御蔵島のみどころ.5
長滝山に登るハイキングコース
( 2004年4月より山道の立ち入りにはガイドが必要になりました。)
宿から出かける時は、必ず行き先を言って出かけよう。
長滝山だけであれば、車の送迎があれば半日あれば充分行ける。
植物を観察するにも散歩をするのにも適しているコースだ。

御蔵島の地図 印刷用の地図はこちら 2003年3月)
御蔵島の森は私有地も多く、道以外の場所に立ち入ることは禁止されています。信仰の対象となっていて島の方が大切にしている所も各所にあるので、道以外の場所には立ち入らないようにしましょうね。
近藤啓次郎の腰掛石
(里から車で5分程度)

 江戸時代、御蔵島は島流しの島として凶悪犯が送られてきた時代があった。その一人、近藤啓次郎は島に流されると字の読めなかった島の人に「送り状」を自分で読み聞かせ、「この男に油断するな」というところを「大事にしろ」と変えて読み島の人をだまし厚遇を要求した。さらには島の名主を日本刀で斬殺して逃走。この石は追っ手に追われた啓次郎が血だらけの太刀を杖にして腰をおろし、観念して縄に付いた場所とされる。
伊奈佐のオオジイ
(里から車で10分程度)

  里から車で行くと川田の橋よりもっと手前に、道路の左側に立つ大きなスダジイを見ることができる。ここは路肩が少々広くなっており車を止めることができる。このあたりは川田のあたりまでガクアジサイ-ラセイタタマアジサイ群集を観察することができるだろう。
川田の沢
(里から車で15分程度)

 典型的なガクアジサイ-ラセイタタマアジサイ群集を見かけることができる。沢の岩にはハチジョウカンスゲなどの植物を見つけることもできるだろう。この上には給水所があり、各家庭への水はこの上流から取っている。ということは御蔵島の家庭の水道はミネラルウォータ「御蔵島の水」と同じところから引いているということだ。
 
長滝山入り口
(長滝山から山道を徒歩で20分程度。里からは車で30分程度)
 
ガイドがなく行けるのはこの長滝山の山道入り口手前まで。ここから先は御蔵島村のガイドが必要になる。里からここまでは車では約30分程度だ。このあたりはドコモの携帯電話も通じる。
 ところでこの長滝山入り口手前の車道の斜面は特に面白い。山道に入ってしまうとなかなか見れない植物もある。車道沿いには多数のウメバチソウ、イズノシマダイモンジソウのなどだ。ハチジョウチドリ、シチトウスミレなども数は少ないが見ることができるはずだ
長滝山
(長滝山入り口から長滝山まで徒歩20分)

 長滝山までのハイキングコースは道も広く歩きやすい。島の南斜面であるために明るくて植物も豊富、植物観察に適している。春のショウジョウバカマ、ハチジョウチドリ、マイヅルソウ、秋にはイズノシマダイモンジソウ、ウメバチソウなども見られる。小さな花でも採取などはしないでそのままにしよう。(御蔵島全土が富士箱根伊豆国立公園に指定されていて、植物、動物、昆虫の採取が禁止され、自然を取り戻す努力がなされいる。)
長滝山付近からの眺め
 長滝山山頂を通り過ぎ、御代ヶ池方面に下る分岐(急斜面でもあり、現在は藪に覆われ、この分岐から御代ヶ池方面に下ることはできない。2002年5月現在)のあたりに来ると木の隙間から御代ヶ池がかすかに見えるだろう。さらに進むと左手に御代ヶ池を見下ろすことができるポイントがある。このあたりにもユズリハやミクラザサを見ることができる。
巌ヶ原
(長滝山入り口から徒歩40分程度)

 巌ヶ原から一の森、御山方面を望む展望。長滝山から尾根伝いのコースは両側が崖になっていて見晴らしも良く、歩くのも楽しい。両側とも強風で曲がったツゲの低木が並んでいる。このあたりの山道にはモウセンゴケなどの植物も見られるはずだ。
一の森
(長滝山入り口から45分程度)
 この山の右手下の崖中腹に、この山を迂回する道がある。この道をさらに進むと御山の山頂付近の分岐にたどり着く。
分岐2
(長滝山入り口から55分程度)

長滝山から巌が原を通り過ぎ、一の森の脇をすり抜けると森の中の道になる。細い森の中の道をたどると直に左に上がる急階段が現れる。ここの長い階段を10分ほど登ると御山の山頂にたどりつく。


 注意:一部の旅行ガイド本には、ここに道標があると書いてあるものもありますが、実際にはここには道標はありません。おそらく鈴原と小美代の間の分岐の道標と間違えているようです。(〜2003年5月31日現在)
御山の山頂
 標高850.8mの御山山頂の標識。山頂には小高い丘が3つ続いている。山頂に出たら3つの丘を渡り歩いてみよう。両側は切り立った崖で、左右両側、そして前方とほぼ360度海で囲まれた眺めを満喫できるに違いない。さすがに山頂は風が強く寒さを感じる。上に羽織るものは必ず持っていこう。