マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の狂宴 伊 1990年 120分 |
ポーの短編を現代風にアレンジしたオムニバス作品。『ゾンビ』を放ったロメロとアルジェントが12年ぶりにタグを組んだ話題作だったが、いずれファンにとっても物足りない、中途半端な仕上がりとなった。 まずは、ロメロが監督した『ヴァルドマー事件の真相』。臨終の人間に催眠術を施すことにより、どれだけ延命させることができるかを描いた原作に、遺産を巡る愛憎劇を加味し、最後には観客の期待通りにゾンビ登場で幕を降ろすが、出来はあまりよろしくない。この程度の話に1時間は長過ぎる。ロメロが製作していたTVシリーズ『フロム・ザ・ダークサイド』の30分枠がちょうどいい長さである。 続いて、アルジェントが監督した『黒猫』。妻を殺してしまった男が、黒猫の怨霊により破滅する物語だ。基本線は原作と同じだが、主人公を屍体専門のカメラマンにしたことでアルジェントの猟奇趣味が炸裂。『陥穽と振子』をモチーフにした凄惨な殺人現場も登場し(左写真上)、 ゾンビと美少女イジメで名をなした監督には、ポーのような古典は不向きなのかも知れない。 |
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