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「BOMB=最低映画」のハイライト集である。サブタイトルに曰く、 そのチョイスはなかなかのものだ。私もこのビデオに出会わなければ、ここまで最低映画に入れ込まなかったろう。 まず登場するのが『テラー・オブ・タイニー・タウン』(左写真上)。出演者が全員小人という異色西部劇だ。畸型マニアの間ではカルトムービーになっているが、我が国ではテレビ放映はもちろん、ビデオ化も不可能であろう。 不可能なのは続く『チェインド・フォー・ライフ』(左写真二段)も同様である。『フリークス』にも出ている有名なシャム双生児、ヒルトン姉妹を主役に迎えた法廷劇で、片方が片方のフィアンセを殺して、二人揃って被告席に座るという冗談のような作品だ。 同じ畸型でもテレビ出演無問題なのが巨人である。ジョーズことリチャード・キールがタイトルロールに扮した『イーガー』(左写真三段)は、現代に蘇った原始人の物語。パーティー会場に絵に描いたような原始人ルックでヌッと現れる様は爆笑ものである。 続く『ワイルド・ギター』はエド・ウッドと並ぶダメ監督、レイ・デニス・ステックラーのゴーゴー映画。誰が聴いても凡庸な歌にプロデューサーが「これでミリオンヒットが狙える!」と興奮する。これがギャグではなくマジなのだから驚きである。(なお、本作にはあの江戸木純氏が『ギターを抱えた渡りガニ』の邦題でビデオ化しようとしたが成らず、という逸話がある) 強烈なのが『ハウス・オブ・ミュータント・ウィメン』(左写真下)だ。こんなメイクを見せられて笑わない方がおかしい。しかし、この映画、IMDbで検索してもヒットせず、実在するのかハテナである。当ビデオのクレジットには「フレッド・オーレン・レイの好意による」とあり、ひょっとしたら彼の自主製作映画か?。 そして、最後に真打ち登場。エド・ウッドの『死霊の盆踊り』である。このたび改めて全編鑑賞してみたが、惚れぼれするほどのダメっぷりだ。特に、狼男に捕まった主人公が中腰で後ずさりしながら連れて行かれるシーンは何度見ても笑ってしまう。このビデオにもそのシーンはちゃんと収められている。 以上の他にも、パーマをかけた原始人女がツノをつけたアヒル(プテラノドンのつもりらしい)に襲われる『プレヒストリック・ウィメン』や、エド・ウッドのスケ番映画『バイオレント・イヤーズ』、ハーシェル・ゴードン・ルイスの非スプラッター映画『スカム・オブ・ジ・アース』、ゴミ袋のような怪物が衝撃的な『クリーピング・テラー』等、極めて充実している。 |