シュラム 独 1993年 67分 |
『ネクロマンティック』で悪名高きユルグ・ブットゲライトの、今のところの最新作である。 主人公は「口紅殺人鬼」の通り名で世間から恐れられている存在である。しかし、その実は短小包茎の小男で、そのコンプレクスから生身の女性を相手にすることが出来ない。ひとまず殺害し、無抵抗にしてから口紅を施し、そして、屍姦するのだ。 |
孤独のうちにテンパって行く彼は、様々な幻覚に悩まされる。朝、起きれば右足が切断されている。歯医者に行けば目玉を穿られる。鏡を見れば額が割れて脳ミソがはみ出る。股間がムズムズするので布団を剥ぐと、ヴァギナ状の奇妙な生物がチンポコを狙っている(左写真)。極限状態に達した彼は、遂に己れのチンポコに釘を打ち込む。 なお、本作のビデオにはメイキングが収録されており、これがまた実に和気藹々としていて楽しそうだ。とても上映禁止処分を喰らった映画の現場とは思えない。これを見て「イメージを壊された」と怒るか、それとも「安心した」と喜ぶかは人それぞれであろう。(ちなみに、私は「安心した」派である。こんな映画、真剣に黙々と作られては堪らない)。 |
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