血を吸うカメラ 英 1960年 102分 |
この映画を初めて観たのが東京12チャンネルの午前中の映画枠。浅草のれん街が提供のやつである。タイトルから吸血鬼映画かと思ったがさにあらず。奇妙な連続殺人鬼の物語だった。 映画スタジオの撮影助手、マークは趣味でドキュメンタリーを撮っている。テーマは「恐怖」。カメラの先端にナイフを取りつけ、恐怖におののく女性の断末魔の表情を撮影しながら殺害していたのだ。やがて、警察に追われたマークはカメラを自分に向ける。そして、己れの断末魔の表情を撮影しながら息絶えるのであった。 当時小学校低学年の私には、この映画の趣旨がさっぱり判らなかった。そもそも変態殺人自体が理解できなかったし、東京12チャンネル版のズタズタ編集では判る筈もなかった。 |
『血を吸うカメラ』はそれほど酷い作品だろうか?。ほぼ同時期に製作されたヒッチコックの『サイコ』との対比から考察してみよう。 |
マークは何故に女を殺し、その恐怖に脅える様をフィルムに収めたのだろうか?。 むしろ、彼の犯行の動機は、原題である「ピーピング・トム=窃視症」に求められるべきだろう。 |