうのが好きな方はどうぞ。

『Heat of Madness』(66年・米)
 見た感じでは血を吸うカメラの亜流作である。

『the Girl from S.I.N.』(66年・米)
 違う意味で「大当り」な作品。
ここを参照。

『Room of Chains』(72年・仏)
 タイトルの通りに、誘拐した女を鎖で縛り上げる映画。
 こういうのが好きな方はどうぞ。

 やっと終わったあ。後半は投げやりだあ。
 広い広い世の中には、上に掲げた怪作群をすべて観た方がいるわけで(少なくとも、ヘネンロッターはすべて観ている)、なにやら空恐ろしいものを感じる。