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ルッジェロ・デオダート
RUGGERO DEODATO
(1939-)

《監督》
*バニシング(1976)
*カニバル(1976)
*フィーリング・ラブ(1978)
*コンコルド(1979)
*真夜中の狂気(1980)
*食人族(1981)
*コンコルド(1979)
*サバイバル・ショット/恐怖からの脱出(1985)
*ブラディ・キャンプ/皆殺しの森(1986)
*ダイヤル・ヘルプ(1988)


 特許を巡って争われていた「青色発光ダイオード」をニュースで耳にするたびに「ルッジェロ・デオダート」を思い出してしまう私は、はっきり云って変人である。『食人族』は見ていても、その監督の名前までも覚えている人はあまりいないだろう。

 デオダートの監督作が我が国で初めて公開されたのは、無法刑事が暴れまわる『バニシング』だったと記憶する。明らかに『フレンチ・コネクション』や『ダーティ・ハリー』を模倣した本作は、ポパイ刑事やハリー・キャラハンを上回る無法ぶりを描き、イタリア映画の無節操、並びに徹底ぶりを我々に再認識させたのであった。

 続く『カニバル』の食人世界で我々を圧倒したデオダートは、『食人族』で『ET』に次ぐ興業成績を記録(あくまでも我が国での話)、「食人監督」としての地位を不動のものにする。
 名匠ロベルト・ロッセリーニの助監督としてキャリアを始めたデオダートは「ネオ・リアリズム」の手法を応用して『食人族』を演出。しかし、あまりにもリアルだったために、『食人族』をドキュメンタリーだと思っている人は今でも多い。

『カニバル』と『食人族』のヒットが故にグロテスク・ホラーばかり撮っていると思われがちなデオダートだが、その実は職人監督で、あらゆるジャンルをものにしている。
 たとえば『フィーリング・ラブ』。これはハイ・ファイ・セットの唄う『フィーリング』のヒットを受けて、日本ヘラルドが製作した「難病ロマンスもの」。日本ではもちろん、イギリスと南米でヒットしたそうだが、こんな『ある愛の詩』みたいな映画を「食人映画」の合間に作ってしまう感性には脱帽させられる。
 それから、「エアポート」シリーズをパクった『コンコルド』。
「食人映画」を挟んで、純愛ものからパニック映画へと縦横無尽に行き来するデオダートの仕事ぶりには、めまいさえ覚える。


関連作品

カニバル (LAST CANNIBAL WORLD)
食人族(CANNIBAL HOLOCAUST)


 

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