御蔵島のみどころ.3
乙女峠〜御山〜長滝山縦走
2004年4月より山道の立ち入りにはガイドが必要になりました。
 このコースは、乙女峠から御山、長滝山にかけて山頂の尾根伝いに縦走するコースだ。
 前も右も左も海が広がるダイナミックな景観を堪能できるだろう。風がもろに吹き付ける場所だが、但し、よく晴れいる日で、更に山頂に雲がないときは御蔵島でもっとも気持ちの良い御蔵島No.1のコース。昼早くでて半日あれば回れるコースだ。
御蔵島の地図(乙女峠〜御山〜長滝山コース)印刷用の地図はこちら 2003年3月)
御蔵島の森は私有地も多く、道以外の場所に立ち入ることは禁止されています。信仰の対象となっていて島の方が大切にしている所も各所にあるので、道以外の場所には立ち入らないようにしましょうね。
水汲み場
(鉄砲場の先の曲がり角周辺。西川住宅前)

  湧き水を汲める場所だ。こんこんと湧き水があふれ出ている。知らない人がみると、一見下水に見えてしまうかも知れないが、正真正銘の御蔵島のミネラルウォーター。しかしながら現在は、このあたりを公園化するために整備工事中の為、水を汲むことはできない。工事が完了するのを待とう。以前は森にでかけるときはここから水をペットボトルに汲んで山に出かけることが多かった。この時はイソヒヨドリも水浴びに来ていた。

草祭りの神様
(里から車で15分程度)

 鳥の尾からボロ沢橋の間、途中左側に草祭りの神様がある。左カーブを曲がってすぐにあるので気をつけて探さないと、あっと言う間に通りすぎてしまっている。人が里から山に入る時は、ここに草を一本置く習慣がある。ここに草があるときは人が山に入っていてまだ降りてきていない事を意味している。山から下りてきたら自分で置いた草は取り除いてから帰ろう。島の反対側の南郷にも草祭りの神様があるぞ。
 ボロ沢
(里から車で17分程度)
 伊勢の材木屋「白子屋」のお熊が婿殺しの罪で鋸引の刑となり母のお常は御蔵島に島流しになった。島流しにあったお常は白子屋から食べ物を御蔵島に送らせ、島でも贅沢な暮らしをしたという。その一つに「ボロ沢のそうめん流し」がある。上流からそうめんを流し、下で役人を接待したという。そうして役人に取り入り江戸に帰ったという。
 ボロ沢は赤い橋が目印。里から三宝橋を通って鉄砲場を通り過ぎひたすら進むとやがてたどり着く。道沿いの草はハチジョウススキが見られるが、このボロ沢あたりにくるとガクアジサイ-ラセイタタマアジサイに全くとって代わる。鈴原湿原へ行くには、この橋の直ぐ手前に鋭角に左に曲がる坂を登って行くのだが、乙女峠方面に行くには、この橋を渡ってひたすら進もう。
 
えびね公園
(開園 月水金) 園内無料ガイドあり

  (里から車で27分)
  ニオイエビネランを復活させる試みがなされている。中は自然の森の中に板を渡した道が作られており、自然の森の中に咲くニオイエビネの様子を再現している。2002年は開花が早く、散り始めているがGW連休中はなんとか見ることができるはずだ。公園内にはユズリハ、ヤマグルマ、スダジイ、オオシマツツジが見れらる。セッコクやオオバヨウラクランも着生しているので是非みておこう。入場無料。
 入り口の外には駐車場やトイレがあり、エビネ公園が閉園日であっても、山に入る前に用を足すことができるのも便利だ。

  エビネ公園の詳細
乙女峠
(えびね公園から車で1分、そこから徒歩25分)
 
乙女峠の上は平らな地面が少しある。そこにベンチと標識が立っている。この写真の背景にある山の下が深い谷になっている。写真右手の下の方には海をみることができるだろう。ここもダイナミックな景観を楽しむことができるでしょう。目の前の谷は川田の谷と呼ばれるカルデラ地形だ。太古に御蔵島が噴火し、その後、平清水川の流れによって侵食が進んだ侵食カルデラとも言われています。
御山の山頂
(乙女峠から更に徒歩70分程度)

 標高850.8mの御山山頂の標識。山頂には小高い丘が3つ続いており、これが溶岩ドームであることが容易に想像できるはずだ。山頂に出たら3つの丘を渡り歩いてみよう。両側は切り立った崖で、左右両側、そして前方とほぼ360度海で囲まれた眺めを満喫できるに違いない。さすがに山頂は風が強く寒さを感じる。上に羽織るものは必ず持っていこう。
急階段(分岐2)
御山から10分

 乙女峠から御山に来て、そのまま直進すると急な階段を下りることになる。急な階段を下りきるとそこはT字路になっている。このとき、階段から下りてきて左に曲がると地図の分岐1に出る。逆に右に曲がると一の森を抜けて、長滝山に抜けることができる。

 注意:一部のガイド本には、ここに道標があると書いてあるものもありますが、実際にはここには道標はありません。(〜2002年9月14日現在)
長滝山近傍の眺め
  お山から一の森を越えて長滝山に向かう途中、長滝山近傍から御代ヶ池を見下ろすことができるポイントがある。御代ヶ池の湖面には青い空や雲が渡っていくのを眺めることができるだろう。

長滝山
(御山から70分程度)
 御山から長滝山までは尾根伝いではあるが、かなりハードだ。この一帯では春にはショウジョウバカマ、マイヅルソウ、ハチジョウチドリ、シチトウスミレなどを見ることができるだろう。梅雨時にはサクユリなどが見れるだろう。
長滝山入り口
(長滝山から山道を徒歩で20分程度。里からは車で30分程度)

 ガイドがなく行けるのはこの長滝山の山道入り口手前まで。ここから先は御蔵島村のガイドが必要になる。里からここまでは車では約30分程度だ。このあたりはドコモの携帯電話も通じる。
 ところでこの長滝山入り口手前の車道の斜面は特に面白い。山道に入ってしまうとなかなか見れない植物もある。車道沿いには多数のウメバチソウ、イズノシマダイモンジソウのなどだ。ハチジョウチドリ、シチトウスミレなども数は少ないが見ることができるはずだ。