御蔵島の研究に役立つ一冊
「御蔵島島史」 御蔵島教育委員会 頒布価格\8000-
 
 御蔵島の研究には必須の「御蔵島島史」が2006年3月31日に発行されました。島の歴史だけでなく自然や民俗についても詳しく掲載されています。一般の書店では販売はされませんが、御蔵島村役場に電話をして、御蔵島村教育委員の担当者の方に申し込めば有償で頒布を受けることができます。  頒布価格は一冊8,000円 送料700円 支払い方法は、郵便振替もしくは現金封筒によります。申し込みは村役場内教育委員会まで。電話04994-8-2121
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2006年月発行
豊かな島 御蔵島
「豊かな島 御蔵島」広瀬飛一写真集
発行 小学館 \1,995−

 ガイドブックや旅行などでもなかなか見ることができない御蔵島の人の様子を見ることができる貴重な一冊だ。そこに映し出された村の人々の表情は自然であり、本物の生活の一コマ一コマが見事に映し出されている。ともすれば「豊かな自然」という面だけが一人歩きしてしまいがちだが、島の本当の魅力は御蔵島に住む人々にあることを改めて思い起こすことができる一冊になっている。
フィールド図鑑 御蔵島の植物・動物
「フィールド図鑑 御蔵島の植物・動物」
発行 東京都御蔵島村 ¥840-
 
念願のフィールド図鑑が発行。御蔵島の植物観察や野鳥観察をするときには是非携帯したい。ズボンの後ろポケットに差して歩けば携帯しやすくて、必要なときもサッと取り出せて調べられるので便利だ。島での名称も記録されているので、民俗学的にも貴重な一冊だ。 
御蔵島の旅人 お勧めの本
お勧めNo.1  
  うみくら
 「海暗」 
有吉佐和子 著  (絶版)
  いまや絶版となってしまい入手が困難になってしまいました。しかし図書館の蔵書には有吉佐和子さんの作品が揃っているはずです。御蔵島リピータの皆さんは、是非とも一度読んでみましょう。御蔵島の文化、歴史を知ることができるでしょう。御蔵島の旅人お勧め度No.1の本です。古本屋さんにあったら即買いの一冊です。  
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初版本 「海暗」有吉佐和子
お勧めNo.2
「みくらの森は生きている
発行 東京都御蔵島 \2,000-

 御蔵島のガイド本と言えばこの本。御蔵島のイルカはもちろんのこと、オオミズナギ鳥の生態、昆虫の生態、巨樹の森の情報が満載だ。それもそのはず、村役場や御蔵島イルカ協会、巨樹の会、宇都宮大学農学部教授などが協力してできた本です。写真がふんだんに使われていて、とても読みやすく、おすすめの一冊です。御蔵島のエコツーリズムを長年に渡り真剣に考えて来た方々の力の結集だ。

 売っているところ :  東京竹芝桟橋の売店。御蔵島の各宿。 (一部置いていない宿あり ) 
お勧めNo.3
御蔵島 西洋黒船漂着一件記 高橋基生 著 (絶版)
発行 ノーベル書房
 
 御蔵島の本格的な解説本と言ったら最も有名なのはやはり高橋基生博士が執筆されたこの本です。高橋博士は植物学者として高山植物を調査するために御蔵島に渡島されました。御蔵島が米軍射爆場候補地となった際には一早く植物学者として反対を表明されました。高橋博士はまず100年前に米国人船員と多数の中国人を島民が救った御蔵島バイキング号漂着事件を徹底調査し、米国人を救った日米友好の象徴とも言えるこの島が今や米国の爆撃練習場となろうとしている現状をAsahi Evening Newsに投稿されました。これをきっかけにして、御蔵島の豊かな自然と文化、そして切迫した射爆場問題について米国でも広く報道されるようになりました。同時に日米友好の象徴として御蔵島に記念碑を作るプロジェクトを当時の米国司法長官・ロバート・F・ケネディー氏に提案し、ケネディー司法長官から賛同を得るなど、射爆場問題に関連した高橋基生博士の幅広い活動の功績というのは非常に大きいものがあります。この本はバイキング号漂着に関する事はもちろんのこと、御蔵島の文化、歴史、射爆場問題、オオミズナギドリの生態、そして高橋博士の専門である植物、それぞれについて詳しく書かれており、この魅力ある島をもっと知ってほしいという高橋博士の愛情があふれた一冊となっている。
           
