インクレディブリー・ストレンジ・クリーチャーズ
THE INCREDIBLY STRANGE CREATURES
WHO STOPPED LIVING AND BECAME MIXED-UP ZOMBIES !!?
米 1964年 82分
監督 レイ・デニス・ステックラー
出演 キャッシュ・フラッグ(レイ・デニス・ステックラー)
キャロライン・ブランド
「もう一人のエド・ウッド」と呼ばれている人がいて、それがこの映画の監督、レイ・デニス・ステックラーである。自らが俳優として出演したりするので、エド・ウッドと比較されるのであろう。本作では主役を演じている。
演出のヒドさ、作品の退屈さもエド・ウッド並みである。しかも、この人の悪いところは「俺は音楽については判ってるのさ」とでも云わんばかりに、物語とは関係ない歌と踊りを延々と映し出すことである。見ようによってはウッドよりもタチが悪い。本作の冒頭のナイトクラブで延々と踊るのは、ステックラーの当時のカミさん、キャロライン・ブランド。ステックラー映画の常連であるが、カミさんのヘタなダンシングを延々と映し出すのはいかがなものか?。公私混同も甚だしい。
さて、「史上初のモンスター・ミュージカル!」と銘打たれた本作のあらすじであるが.....えーと、あらすじでありますが.....あらすじはありません。それほどに破綻していて説明できないのだよ。カーニバルの占い師の女が、客の男の顔に硫酸をかけてゾンビにして飼っている。顔に硫酸をかけると何故ゾンビになるかの説明はないし、占い師の動機の説明もない。とにかく、そうしているところへステックラーが客で来る。占い師は彼に催眠術をかけて殺人鬼にしてしまう。そして、いろいろと殺して、警官に撃たれて終わり。面白くもなんともない。
この映画、あちらでは「分裂症的」と評されているそうである。たしかに、繋がらない物語と無意味な歌と踊りの洪水は分裂症患者の見た悪夢のようだ。気狂いの頭の中を見たような気にさせてくれるところが、ステックラーの人気の秘密なのかも知れない。(もちろん、ごくごく一部の人々の間での人気なのであるが)。
↑この若ハゲがステックラー。
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