その他の本

文久三年御蔵島英単語張 小林亥一 小学館 \2,310-
 
巻末に104ページに亘って栗本市郎左衛門が書いた文久三年御蔵島英単語帳のカラー写真資料が一ページずつ掲載されている。またヴァイキング号の船員だったカートライトが当時を回想して娘に送った手紙「カートライトから娘への手紙」(訳・沢渡谷紀代子)の訳文も掲載されている。(カートライトの手紙の原文は高橋基生博士「西洋黒船漂着一件記」P21〜に記載されている)。また栗本市郎左衛門「西洋黒船漂着一件記」の原文(文語体)と口語訳も掲載されている。そういう意味で、高橋基生博士の「西洋黒船漂着一件記」の参考資料集として活用することができる一冊となっています。
「御蔵島のイルカ」 著者 ジャック T.モイヤー\1,800-
 三宅島の自然保護活動家のジャック T.モイヤー氏が書いた。御蔵島のイルカの生態については、現在も最も詳しく書かれた本として位置づけることができる。御蔵島のイルカの入門書であり、かつ専門書でもある。イルカのテリトリーについての記述については、実際には常に変動しているので参考程度にしておこう。エコツーリズムのあり方についても書かれており、地元の方の手によるエコツーリズムが大切であるということが、最も本書で述べたかったものであったが、但しモイヤー氏は三宅島を拠点に活動されてきたため、本書も三宅島のウォッチング業者より書かれており、本当の地元である御蔵島のウォッチングにはほとんど触れられていない点は大変残念である。ジャック・モイヤー氏は、米軍の爆撃訓練から三宅島のカンムリウミスズの生息地を守るなどの活動をされ、2004年1月9日他界された。
1997年 海游舎 \1,800-
ISBN4-905930-03-0 

「イルカの棲む島」 
発行 御蔵島バンドウイルカ研究会 

 御蔵島バンドウイルカ研究会とは、御蔵島の地元イルカ保護協会である御蔵島イルカ協会と、それに協力する調査ボランティアが集まってできた研究会だ。実際の活動ボランティアはアイサーチ・ジャパンでは無理で、一般の方や東京水産大学等の学生などアイサーチ・ジャパンとは全く縁の無い調査ボランティア達の方がかなり無理をして自費(年間最低6〜7万、その他、島への交通費なども自費)で活動してきた。そうした犠牲の上で成り立ってはいるが、この本の編集を担当したアイサーチ役員だけはアイサーチ役員同士で報酬を貰うことに決めてしまったり、発表なども相変わらずアイサーチ役員が個人名で出したりと、本来のNGOのあり方とは何かを考えさせられてしまう一冊となってしまった。
「スノーケリング」 著者 長谷川孝一 
 発行 誠文堂新光社 \1,800-

 鎌倉で自然教育活動に取り組んでいる地元でも有名なビーチコーマーであるヒゲ先生の本。(財)日本自然保護協会の自然観察指導員向けのスノーケリング講習でも指導されている。旅人たちもスノーケリング練習の際には、海に入る前にその海をよく知るためビーチコーミングをしてから徐々に海に入るが、これはヒゲ先生に出会ったからこそ。この本はとても分かりやすくまとめられており、御蔵島に行く前にスノーケリングの練習をしたい人の参考書として最適な一冊です。きれいな写真をふんだんに使い、海に入ってリラックスする方法から書かれており、スノーケリングができる人も、これを読むと大変参考になるでしょう。旅人仲間でも長谷川先生の人柄が大好きな人が多い。